10日の夕食は、ホテル近くのHokkaidoという日本食レストランに行ったが、入ってみるとどこかでお見かけしたような人が目に飛び込んできた。ひょっとしてとも思ったが、絶対あり得ないと思いつつも、周りにいた人に名前を出して訊いてみたら、その方だというので、ビックリ仰天。
その方とは、昨年まで駐日モンゴル大使だった方で、たまたま十数年前に、東京で一緒に食事をしたことがある個人的に知っている唯一のモンゴルの方である。家の近くに住む知人のチベット人夫妻を一度我が家に招待したことがあり、そのお返しというか、帝国ホテル近くの高級レストランに夫婦で招待されたことがあった。その時に、一緒に会食し、紹介されたのが当時の駐日モンゴル大使夫妻であった。会食中、今度、強い相撲取りが来日すると語っていたのが印象的で、それが朝青龍であった。
そのチベットの方も、政治学者のコメンテーターとして時々テレビに出演されたり、何年か前にブータン国王が来日された時にも通訳を兼ねてアテンドされていたほどの著名人である。同じ大学を卒業し、彼の講演会に参加したことが縁で今でもおつきあいが続いているが、当時のモンゴル大使とも大変親しかったようである。その大使は、本国の要職と日本大使を交互に務められており、日本通として大変有名な方であるが、昨年、リタイヤされて本国に戻っていたことは、ネットで調べて知っていたものの、まさかこんなレストランでお会いできるとは夢にも思わなかった。
元大使の話によると、その日本食レストランの経営が日本人に代わり、そのお披露目を兼ねて、現職の駐モンゴル日本大使とモンゴル政府の閣僚等との会食がちょうど予定されていて、まさにその準備をされているタイミングであった。こちらはしがない一人旅で定食を食べに来ただけなのに、そこはたまたま接待もできる高級レストランで、このような政府の要人の会食現場に遭遇したとは、まさにあり得ないような偶然の重なりであった。元大使も我々と食事をしたことは覚えていていただいていたようである。失礼ながら、一緒に記念写真を撮らせていただいたが、こんな偶然もあり得るのかいまだに信じられ嬉しい再会となった。