失業した映画プロデューサー”チャンシル”さんのはなし。
なんとも余韻に浸れる映画でした。
仕事もない、家庭もない、金ない、男ない。子どもない。
そんなチャンシルさんは40歳。
まだ若いやん、て思ってしまった。
でも、今までしてきたことの決算とか、じゃあ、先どうするの?とか。
持たざるものの焦燥感には共感しかない。
そんな失業生活の中、彼女の背中を押すのが、
レスリー・チャンの幽霊(自称)、似てない(笑)。
でも、登場のシーンの衣装、角度、しぐさ、そしてBGMとすぐに分かった。
ヨディ!!!
「欲望の翼」のヨディ!退廃的なヨディ!
映画の中では(字幕では)レスリーと名乗っていたし、ヨディではなくレスリーなんだろうけど、深い意味があるのだろうか?あるような、ないような。
でも、小津安二郎の映画が好きなチャンシルさんの好きなレスリーはヨディだな、と勝手に納得。待ち合わせてるのはマギー・チャンか?とたずねてたしね。
チャンシルさんの日常にはちょっとした躓きがあり、心を亡くして気持ちを殺していって。
でも、大家さんとのやり取りの中やレスリーの励ますによって顔を上げていくのです。実は彼女を想うひとがまわりにはいっぱいいた。それが「福」。
ラストシーンはチャンシルさんの行く道であったり監督自身の映画へのオマージュ、レスリーは映画の神様か?なんてのが濃縮されていて涙がポロポロこぼれ落ちて、エンディング・テーマに心が軽くなりました。
レスリー(幽霊)が言います。
「本当に望むものが分かったら、幸せになれる」
わたしも自分の気持ちに向き合っていこうと思います。レスリー(幽霊)が言ってくれたんだから。
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