おととしのこと、ツイッターにさっそうと現れたnoteの若者・岸田奈美さん。最初に話題になったブラデリスのブラはわたしも数年前に興奮して文章にしたことがあったので「同士よ!」という思いで読みましたのよ。
そのころ、あまたある今話題の文章を読むとなんとなく書き方の傾向があるのですよね。構成の中に入れられる本文の筋以外のエピソードや比喩の形って、流行りがあるねんなあとつくづく。
あるとき、これも話題になったダウン症の弟と旅行するnoteを見ると二人が自宅の最寄り駅から旅にでる写真に見覚えがある。これ会社の最寄り駅の隣の駅やんか。
神戸市北区…。
そんなこともあって引き続き、彼女の文章を読み続けるうちに会社員をやめて作家一本に。
そして、彼女は、彼女の筆は書けば書くほど進化していった。早逝した父、半身不随になった母、ダウン症の弟、痴呆症の祖母、そして彼女自身に起こるあり得ない出来事。それらがどんどんどんどん筆の力で昇華されていく。
春、お母さんの緊急入院により帰省した彼女がnoteにて「もうあかんわ」という毎日を書き綴りはじめた。毎日毎日、なんでこんな事件が起こるのか。そしてわたしはnoteに課金した。やっぱりこのひとなんか違う。
そのときのnoteの書籍化。しかも出版社は明石の出版社。そんなところに出版社が。note作家といい、地方都市の出版社といい、わたしの知らん間に世の中は変化していってる。