GABACHOP〜あがんにゃな日々〜

趣味について、日記がてら。

ジャンルの行く末

2012年02月28日 | 日記・コラム
数年前、MONGOL800やORANGE RANGEのブレイクでスタートしたR-POPブームも、ここのところすっかりなりを潜めた感があります。

その理由として考えられるのが、“見る側”と“やる側”の逆転現象が、ひとつの要因なんじゃないかと考えています。

モンパチやかりゆし58、HY、D51など、R-POPブームの牽引となったのは「等身大」を標榜するバンドが中心でした。その飾らないメッセージは、沖縄のみならず、日本全国の若者のハートを鷲掴みにしました。

そして最盛期、その熱にあてられた若者たちは、こぞって楽器を手に取り、憧れのバンドたちを模倣し、目指すこととなります。

ジミヘンやストーンズのような「神格化」されたブームでなく、「等身大」ブームだったため、その数も自然と多くなりました。

その結果、少々大袈裟ではありますが、“見る側”と“やる側”、つまり受容と供給のバランスが崩れたのではないでしょうか。

それは、バンドの増加に伴うシーンのレベル向上と、オーディエンス減少によるパイの縮小化を起こし、つまりはジャンルがマニアックで深い世界になる事を意味します。

沖縄一人旅をすると、必ず寄るのが国際通りOPAのタワレコです。気になるご当地バンドのCDを手当たり次第つまみ買いするためですが、年々カッコいいバンドが増えていて、選ぶのに一苦労しています。

ただ、レベルの高いところながらも、横一線で、頭ひとつ抜きん出た存在が見当たらないようにも(個人的に)感じます。

“見る側”が憧憬を理由に一念発起した分、自分達が体感した感動への拘りが強く、したがって、良くも悪くも、目指すものへは一直線に深化し、その反面視野の狭さは否めなくなり、一般層に訴える個性は希薄になるんじゃないかと。

冒頭から、R-POPを引き合いに出してますが、辺りを見回してみると、隆盛を誇ったジャンルの行く末は、どれも似たような物だと感じています。

ロックしかり、プロレスしかり、漫画しかり、ゲームしかり。

隆盛→憧れを持った世代が成長して主導権を握る→拘りからマニアック化して、深化するが狭くなる。

しかし、どのジャンルも縮小を繰り返しつつも、けして無くなることはなく、アンダーグラウンドで独特の成長を繰り返し、結果熱面積は維持どころか拡大、蓄積し、再び本流に復活した時に再爆発のする例も少なくありません。

時間はかかるかもしれませんが、自分の信じたジャンルが衰退したとしても、恥ずかしがらずに胸を張って、高らかに愛を叫ぶことは、けして無駄にはならないのだと信じたいものです。


TIME/タイム

2012年02月26日 | 映画
映画『TIME/タイム』を見てきました。

遺伝子操作で全人類の成長が25才でストップ。余命が貨幣代わりに取引の対象となり、富裕層は永遠に生き、貧困層は早死にする、そんな世界で主人公がジタバタするアクション活劇。

ストーリーは面白いし、アクションも及第点。世界観もなかなか。でも、何よりも、時間=寿命という設定による緊張感が、人間の深層心理にかなりキます。

イベントなどでのカウントダウン時に感じる高揚感や、電車や仕事に遅刻しそうな時に時計とにらめっこしてるときの焦燥感、などを思い浮かべていただけるとよくわかると思うのだけど、時間が数字化され、それが減って行くのを見ているだけで、背筋のあたりがとてもワサワサ。

それが、アクション映画として及第点のクオリティとの相乗効果を生み出していて、とても良い作品に仕上がってます。

そろそろ綻びが見えてきた資本主義に対する風刺も程良いスパイスで、深読み好きはニヤリとさせられると思います。

75点。安心して楽しめる作品です。



HHR THRILL LOUNGE下北沢ライブ

2012年02月19日 | スリルラウンジ
HHR THRILL LOUNGEの下北沢ライブに行ってきました。

仕方ないとはいえ、めったに関西に来ていただけないので、こちらから出向きましたよっ。

そして、はっきりその価値があるライブでした。

アルバム未収録曲も3曲?聴けましたし、そのうち1曲はライブでも聴いたことがない新曲!しかもどれも俺のストライクゾーンど真ん中!たまらん!

スリラジがすごいのは、どんな新曲でも、流れに身を任せれば、即体が動いて止まらなくなるところ。俺の心酔するバンド横道坊主でも、この点だけは一歩譲ります。

…いや、まあ、どっちも曲作りは今井さんですけど。

そして、その圧倒的なライブ感。CDで聴く500倍の凄味と爆音を見せつけられ、この生でウネウネ捩れ蠢くスリラジサウンドを再現するには、CDという機器とシステムはなんと役不足なんだろう、そう痛感した次第です。

昨今はびこる、打ち込みやタコ踊りで歌をごまかしてCDを売ろうとする輩達には、スリラジの爪赤を煎じたのを飲む資格すらありません。

もちろん俺の文才も、その素晴らしさを伝えるには圧倒的に役不足。だから、少しでも興味がある方は、ライブ行きましょう。このバンドに関しては、CDよりもまずライブです!そして気に入ったらぜひCDを!

…回し者はこれくらいにして。

今回は対バンも強烈でした。

元横道坊主ベーシスト林田さんの3ピースバンドMMSは、CDで聴く限りではオールドスタイルのロックの雰囲気が多少馴染めなかったのですが、ライブでは圧倒的なカッコ良さ!スリラジとはまた違った、子供でも理屈抜きに楽しめる、それでいてしっかり大人のロック。一見さんでも安心してノリノリに楽しめる素敵なバンドでした。

そして、横道坊主のドラム木谷さんが参加しているBisco。いつものオールバックでなく前髪を下ろした木谷さんを見るのは中々レアなんじゃないでしょうか。そして、タクシさんの抜群の安定感ある歌唱力もさることながら、新しく加入した女性ギタリストが良い味を出していて、新生Biscoを堪能させていただきました。

カイサンキングは…。音楽はしっかりロックしてて素晴らしかった(本当に良かった)けど、イケメンすぎてヤダ(きっぱり)。ロックしてなくてもモテそうな方々に、さらにロックされちゃったら、モテない奴らは何をやって太刀打ちしろというのだ!

…すいません、少々取り乱してしまいました。

そんな素晴らしいライブに、さらに花を添えたのは、色々な仲間との出逢い。

Facebookで知り合えた方との初対面や、毎度お馴染みの常連のお姉さま方やお兄様方(一部おじ様含む)。

スリラジのレイコさんとは、開演前に楽しくお話させていただきました。いつもウザがらずに快く対応してくれて、ほんとファン冥利につきます。

今井さんには、出待ちに失敗したこともあり、ご挨拶できなかったものの、ライブ終了間際にステージ上から軽く声をかけていただいて、もちろん何をしゃべられたかは聞こえなかったけど、しっかり俺には届いたのですよ。←ここら辺の真偽に対する疑問を無視するのもファンとしての正しい在り方だと思います

素晴らしい遠征になりました。毎回の事ながら、この一泊二日で関われた全ての方々に、ありがとうございました。

【セトリ】
※レイコさんのツイートより
背と腹
ヒカリノ
スペード
闇のうさぎ
バナナマニア
かたやぶれ(仮)
スリルゴーラウンド
(アンコール)
ルーシーの太陽



ドラゴン・タトゥーの女

2012年02月11日 | 映画
映画『ドラゴン・タトゥーの女』を見てきました。

原作小説や、スゥエーデン版の『ミレニアム』は未見です。

三部作の初っぱなと言うこともあり、序盤はストーリーの核心とあまり関係のない、登場キャラの紹介的描写が続き、多少あくび気味に。

そんなまどろみを狙ったかのようなタイミングで、主人公達の調査の対象となる富豪一族の複雑な相関図説明が始まってしまい、もう誰が誰やらさっぱりわからんちん。

でも、それが良かったのか、自分の勘繰りに興醒めをする事もなく、頭を空っぽにして事の顛末を楽しむことができました。

伏線の広げかたの割りには、すごくミニマムな世界観のオチだった印象は否めませんが、それを差し引いても、中盤から後半にかけての盛り上がりと、個性的な登場人物達から発散されるダークな世界観は素晴らしく、ミステリ映画としてどうかはともかく、ひとつの作品としては十分大満足。

続編が予定通り公開されるなら、ぜひ見たいと思いますよ。

若干エログロがあるので(グロはたいしたことないけど、エロシーンはボカシあり)苦手な人はお気をつけて。

75点。