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安全マークない自転車用ヘルメットなんて「聞いてないよォ」

2023年07月15日 06時46分39秒 | 交通

2023年4月から自転車のヘルメット着用の努力義務が施行されたが、街で見る限り、ヘルメットを被っている人はほとんどおらず、自転車売り場でも品不足で、あっても値段は5000円以上するものがほとんどで、二の足を踏んでいた。被り心地も悪そうだし、それに自転車から降りた時にどうやってヘルメットを保管するのかいいアイデアがなく、後押しするものがなかった。

そんな時に、テレビ通販でも有名な夢グループからヘルメット半額セールのメールが届き、半額につられて購入した。デザインがまあまあであったのと軽量ということで、あまり迷わなかったが、値段は送料込で3540円であった。今までお店で見ていたものよりだいぶ安いという印象であったが、実際に被ってみて軽量さには驚いた。後でネットで調べたら、送料無料で1000円そこそこで様々なヘルメットがたくさん売られていることを知りビックリ。

どんな違いがあるかよくわからないでいたら、7月12日に国民生活センターが安全性に関する規格の適合マークがない自転車用ヘルメット9商品をインターネットで購入しテストしたところ、全品が衝撃吸収性で劣るなど、安全性能が低いことが分かったという違和感のあるニュースが流れていた。「製品安全協会によるSGマークなど安全性確認のマークがついたものを選んで」と同センターは呼びかけているというが、今さら何?という感がある。工事用ヘルメットもNGというから、ダチョウ倶楽部なら、まさに「聞いてないよォ」と言うであろう。

今年4月から道路交通法が改正され、自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務となったが、その時に、ヘルメットの安全基準について何の注意書きもなかったような気がする。SGマークのついた安全基準を満たしたヘルメットだけが対象だなんていう話はかけらもなかった。道交法上の努力義務と安全基準の話とは何の関連性も一貫性もないように見える。

個人的には、着用努力義務とされるヘルメットは、どんなものでもいいと理解していた。安全基準を満たさないヘルメットは対象外だなんて思ってもみなかった。ヘルメットは頭部を守ることが目的なので、守れないヘルメットでは意味がないというなら、道交法上のヘルメット努力義務は曖昧で意味不明である。本来なら、「SGマーク付きのヘルメット着用の努力義務」とすべきであったのに、そのことに触れずに努力義務だけを謳った本改正は欠陥というか杜撰な改正であったと言われても仕方がない。

今になってSGマ-ク付きのヘルメットだけを推奨するなんておかしな話である。警察官は、着用しているヘルメットの種類をチェックするのであろうか?粗悪品を着用している人に対し、SGマーク付きのヘルメット着用を促すのであろうか?ネットでは1000円前後のヘルメットが多数販売されているが、こういった事態を招いたのは、道交法改正の担当部門の重大ミスである。SGマーク付きのヘルメットがあるなんて、このニュースを見て初めて知った人も多いのではないか?

先に購入したヘルメットを調べて見たら、CEマーク付き(EN1078)であった。これは、商品が全てのEU加盟国の安全基準を満たしていることを示すマークで、その中でも、自転車用ヘルメットの安全基準として規定されたものが、EN1078という。こんな安全基準があることも調べて初めて知った。SGマークは、日本の安全基準を満たしたものをいうらしい。CEマークのものでも、多少なりとも頭部を守ってくれると思うので、新たに購入するつもりはないが、政府は、はっきりと方針を明示すべきである。ヘルメットの莫大な需要を考えると粗悪品の出現も予想できたし、SGマーク付きヘルメットの製造会社との癒着も心配である。政府当局は、早急に不正の余地を排除し、安全基準を明確にし、問題点を精査し、さらなる改正を検討しないと意味ない法改正に終る可能性が強い。







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