愛の幻滅 (上) (講談社文庫 (た2-38))田辺 聖子講談社このアイテムの詳細を見る |
愛の幻滅 下 (3) (講談社文庫 た 2-39)田辺 聖子講談社このアイテムの詳細を見る |
昨夜は私の作品の合評でした。出したとはいえ書き直し作品だったので(しかも、大幅には変わっていない)、達成感もなく終了感もないような状況です。次は9月なのですが、自分で自分の首を絞めたような感覚です。今回、手を抜いたので妙なプレッシャーにさいなまれるという。
さて、田辺聖子さん『愛の幻滅』を読み終わりました。30年前を舞台にしたOLの恋模様。28歳の眉子は独身でハイミス、つまり今で言う負け犬。一人暮らしの部屋に電話がひいてなかったり、という時代を感じさせるところもあるのですが、今まで読んだ田辺作品のなかで断然良かった!眉子の恋は不倫、・・・でも恋。心があっちへ行ったりこっちへ来たりする過程がすごくリアル。なんでこんなに書けるの?!と芥川賞作家に対して詰め寄りたくなりました。この装丁かわいいですね。
作品書いていて、書くということを続けてきた中で<私にとって書くこと>の意義は<自分のため>なんじゃないかと思えてきました。自分に近い主人公や自分に近い読者しか想像できなくて、まあそれも書く方向性を考えると軸ができてきたのか幅を狭めているのか、そんなところなのでしょう。
なので、『愛の幻滅』を読んで共感して(あまりのリアルさに空恐ろしくなりながら)ふと以前はまったドラマ「すいか」を思い出しました。
年齢や境遇が違う女性がひとつの寮に住み、それぞれの問題にゆっくり向き合うという内容ながらユーモアがあり、登場人物や細部が魅力いっぱいだったのです(「ちりとてちん」にはまったのと理由が似てるな)。はまった割りにビデオで何回も見たというわけじゃなかったので、内容も忘れつつありもう一回見たいなあ、と思ったらDVDボックス発見。13,000円かあ。逡巡して結局買うことになりそうです。きっと、こういうの書きたいんだろうなあ(直接的な真似ではなくて)。
すいか DVD-BOX (4枚組)バップこのアイテムの詳細を見る |