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先日、モエレ沼公園・ガラスのピラミッドの2階のスペース2で「イサム・ノグチ あかり」展が開催されていました。
この「あかり」は、1950年代に岐阜の伝統産業である提灯と出合って生まれたもので、和紙と竹を組み合わせて作られた、イサム・ノグチの照明器具のシリーズです。
それらは自身が「生涯でいちばんの作品」と口にするほど、彼の仕事の中でも重要な位置を占めていたようです。
この度は館所蔵の約30点が展示されているとのことで、見てまいりました。
和紙を通しての光は温かで落ち着いた色合いとなり、日本の情緒を感じさせるものでした。
さて、この「あかり」の作者のイサム・ノグチですが、詩人であり英米文学者の野口米次郎と作家のレオ二・ギルモアとの間にロザンゼルスで生まれました。
幼少期を日本で過ごし、アメリカ、フランスで彫刻を学び、気鋭の彫刻家として活躍します。
なかでも戦後、東西の芸術精神を取り入れた彫刻は多岐にわたり、従来の彫刻の域を超えて、大地の彫刻ともいえるランドスケープ・デザインを次々と発表。
その豊かな芸術性と表現力により、20世紀を代表する彫刻家のひとりとの評価を得るに至っているそうです。
このノグチ・イサムが基本設計を手掛けたものの一つがモエレ沼公園で、「公園全体をひとつの彫刻作品とする」というコンセプトで、1982年に着工され、2004年に完成。2005年にグランドオープンの運びとなったのです。
しかし、イサム・ノグチはというと、1988年、完成を待たずに84歳でこの世を去ってしまいました。
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彼はその生い立ちから、戦争をはさんで、日本とアメリカの間で翻弄された時代があったようですが、それでも、持てる才能を発揮できたことになんだかホッとさせられました。
と同時に、戦争のない平和な世が続くことをと強く思ったのでした。