加齢に伴い、意識と身体の動きとの間に、ますますギャップを生じるようになっている。
まして80歳近い小生の場合、このギャップは広がるばかりで、あせる意識がますます動きをぎこちなくしている。
そこで、それならいっそのこと身体の動きを「よりゆっくり」にしたらどうなるかと思った。
この点で、今実践しているのは、食事の際の「噛む」動作である。
つまり、「咀嚼」についてである。
従来これを意識して、例えば、ご飯を口に入れ20回噛もうとする場合、回数を稼ぐためにかなり早口でこれを行っていた。
こうすることで、ご飯はこなれて来るが、果たしてこれで十分なのか?
咀嚼回数は稼いだが、それが唾液と十分混ざり合って、たしかな消化の助けになっていただろうか。
否である。
要は、咀嚼のスピードが速すぎると、これに唾液の分泌が追い付かず(咀嚼回数を稼ぐだけでは)消化に良いとは言えないのだ。
そこで、「ゆっくりズム」の登場である。
つまり、咀嚼それ自体を、従来より「ゆったり」行うのある。
勿論、咀嚼回数は、従来通り20回とするなら、食事に要する時間はそれだけ長くなることになる。
こうすることで、消化の助けになるだけでなく味もよくわかり、加えて、食事それ自体のスケール感が増しより美味しくいただけるようになったから不思議である。