Matching Mole - Righteous Rumba& Brandy as in Benge
カンタベリー・ロック特集をゆっくりやっております。
今回はソフト・マシーンを飛び出したロバート・ワイヤットのバンド、マッチング・モウルのセカンド・アルバムです。1972年発表。
上の曲は、4曲目のRighteous Rumbaと5曲目の Brandy as in Bengeです。このアルバムの中では、聴きやすい曲なんです。創造性を拡げたロックと言ったところでしょうか。ジャズ・ロックというよりプログレッシブ・ロックですね。
アルバムタイトルですが、ファースト・アルバムのジャケットにそっくりなモグラ2匹の可愛い絵が描いてあったのが好評だったのでしょう。日本のレコード会社はセカンド・アルバムの邦題にも「そっくりモグラ」という言葉を使いました。でも、可愛いモグラの絵はアルバムジャケットにありません。バンド名は「マッチングするモグラ(そっくりモグラという和訳はジャケットのイラストから考えたものとでしょう。)」ではあるのですが。
アルバム・ジャケットは、当時の中国が作った台湾開放を訴える絵葉書をモチーフにしています。アルバムタイトルもずばり毛沢東語録(Little Red Record)という言葉を採用。
当時ロバートはかなり中国に影響を受けたのかな。
メンバーはドラム、ヴォーカルに、ロバート、キーボードはデイヴ・シンクレアに代わってニュー・クリアスのメンバーだったデイブ・マクレエ(1作目にもゲストで参加)、ギターはフィル・ミラー、ベースはビル・マコーミック。ゲスト・ミュージシャンはブラインアン・イーノ(VCS3シンセサイザー)、そして、コーラスというかおしゃべり担当で3人の女性が参加。
プロデューサーはクリムゾンのロバート・フィリップ。
この作品を発表した翌年、ロバートはパーティの際に建物の4階から転落、下半身不随となってしまいます。ドラマー生命を絶たれました。その後、シンガー兼キーボードプレイヤーとして再起したのは多くの方がご存知のとおりです。
この作品には、前作に「オーキャロライン」のようなポップな曲はありません。実験的な作品が多く、難解です。ロバート・フィリップがプロデュースしてて、クリムゾンに似ている部分もありますが、アルバム全体としてはクリムゾンと違って、完全に非ポップです。だって、クリムゾンのヴォーカルはちゃんとメロディ歌いますからねー。まあ、わかりにくいのがプレグレだ!だから魅力的なんだ!と言う人もいるので、いろんな評価はあると思います。
今回ご紹介した曲は最も聴きやすい曲です(下の曲も含めて)。他の曲はひねくれています。ポップ度が低いことを承知で聴くべき作品ですね。
下の曲"Flora Fidgit"はインストで面白いです。音の展開が目まぐるしく、飽きない。まさに、プログレ。色んな表情がありますね。曲が長すぎないのもいい。フュージョンっぽいところもあります。
Matching Mole "Flora Fidgit"
カンタベリー・ロック特集、次回はキャラヴァンです。「ウォータールーリリー」です。よろしくお願いします。