曽呂利! | |
クリエーター情報なし | |
実業之日本社 |
ふと本屋で手にとり読み始めてから「ミステリーか!」と気付いた時代小説。
御伽衆の一人だった曽呂利新左衛門、おもしろおかしいことを言う人だったららしいのですが、はて何した人だろ?と思って読み始めました。
豊臣秀吉、その栄光の時代と孤独と死を秀吉のそばでおどけている曽呂利を絡めて周りのものたち~千利休、石田三成、安楽庵策伝の視点で描きます。そして、曽呂利とは何者であったのか?
史実を調べると曽呂利が実在の人物であったかどうかは分からないようです。安楽庵策伝との同一人物説もあるようで。存在がはっきりしない人物を独自の視点で肉付けした本作は豊臣家の凋落の謎に迫っていきます。そして、それは読者を飽きさせません。
時々、現代っぽい表現があるのですが、作者がまだ29歳と知りびっくり。よくもまあ、ここまで書けるもんだと。物語的なところはもちろんですが、土地の空気とか。
で、けっきょく曽呂利がなにをしたかというと…まあ、それは読んでのお楽しみ。
史実上で分からないのは民衆の前にでてきてなかったからでしょうね。
さて、そんな本の読了の後に別の作家さんが米沢彦八の話をWEB連載し始めましたよ。
木下 昌輝『天下一の軽口男 米沢彦八伝』