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本日の新北のうた暦の掲句です。
確かに人参は主役を張る場面が無いように思います。でも、なくては困る根菜野菜なのは確かです。人参の華やかさは大根や牛蒡などの根菜には望めません。
この季節になるとトマトは高級食材になりつつあります。彩に添えるにも日々薄くなるばかり。そんな時に人参入りの一品でたいそう食卓が明るくなるのです。
今日は肉じゃがを作ったのですが、冷蔵庫の野菜庫にあると思った人参がなく、仕上がりが今一つの色合いになってしまいました。
解説にあるように、人参は「名脇役」、間違いなしです。
でも、「主役にはなりたくないと人参は」となるのです。きっと、人参は自分の役割や立ち位置を知りつくしているのでしょう。
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この人参のことが頭の隅から離れないうちに、ラジオから「声でつづる昭和人物史」という番組が始まり、沢村貞子さんという方の語りが流れてきました。昭和45年3月にラジオ第1で放送された「人生読本 脇役」収録のものです。
沢村貞子さんは、俳優で戦前は築地小劇場で初舞台を踏み、プロレタリア演劇運動に進み、その後映画界に入って名脇役として活躍した方とのことです。
映画界へ入った頃に自分が脇役を選んだ理由として、主役はどこから見ても美しいことが必要条件だと思ったからだそうです。自身は斜めのある角度からは良い感じだけれど、横から見たら100点満点で50点以下だと。
それゆえに脇役の道を進もうと思ったのだそうですが、脇役の心構えは主役がその能力を存分に発揮できるようにすること全般だと話されていました。その役目を果たすためには努力を惜しまず、ハプニングにも対応できるように取り組んだとも。
役者に限らず人生でも脇役は重要で、家庭の中でも脇役を努めることが自分の性に合っていて、その方が上手くいくと話されていたのが印象に残っています。
脇役に徹することを自分に課した、思慮深い方だったのだろうと思いました。よく考えてみれば、沢村貞子さんは物書きとしても賞を頂いているし、注目度の高い女優さんだったので主役の座も十分用意されていた方だったように思います。
さて、脇役とし掲句に登場した人参ですが、ありました!主役の料理が。キャロットケーキです。
人生いろいろ、脇役、主役の座がコロコロ入れ替わるのも人生の綾かもしれません。
それでは今日はこの辺で。
明日が皆様にとって良い一日となりますように・・・・。