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北海道新新聞日刊紙本日付け
およそ15年前、サハリンに賢治さんの足跡を辿るという目的のツアーに参加したことを思い出しました。
この記事にあるスタロドブスコエ(栄浜)の海岸も歩きました。賢治の詩「オホーツク挽歌」の舞台となった地に立ち、賢治が見たであろうオホーツク海や周辺の景色を感慨深く眺めたものでした。
記憶が定かではないのですが、当時は琥珀ではなく、穴のあいた白い貝を採取したように思います。穴はツメタガイが空けたものと思われ、「サガレンと八月」という童話の文脈の中に以下のように登場していたからです。
「白い貝殻に円い小さな孔があいて落ちてゐるのを見ました。つめたがひにやられたのだな」
賢治が当時としては日本最北の地へ向かったのは表向きは教え子の就職斡旋でしたが、内実は前年に亡くなった妹トシさんと魂の交信を試みたかったからというのが賢治愛好家の間では通説になっています。
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この記事により、しばらく遠のいていた賢治ワールドにふと連れ戻された気がしました。近く、「永訣の朝」の授業も控えているので、賢治作品を読み返す良い契機になりそうです。