昨年秋、第18回ショパン国際ピアノコンクールで、第2位に入賞した反田恭平氏のコンペテションライブを聴いた。
音が出てしばらくして、「反田君って、こんなにやさしい音で弾く人だったっけ?」と妻に話しかけたほど、その演奏は穏やかでナイーヴなものであった。
過去2回、同氏の生演奏を聴いているが、どちらかと言えばエネルギッシュな演奏だったと記憶している。
しかし、このドーナツから出る音はやさしくマイルドで、説得力に満ちたものであった。あるいは、審査を意識した音造りに徹していたのかも知れない。
また、(予選から本選と進み)曲が変わっても、演奏スタイルは一貫していて、微塵のゆらぎも感じられないすばらしいものであった。
収録曲(Disc2)
・ショパン/ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op35「葬送」
・同/ラルゴ 変ホ長調 Opposth「神よ、ポーランドをお守りください」
・同/ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op53「英雄」
・同/ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op11*
演奏
反田恭平(ピアノ)
アンドレイ・ボレイコ指揮ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団*
録音 2021年 NIFC NIFCCD643-644