高校生の森井翔太郎選手が、契約金150万ドル(約2億3300万円)でアメリカのアスレチックスとマイナー契約を結ぶというニュースが報じられていてビックリした。彼は、最速153キロの右腕で、高校通算45本塁打を誇る左の強打者という二刀流で、米9球団が争奪戦を繰り広げたという。日本野球機構、NPBの契約金の上限は1億円プラス出来高5000万円の計1億5000万円で、森井選手はドラフト1位選手の金額を上回ることになるというから驚きである。本人の強い希望で、日本のプロ野球には指名されても行かないと言っていたそうである。佐々木朗希選手もドジャースとマイナー契約を結んだし、大谷選手の後輩である佐々木麟太郎選手がアメリカの大学に進学する等若者の挑戦が目立つが、大変いいことである。逆に、それだけ日本のプロ野球が衰退しているともいえる。
驚いたのは、そんな逸材の高校球児が存在し、直接マイナーリーグに挑戦するということだけでなく、彼が自分の母校の生徒であったということである。高校名を見てあり得ないと自分の目を疑ったほどである。国立にある男子校で、スポーツとしては、当時、唯一、体操が有名で、自分と同学年には、オリンピックに出場した者もいたが、野球では、過去に甲子園に行ったこともないし、そんな逸材がいるとは夢にも思わなかった。もともと都下の進学校で、我々の時代でも東大に20名前後入っていて、全国でもベスト20以内に入っていたような気がするが、現状はあまりよく知らない。卒業生で一番有名なのが作家の赤川次郎氏であるが、他には、俳優の西島秀俊氏、エッセイストの嵐山光三郎氏、判決文にさだまさしの「償い」の歌詞を引用し有名となった元東京地裁裁判長の山室恵氏、「小さな日記」で有名になったフォーセインツのメンバ-であった石尾豊氏(故人)等がいる。赤川、山室、石尾氏は、同学年でもある。
森井選手がアメリカのマイナーリーグから巣立ち、大リーグで活躍できる選手になれるかどうか未知数であるが、同じ卒業生の一人として応援したいと思う。大谷選手レベルは到底無理だと思うが、是非とも二刀流に挑戦し、大リーグで活躍できる選手に育ってほしいものである。