今宵の京都は各所で見たいライブが目白押し。ところが体はひとつだけ、えいやと気合い一閃、選んだのはここ磔磔。
スキマノザラシとナオミ&チャイナタウンズの2マンライブ。
…選んだというよりは、発表が早く、すでに予約してたからだったりするのだけど、いやいや結局は大正解。
「ナオチャイを相手にするには、序盤にバズーカを仕込む必要があった」(終演後のMカミ氏談)
その言葉通り、1〜2曲目はあまりに意表を突く選曲。びっくりした。誰だこの並び考えたの!でも終わってから振り返れば、この上なくしっくり来るセトリ。それがスキマノザラシ。まるで2023年シーズンの新井カープ。
後攻のナオチャイも、「僕らがバンドを始めたのはスキマノザラシと対バンがしたかったから」(T氏中盤のMCにて)などと虚々実々に揺さぶりをかけつつも、どっしり安定の横綱ロックンロール。その様はまるで1984年の古葉カープ。
新旧赤ヘル夢の対決、その行方は。
序盤から容赦なく疾走するナオチャイは、まるで昭和カープの切込隊長高橋慶彦のよう。対するスキマの高橋は、磔磔のステージを所ヒロシ、もとい所狭しと駆け回る。
ナオチャイがバラードからアップテンポにたたみかける山本浩二ばりの大攻勢を仕掛ければ、スキマのコウジはいつもの3倍増しの圧倒的な歌声とパフォーマンスでそれに応える。
…まあ、そんな丁々発止、先行後攻がはっきり決まった2マンライブに於いて見られるわけないのだけど(知ってる)、全てを終え自宅で振り返れば、浮かんで来るのはそんな夢のようなロックンロールショー。
タイガさんの色気、ナオミさんの激しくも凛々しいドラム、ハラさんのザ・ベーシストな佇まいと前のめり加減(笑)、しっかり激しいのに1音1音が味わい深く刺さるバリンさんのギター。
ミズカミさんの歌と挙動に翻弄される事の楽しさ、それをより居心地良く膨らませてくれるジュンスケさんのドラム、頼り甲斐あり過ぎなterraさんのベース。Peeweeさんとアンボイさんについては、毎回両ギターの個性の違いの妙が楽しいのだけど、今回は違う形の羽車がやたらガチガチとハマって、すごく一体感を持って聞こえたな。
※全て音楽門外漢による素人が感じたままの感想です。的外れご容赦。
この2バンド、実は今回が初めての対バンらしい。あり得ない。今後はその遅れを取り戻すかのように、ガンガンやり合って欲しい。
そしていつの日か、我々はその始まりを目撃したのだと、この夜の事を誇らしげに語るのだ。
…。
…ええと、この2マンの素晴らしさを的確に文章化するなんて土台不可能なので、毎度の事ですが、楽しそうな雰囲気だけ感じ取っていただければ幸いです。