数日前、森の中の木々の下に一つの赤茶けた錆びた丸いドラム缶があるのを見つけました。
あれ、これは??
かつてこの場所に野良猫がいっぱいいた頃、きっと親切な誰かが野良猫たちの為に雨露がしのげる
家としてこっそりと置いて行ってくれた物かも知れません。
その証拠にドラム缶の入り口には丸い出入り口が切り抜かれています。
間違いなく猫が出入りしやすいように切り抜いてくれたのでしょう。
これはスリスリちゃんの家に使えそう、、、、
更にドラム缶をよく見ると、入り口以外には穴もなく、スリちゃんに丁度いい大きさです。
こんな物があったらいいのにといつも思っていたので、思わず嬉しくなりました。
これから次第に寒さが増してくる時期、こんな家があったらきっとスリちゃんは喜ぶのでは
と思い、さっそくいつもスリちゃんと過ごす木の横たわる森の木の茂みの中に持っていきました。
鉄製の為かちょっと重かったのですが、それだけ頑丈ということです。
翌日小雨の中、不要になった小さいマットを持参しドラム缶の中へ。
この日はスリちゃんには会えませんでした。
そして今日、森の中から出てきたスリちゃんは、私が腰掛ける木の上で爪とぎを始めました。
前日置いたドラム缶の中に敷かれたマットもそのままでありました。
”良かった!”
せっせせっせと爪研ぎをするスリスリちゃんは、今日も元気。
それに、そろそろ冬毛に入る時期なのか、なんだかぷっくりと太ったみたいです。
”スリちゃん、新しいスリちゃんのお家が見つかったよ!!”
”え?お家!!”
”そう、今日からこれがスリちゃんの新しいお家だよ”
スリちゃんは木の茂み中のドラム缶に近づき不思議そうに周りをウロウロし始めました。
”これ、なーに???”
猫にとって環境の変化は大きなストレスになると聞いていますが、ここなら家の中に
閉じ込められる訳でもなく、周りはいつも見慣れた場所です。
それでも見慣れない物に興味を示したスリちゃんは、しきりに周りを確認し、不審なものが
ないか匂いを嗅ぎながら点検の様です。
ドラム缶の周りを一回りし安全を確かめたスリちゃんは今度は、、、、
ドラム缶の中が気になったようで、、、、やっと入り口にやって来ました。
ここでもしきりに匂いを嗅ぎ何かを確かめて、、、すぐには中に入ろうとはしません。
家猫より慎重になっているのでしょうね。
匂い付けの為にドラム缶の中に少しカリカリを入れ上にオチュールを載せてみると、、、
首を突っ込んでカリカリの上にのせたオチュールだけ綺麗に食べました。
”あら、オチュールだけ、でもまあ良いか!”
これで自分の家と思ってくれたらいいのですが、、、
一応新しいお家でもお食事を終えたスリちゃん、、、
”どうだったスリちゃん???気に入った???”
いったん自然の中の生活を知ってしまった野良ちゃんは、家の中は窮屈に感じるのか、、、
かつてこの場所から貰って行ったキキとジジの兄弟猫は、我が家に来てから何度も脱走し
ついには黒猫のジジは脱走した後戻ることもなく、残ったキキも持っていた猫白血病を発症し
亡くなるという悲しい思い出があるので、家猫にすることが必ずしも野良ちゃんにとって幸せとは
限らないのではという思いが今でも残るのです。
”おばさんありがとう!!”、、、、と言ったかどうか。(笑)
スリちゃんは、いつものようにスリスリと、、、
私の周りをうろうろと、、、、、
次回行った時、スリちゃんがこの新しい家の中に入ってくれていたら嬉しいのですが、、、
どうでしょう???
ここに入れば冷たい雨や雪から身を守ることが
出来るのではと思いますが、そこは猫、こちらの
思いどおりになるかどうか???(笑)