こっちへお入り (祥伝社文庫) | |
平 安寿子 | |
祥伝社 |
ハードカバーで出版されたときに書店で手にしたものの、当時はまだ自分も小説書いていたのでこれを読んだら書けなくなる!と買わなかった本作。それから四年後、文庫版で読みました。
30過ぎのOLがひょんなことから通うことになった落語教室でどんどん落語にのめりこんでいく話。
ね、私が書きそうでしょ~。
主人公の江利は最初、まったく落語の知識ゼロ。ですから、落語入門編のようにメジャーな落語が挿話として入ります。それが江利自身の生活ともリンクしていくのですが、出来事ではなく心理として物語を掘り下げていくので単なるいい話になっていないところがいいです。
プロを目指すでもなく素人落語の目線に徹しているのにも、ああ私これを書きたかったのよ!とにんまりしてしまいました。
そして、モデルとなった素人落語家さん夫婦は広島在住って、もしかしてーと思ったらやっぱりわいんさんのお知り合いでした。世間は狭い~。