天正遣欧使節としてローマに派遣された四人の少年たち。その後の人生を描く。松本清張賞受賞作品。
資料などに基づいた史実からフィクションとして人物を立ち上げた歴史小説で、天正遣欧使節の四人のうち、ただひとり棄教した千々岩ミゲルとその妻・珠の視点から書かれています。物語はその珠の会話という手法をとった独白ではじまりと終わりがあり、この珠を主軸にしているところにドラマとしての広がりがあります。史実では、<棄教した>とだけですが、その背景を重層的に描き苦悩するミゲルの内面は最後まで主にゆだねられていたというフィクションの真実。そして、普通の人間である珠のまっすぐさに胸を打たれます。
当時、殉教をよしとしてこぞって殉教を行ったという歴史に反したミゲルたちの誓い。
そして、表題の<マルガリータ>とは…。
史実としてのミゲルの晩年はどうもはっきりしていないようですが、近年その墓が見つかったというのをネットで拾いました。と、なるとこことこことここがフィクションで…。うーん、これだけ話を事実から膨らませるのってすごい。さすが、プロ。
資料などに基づいた史実からフィクションとして人物を立ち上げた歴史小説で、天正遣欧使節の四人のうち、ただひとり棄教した千々岩ミゲルとその妻・珠の視点から書かれています。物語はその珠の会話という手法をとった独白ではじまりと終わりがあり、この珠を主軸にしているところにドラマとしての広がりがあります。史実では、<棄教した>とだけですが、その背景を重層的に描き苦悩するミゲルの内面は最後まで主にゆだねられていたというフィクションの真実。そして、普通の人間である珠のまっすぐさに胸を打たれます。
当時、殉教をよしとしてこぞって殉教を行ったという歴史に反したミゲルたちの誓い。
そして、表題の<マルガリータ>とは…。
マルガリータ村木 嵐文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
史実としてのミゲルの晩年はどうもはっきりしていないようですが、近年その墓が見つかったというのをネットで拾いました。と、なるとこことこことここがフィクションで…。うーん、これだけ話を事実から膨らませるのってすごい。さすが、プロ。