先日偶然に舞い込んだ無料招待状のバスツアーに参加する幸運に恵まれました。
ある食事処で書いた応募券のことなどすっかり忘れていたのですが、どうやら当選
となり嬉しいことに無料ご招待状が届いたのです。
行く先は春まだ浅い甲州路。“山梨えんざんの旅”ということでした。
もちろん喜んで参加してきました。
バスは一路中央道を走ります。
バスの車窓から雪をかぶった南アルプスの山並みが見えてきました。
最初の立ち寄り先は甲州市にある「甘草屋敷」(旧高野家住宅)でした。
この甘草屋敷は、高野家が江戸時代(八代将軍徳川吉宗治世)に薬用植物である甘草の栽培を
して幕府に納めていた家で、古くから「甘草屋敷」と呼ばれてきたようです。
大きな茅葺屋根の立派な建物は、重要文化財にも指定されており、この時期(2月上旬~4月
中旬)まで「ひな飾りと桃の花まつり」が開催されていました。
画像にマウスオンでスライドショーです。
屋内に入ると奥座敷の向こうに所狭しと沢山のお雛様が飾られその数に圧倒されました。
約800体のひな人形やつるしびなが飾られ、きらびやかなひな祭りです。
内裏雛も年代物も多く古くは享保年間(1700年代)から明治、大正、昭和にいたる
ひな人形が大広間に鎮座し、珍しいつるし雛もたくさん。
これだけ並ぶと子供でなくとも大人でも女性はやっぱりうれしいものですね。
観光ボランティアの方のお話では、赤を基調とした飾りは邪気を払うのだそうです。
今年はお雛様も出しそびれてしまい、ここでちょっと遅れたひな祭りを味わいました。
昼食をはさみ次に立ち寄ったのが、武田信玄の菩提樹の乾徳山恵林寺(えりんじ)です。
立派な四脚門(赤門)は、国の重要文化財に指定されているものとか。
この赤門は織田信長により全山焼かれた後徳川家康により再建されたものだそうで、
1606年の棟札が掲げられていました。
画像にマウスオンでスライドショーです。
山門を入ると広いお庭が広がり皆さんで自由散策。
その後本堂に入り恵林寺庭園の見学となりました。
暗い室内にくっきりと大きな「風林火山」の書がお出迎え、印象的です。
お庭に面した長廊下を通り、うぐいすの廊下を渡ります。
歩くたびにキュキュととうぐいすの音が、、、風流ですね。
それを過ぎ長い廊下を行くとやがて武田信玄の墓が出てきます。
1573年4月12日に53歳で没した信玄公を悼み、恵林寺では現在も
4月12日には毎年供養が行われてるのだそうです。
そしていよいよお庭へ、、、
ここが本堂の裏の夢想国師によって築庭された池泉回遊式庭園です。
上段には枯山水、下段には心字池を配したお庭は見ごたえ十分の名園で、国指定の名勝
となっているようです。
いつまでも眺めていたいような心落ち着く庭園でした。
最後にもう一度前庭に出て、広いお庭を散策し県文化財の有名な山門があるというので
見に行くと、、、
「安 禅 不 必 須 山 水 滅 脚 心 頭 火 自 涼」
(あんぜん かならずしも さんすいをもちいず しんとう めっきゃくすれば
ひもおのずからすずし)
という文字が刻まれた山門でした。
後半の言葉は有名ですね。
武田軍を滅ぼした織田軍はこの恵林寺まで押し寄せ、潜伏保護されたものたちを
引き渡すよう快川和尚(かいせん おしょう)に命じたが、拒否された信長はこの和尚を
含む約百人の僧侶を封じ込め火を放った時にこの和尚によって読まれた一句だったようです。
偶然にもおひな祭りと歴史を味わえた山梨の旅でした。