言い寄る (講談社文庫) | |
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講談社 |
なんと私が生まれた年に雑誌掲載された小説。うわ、40年近く前に書かれたとはとても思えない?!
田辺さんの作品は時折読みたくなる。でも、全盛期に読んでなかったことを残念に思います。確か個人的な出会いは「源氏物語」の現代語訳でした。
さて、『言い寄る』は、デザイナーの乃里子を主人公にした三部作の第一作です。
乃里子は31歳。本当に好きな人には本気にされず、遊びの恋はそれなりに。そして、舞台はもちろん関西。田辺作品といえば、やわらかい大阪弁。“もったり”と恋愛話が進展していきますが、不倫や二股、DV、片思いと盛りだくさん。友達の妊娠に本当に好きな人が選んだ相手…。共感でもないけど、けっして分からない訳ではなく。反省なんて乃里子はしませんから、どんどん好きなことをしているのになんだかいつもなにかを求めていて…。田辺先生、すごいです。と、伊丹の方角にむかって頭を下げる。
続編『私的生活』『苺をつぶしながら』も楽しみです。