人生初の海外旅行は、大学の卒業旅行(1970年)で、行き先は台湾であった。中国語は全く知らなかったが、台北から高雄に向かう列車での中国語による車内アナウンスにウットリしたことを鮮明に覚えている。台湾ではマンダリン(北京語)が話されていて、日本語と違って、旋律のように流れる印象で、特に若い女性の話す中国語は世界で一番美しい言語ではないかと思ったほどである。
当時、台湾では日本の歌謡曲がいろいろ流行っていて、レコード店で何度も耳にした美しい中国語による日本の歌謡曲の音楽にものすごい衝撃を受けた。メロディーはよく知っているのに、言葉に惑わされ曲名が思い出せないことがよくあった。当時、一番人気があったのが、麗君(後のテレサ・テン)で、レコードやカセットテープもいっぱい売られていた。彼女の中国語は大変美しく、その時以来ずうっとファンになっている。 日本でのデビューが1974年とのことなので、その4年前からのファンであることに誇りを持っている。
日本の歌謡曲はメロディーに馴染みがあるが、その歌を美しい中国語で聴くことになるので、何とも言いようがない不思議な魅力がある。その時以来、台湾や香港に旅行で行くたびに、必ずレコード店に立ち寄り、中国語で歌われている日本の歌謡曲のレコードやカセットやCDを買い漁ったものである。
自分でHPを作り始めた時、早速、このジャンルの楽曲を整理し、現在、中国語で歌う日本の歌謡曲を200曲ほどHP上にリストしている。そのうち、約60曲はテレサ・テンが歌っている。そのほとんどをHP上で聴くこともできるので、興味ある方は是非、美しい中国語による歌謡曲を聴いてほしい。
HP: http://romanflight.web.fc2.com
音楽シリーズ ⇒ 中国語による日本の歌謡曲シリーズ (1)(2)
中国語のタイトルは、原曲から類推できるものから、全く異なるタイトルが付けられているものまで、千差万別である。例えば、類推できそうなものを挙げると、
償還 四個願望 再見我的愛人 誰能禁止我的愛
世界多美麗 愛的理想 恋愛季節 過去的春夢
別離的預感 涙的衣裳 酒紅色的心 等々
わからなければ、HP上でそれぞれ確認してみてください。
ところで、テレサ・テンの曲の中で、唯一、幻の逸品となっているのが、「別れの予感」の中国語版である。中山市のカラオケで聴いたような気がしたが、いろいろ調べてみると、中国語版は作られていないようである。タイトルのみ「別離的預感」とか「襟曲」とかを見かけるものの、歌そのものにはまだお目にかかったことがないのが残念である。もし情報をお持ちも方がいれば教えてほしい。
テレサ・テンは、残念ながら42歳の若さで亡くなったが、最近の新聞で、台湾中部の雲林というところに彼女の生家があり、観光で見学できることを知った。産声をあげた部屋をはじめ、いろいろな生活用品や写真なども展示されているようである。台北からかなり離れていそうだが、近いうちに是非とも訪問したいと計画を立て始めたところである。