透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

「一つのメルヘン」

2018-07-31 17:03:02 | 日記

晴れ。最低気温21.8℃、最高気温31.0℃。

 

一つのメルヘン    中原中也

秋の夜は、はるかの彼方に、

小石ばかりの、河原があつて、

それに陽は、さらさらと

さらさらと射してゐるのでありました。

 

陽といっても、まるで珪石か何かのやうで、

非常な個体の粉末のやうで、

さればこそ、さらさらと

かすかな音を立ててもゐるのでした。

 

さて小石の上に、今しも一つの蝶がとまり、

淡い、それでゐてくつきりとした

影を落としてゐるのでした。

 

やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、

今迄流れてもゐなかった川床に、水は

さらさらと、さらさらと流れてゐるのでありました……

『中原中也全集』第一巻(1967年刊)から

       🍁           🍁            🍁    

ついに当地も最高気温が30℃を超える真夏日を記録しました。7月の最終日を飾る真夏日です。

日本中で猛暑となっていることを思えば、暑さも中くらいなのかもしれませんが、暑さ慣れしていない身には少々障りました。

気持ち、涼しくなれる、暑い日常から離れられる・・・・かもしれない詩を思い出して読んでみました。

小林秀雄が中原中也の”最も美しい遺品”と呼んだという作品です。このエピソードは青木健氏が2007年出版の『『別冊太陽』に寄せた「もうひとつの『銀河』物語 宮沢賢治と中原中也」の一節です。

青木氏はこの作品について、「中也が賢治作品との深い交信の結果創出した美しい寓話、もう一つの愛しい死者たちのための『銀河』物語であったと、私は思う。」と結んでいます。

最初に「一つのメルヘン」を目にしたときに、賢治の『銀河鉄道の夜』の光景に似た雰囲気の作品だと思い、なんて美しく透明感のある世界なのだろうと感じました。その後、中也が賢治作品の愛好家だったことを知り、また、上記の青木氏の一文を読みなるほどと思ったのでした。

以来、好きな詩の一つとなり、それは今も変わらず今日に至っています。

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夕暮れ時のたたみ方

2018-07-30 22:02:53 | 日記

曇りのち晴れ。最低気温21.5℃、最高気温26.6℃。

18:52

18:54

19:22

夕食後、ふれあいコース散歩。西の空が夕焼けに染まっていきます。

辺りは熱気を含んだ空気に包まれていましたが、風が涼しさを運んできてくれました。まるで天然のクーラーです。

日没後にはさらに美しい茜色に染まっていきました。

自然が織りなす時のたたみかたに同じものはなくそれぞれに趣があるのですが、この時間帯は特に魅力的で目が離せなくなることが多いです。

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夏祭りのあれこれ

2018-07-29 21:55:12 | 日記

曇りのち晴れ。最低気温21.4℃、最高気温29.2℃。

真夏日に一歩及ばなかった当地でしたが、この気温は今季の最高気温のようです。

先日は義父の施設のお祭りでしたが、今日は義母の住むサ高住的な機能を持つアパートのお祭りがありました。

ここは地域の方々も子どもさんを連れて参加するなど、すっかり地域に根ざしているようでした。

家人と義母と一緒にスタッフさんや地域の方の出店からイモモチ、稲荷寿司、スパゲティナポリタン、ソフトクリーム、飲み物などを購入して、美味しく頂きました。

お祭り独特のにぎやかさと陽気な雰囲気がなかなか良かったです。

義母も楽しめたようで、真夏の素敵な思い出になったらいいなと思いました。

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朝の空とコスモス

2018-07-28 22:34:50 | 日記

晴れ。最低気温17.9℃、最高気温27.2℃。

4:38

5:30

5:30

5:30

いつもより朝早く起きてみた今日の空はドラマティックでした。不安を掻き立てるような、これから物語られる世界は決して平和ではないというようなイメージの雲が広がっていました。

そんな空の下で、コスモスが次々に花を咲かせていました。

不気味さが漂う空模様とコスモスの清々しさがあまりに対照的で、思わずシャッターを切った朝のひとこまです。

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野幌森林公園・夏の夕暮れ

2018-07-27 21:17:28 | 日記

曇りのち晴れ。最低気温18.9℃、最高気温28.4℃。

18:44

18:45

18:51

めずらしく、夕方になっても暖かさは残っていたのですが、時折吹きわたる風が涼しさを運んできてくれました。

北海道は日中暑くなっても、朝晩はひんやりすることが多く、長袖を羽織るなどして過ごすことが多いのです。

夕食後に出かけた野幌森林公園ふれあいコースでは、今まさに日が沈もうとしていました。パステルカラーの色合いに染まる空の下、静かな夕暮れの風景が広がっていきます。 

この時間帯にふれあいコースへ出かけ、百年記念塔を望むのは久しぶりでしたが、心落ち着くひとときとなりました。

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北海道開拓の村の夏景色

2018-07-26 22:47:14 | 日記

晴れ。最低気温17.9℃、最高気温26.5℃。

 

久しぶりに訪れた旧菊田家横のリンゴの実が少し大きくなってきました。

リンゴの花がほころんだ時から、どれだけの月日が流れたのだろうと指を折って数えてしまいました。

村の様子は日々更新中で、一期一会なのだと思いますが、なかなか小さな変化に気づくことは難しいです。

でも、こうして実ったリンゴの姿などを見ると流れた時がどれほどだったのかを確かめられる気がしました。

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野幌森林公園・大沢口からふれあいコースへ

2018-07-25 22:27:43 | 日記

晴れ。最低気温15.7℃、最高気温25.8℃。

午後から野幌森林公園を歩いてきました。

今日の最高気温は25.8℃と暑さを感じたのですが、全国の猛暑を思うと涼しいというべきなのでしょうか。

ふれあいコースのナナカマドは一足先に色づいてきました。秋を思わせる紅葉です。

もう少しだけ、夏を味わわせてくださいと、涼しくなった夜に思っています。

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今日の北海道開拓の村

2018-07-24 21:14:53 | 日記

晴れ。最低気温15.5℃、最高気温26.1℃。

綿毛になったタンポポを通して旧札幌停車場を見る。

今日のできごとは「遊郭地を薄野と命名 」と書かれていました。

旧開拓使札幌本庁舎

午後からは夏の強い日差しがもどり、真っ青な空が広がっていました。最高気温が26.1℃とありますが、それよりも開拓の村は1℃ほど低めと聞いています。

そうだとすると、25.1℃ほどですが、それでも、外は暑く感じました。

ところで、本日付け北海道新聞には、23日午後2時16分、埼玉県熊谷市で41.1℃を記録し、国内最高記録を5年ぶりに更新したと書かれていました。気象庁によると、これまでの最高気温は2013年8月に高知県四万十市での41.0℃だったとのこと。

30℃の真夏日にも達していないのに、暑いと感じている身としては、40℃越えの状態などとても想像できないところです。

学芸員さんの解説を伺いながら、主に開拓の村の農村群を歩いてきました。

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大暑のコスモスと紫陽花と雲と月と

2018-07-23 20:29:23 | 日記

晴れ。最低気温15.1℃、最高気温25.2℃。

5:31

5:34

5:36

 

5:37

18:31 の空には月齢10のお月様。

 二十四節気の大暑の日。暑さがもっとも厳しい日とのこと。

少し早起きして表に出ると、空に美しい雲が広がっていました。雲間からのぞく空は青く見えました。それは、北海道本来の夏の暑さがもどってきたからなのだと、NHKの気象予報士の方が話していました。カラッとした夏ということで、湿気を含むとぼんやりした青さになるのだそうです。

庭に目をやると、コスモスが一輪だけ咲き始めていました。

紫陽花は美しいピンク色の花を先日から咲かせています。昨年は青い色だったので、ピンク色にに変わったのは土質がアルカリ性になっているからかもしれません。

爽やかな朝の光とともに、一日を始められるのは気持ちの良いことでした。日中も好天だったので、洗濯物を干したまま義父を病院へ。

そして夕方、暖かさが残る外へ散歩にでると、東の空に月齢10の月が静かに顔をのぞかせていました。

最高気温が夏日を少し超えた当地ではそれほど暑くもなく、穏やかに大暑の一日は過ぎていったのでした。

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野幌森林公園ふれあいコース経由大沢コースへ

2018-07-22 15:06:41 | 日記

曇り時々雨時々晴れ。最低気温18.4℃、最高気温23.2℃。

5:53

9:46

オオマツヨイグサか?

ヤブハギ

ヒルガオ

 ノラニンジン

朝は厚い雲間から日差しも見えたのすが、午前中は昼なお暗く、今にも雨が一降りきそうな気配でした。

そう思って、散歩に出かけたのですが、結局、霧雨がわずかに降ったものの、濡れることもなく我が家に戻ることができました。

午後を回る頃からは、勢いのあるあの夏の日差しが戻ってきたのでした。

この日差しのお蔭で、予定されている市内のお祭りは、最高に盛り上がることだろうと思います。

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初めて植えたキュウリがなる

2018-07-21 20:19:13 | 日記

曇り。最低気温20.1℃、最高気温28.1℃。

 今春、初めてキュウリの苗を2本植えました。2本のキュウリは梅雨のような日々を乗り越え、先日から伸び始め、ほぼ一人前の姿となっています。

生まれて初めて、自分で苗を植え、初めて育てたキュウリです。嬉しくて、食べるのが惜しくて、明日まで収穫するのを延ばしました。

植えたのは私ですが、育てたのは庭の土や昆虫、光や、湿度、温度などの環境です。

先ずは育ててくれた土に感謝したいです。

それで、金子みすゞさんの童謡集『わたしと小鳥とすずと』から大好きな「土と草」を。

「土と草」        金子みすゞ

かあさん知らぬ

草の子を、

なん千万の

草の子を、

土はひとりで

育てます。

 

草があおあお

しげったら、

土はかくれて

しまうのに。

            『わたしと小鳥とすずと』より

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開拓の村で「掃立て(はきたて)」を見る

2018-07-20 23:52:14 | 日記

曇りのち晴れ。最低気温18.0℃、最高気温27.2℃。

孵化して毛蚕(蟻蚕)になった蚕。これから1眠までを「1令」といいます。

この時期は餌となる桑の葉を、蚕と同じ約3mmくらいに切り刻んで食べやすいようにするのだそうです。まるで、人間でいえば乳児期の離乳食のようだと思いました。

「掃立て」の瞬間です。毛蚕(=蟻蚕)たちが桑の葉の方に向かって這っていきます。

〈羽箒。羽箒とは鳥の羽を使用して作った小さな箒のこと。〉

「掃立て」は孵化した蚕に最初に桑の葉を与えることを言うのだそうです。(開拓の村解説シート「養蚕―3」の資料参照)

桑の葉を与えることを「給桑(きゅうそう)」と言い、桑の葉を近づけると、匂いをかぎつけて、そこへ向かって這っていくのを見ることができました。

「掃立て」について、本日配布された学芸員さんの資料には次のようにありました。

 「掃立て」は孵化した毛蚕(けご)を蚕卵紙から羽箒で掃きおろし、蚕座へ移す作業を差す場合と、孵化させる前に種紙についた卵を羽箒を使って掃き落とす作業をいう場合があります。

実際に羽箒で卵を5回から10回ほど優しく触れると、卵から毛蚕が頭をだしてきたのでした。刺激により、孵化が促進したということでしょう。

間近に蚕の卵をみたのも初めてならば、孵化するところを見たのも初めてでした。

教えられたわけでもないのに桑の葉に向かっていく姿は本能とはいえ、大した能力に思えます。

蚕は今から数千年前、中国で飼われるようになり、以来、人間によって飼い慣らされ続け、カイコ蛾(成虫)は羽が退化して、自力で飛ぶことができなくなったそうです。

幼虫も与えられた餌(桑の葉)から移動することなく、繭作りのときに自分が気に入った場所へわずかに移動するくらいとのこと。

彼らの命と引き換えに絹糸が生産され、私たちの生活が豊かに彩られてきたのでしょう。

蚕の誕生が感動的なものだっただけに、カイコの一生が何だかせつないものに思えたのでした。

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我家の花たち

2018-07-19 21:12:11 | 日記

曇り時々晴れ。最低気温16.4℃、最高気温23.6℃。

 

「表面をつくるということは、内部を改良する一種の方法である。」夏目漱石

         『いい言葉は、いい人生をつくる』斎藤茂太著

「笑うことは、最も簡単な成功法。」と斎藤茂太さんは上記の漱石の言葉を引き、書いています。

成功するかしないかは別にして、笑うことは本人はもとより周辺を温かくするのは確かだろうと思います。

その時は可笑しくなく、むしろしんどかったことも、後で笑えることがありました。

北海道開拓の村の研修で吹雪模様の中を見学した時のことです。十数人の受講者みんなが、緊張していたこともあり、解説員のかたの情熱に、その時は「寒い、冷たい」などという言葉を飲み込んでいたようです。後日、「あの時はすごく寒かったよね~」「そうそう」などと言いながら、なぜか笑いあえたのでした。

いろいろな笑いがありますが、人を傷つけない笑いの種を見つけて、素直に笑える自分でいたいものだと思います。

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ハマナスによせて

2018-07-18 20:00:02 | 日記

曇り時々晴れ。最低気温17.2℃、最高気温26.6℃。

私の故郷の網走の北浜にある原生花園には時期がくると、ハマナスの花が咲き誇っていました。良い香りが風に運ばれ、辺りに満ちていたことを思い出します。

オホーツク海のブルーに良く映えていたことも・・・。

思えば、ずいぶん長いこと、北浜の原生花園に足を運んでいませんでした。

今日の「新北のうた暦」に詠まれた句と解説を読んでいるうちに、遠い日々のあれこれが思い出されました。

2015年のはがき絵から

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野幌森林公園・中央線を歩く

2018-07-17 20:01:27 | 日記

曇り時々晴れ。最低気温14.8℃、最高気温26.4℃。

 

夕方、野幌森林公園中央線を久しぶりに散歩してきました。

中央線でこの森の湿気を一番喜んでいそうなキノコを見ました。一部を手に取って、匂いをかいでみたところ、美味しそうな感じでした。が、食用にできるものだったのかどうかは分かりません。

食用にできたとしても、ここのものをみだりに採集してはいけないのです。

少し歩くと、キンミズヒキがもう咲いていました。

このまま、なんだか、秋になりそうな・・・・・。

    🍁            🍁             🍁

今、金子みすゞさんの童謡集を開いています。その中から一つを選んでアップすることにします。

「お日さん、雨さん」 金子みすゞ

ほこりのついた

しば草を

雨さんあらって

くれました。

 

あらってぬれた

しば草を

お日さんほして

くれました。

 

こうしてわたしが

ねころんで

空をみるのに

よいように。

           『金子みすゞ童謡集 明るいほうへ』から

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