GABACHOP〜あがんにゃな日々〜

趣味について、日記がてら。

映画『ヤギの冒険』

2011年11月26日 | 映画
京都シネマに、映画『ヤギの冒険』を見に行ってきました。

2009年発表の沖縄映画、ようやく京都にお目見えです。

中学生監督の作品と言うことで、一抹の不安を禁じ得なかったのですが、そんな事は微塵にも感じさせない素晴らしい出来映え。

全編を通して、ゆるやかで、素朴で、それでいてエスプリの効いた、沖縄映画ならではの空気が堪能できます。

ところどころに、沖縄フリーク向けのキーワードが散りばめられているのも、ファンにはたまらない。とくに冒頭のシーンは、主人公のマンション、バス停、バスの窓から見える景色、全て場所を特定できてしまって、想わずニヤリ。

ストーリーは、大した起伏もなく、緩やかに進んで行くので、そのメッセージは、スクリーンから強烈に投げかけられる物でなく、視聴者に自然な想起を促し、そのため一過性ではなく、ジワジワと胸に染みる。

俺は、日々食べ物に感謝をしていただろうか。買い食いして歩きながら食べたフライドチキンひとつに対しても、ちゃんと敬意を払えてただろうか。そんな当たり前だけど、本当の意味では恐らくほとんどの人が得心できていない、とても大切な事を意識させてくれる作品です。

75点。

個人的に、宮古島で過ごした少年時代とダブらせて見てしまったので、プラス10点。

さらに、沖縄映画ではお馴染みの津波信一さんの安定感が素晴らしく、プラス5点。

つまりは私的90点。良い作品に出会えました。




諸星大二郎特集

2011年11月17日 | 日記・コラム
文藝別冊『総特集・諸星大二郎』を買ってきました。

俺が文句なしに一番好きな漫画家・諸星大二郎について、対談、作品一覧、人物事典、未発表作品掲載など、まるごと一冊特集した素敵な本です。

諸星漫画を学術的に解説したかと思えば、星野之宣、江口寿史、高橋葉介、藤田和日郎、高橋留美子らが、ファン目線たっぷりの2ページ書き下ろし漫画(一部イラスト&文章のみ)で寄稿してたりで、とても楽しい一冊。

『妖怪ハンター』はともかく、『孔子暗黒伝』や『暗黒神話』が少年ジャンプで連載してたのは知らなかったなあ。もはやクサレ同人誌と化した現ジャンプに爪垢煎じずに生で塗りたくってやりたい。

最近の作品では『グリムのような物語』『バイオの黙示録』『私家版鳥類図譜』『私家版魚類図譜』などが、とにかく神がかった面白さ。

今年で28年目を向かえる、週刊モーニングで不定期連載中の『西遊妖猿伝』の抜群の安定感も素敵。

まあ、個人的には『栞と神魚子』の絶妙な間が大好きで、どっぷり中毒なのだけど。←AKBの大島なんとか主演でドラマ化されてたらしい。知らなんだ…。

諸星漫画を未体験者は、文庫版もたくさん出てるので、ぜひ一度ご賞味いただき、本棚にしまい忘れて、お子さんに拾い読みさせて、トラウマを植え付けてあげてください。

ロックは横道坊主、漫画は諸星大二郎。間違いねえ。





映画『マネーボール』

2011年11月13日 | 映画
ブラッド・ピット主演の映画『マネーボール』を見てきました。

選手を育てては引き抜かれ、じり貧の八方塞がりになった、貧乏球団オークランドアスレチックスを建て直そうと奮闘する男の物語。

既存の古習や伝統渦巻く大リーグ界で、主人公が持ち出したのは、ざっくり言えば「統計学」。数字中心の選手起用は、球界はもちろん仲間からも強烈な批判を浴びるが、全く新しい視点は、埋もれていた才能を次々と掘り起こす事となる。

弱小球団が勝ち上がっていくといえば『メジャーリーグ』を思い出すけど、こちらはスポ魂よりもヒューマンドラマ寄りの内容。

業界の大勢を占める価値観に挑みぶち壊す痛快感と、逆風に飲み込まれそうになるハラハラ感、そして見捨てられた選手たちに価値を見いだし引っ張りあげる救済のドラマ。

野球好きより、むしろサラリーマン、自営業者、アルバイトなど、仕事に携わっている人の方が感情移入できるのでは。

自分の居場所に違和感がありつつ、確信できず、日々モヤモヤの中を歯を食い縛って頑張ってる、そんなあなたにオススメです。

『ゾンビランド』や『レスラー』『アンヴィル』程じゃないけど、ホロリと来る作品ですよ。←比べる映画おかしい

野球知らなくても全然大丈夫。

75点。

あ、最近の日本球界の裏方のドタバタ劇を注視して楽しんでいる人なら、色々比較して楽しめるのでプラス5点ですよ。

映画『インモータルズ』

2011年11月12日 | 映画
映画『インモータルズ~神々の戦い~』を見てきました。

ちなみに2D。

そもそも、この映画に内容の深さを求める事は間違いなので、見るべきはただ映像のスタイリッシュさと爽快さのみ。

そう言う点では、十分及第点。ダークな世界観、CGを効果的に使った斬新な(でもそろそろ見飽きた感もある)迫力のバトルシーン。

登場キャラが、神様も含めてとても頭が悪そう(というか悪いの)だけれども、映画の性質上マイナスにはならず、むしろ頭を空っぽにして楽しめる作品への仕上げに一役買っている。

でもねー。ファラリスの雄牛を再現したのはやりすぎだと思うんだけどなー。あれで少し暗ーくなっちゃったなー。や、まあ、大火傷を負ってるはずの犠牲者が、呼吸困難で死に体になってるようにしか見えなかったから、ソフトっちゃあソフトだったけどさー。

そんな作品。

『300』程の新鮮さはないけれど、同種の高揚感はしっかり堪能できましたよ。

70点。

心の折れたエンジェル

2011年11月08日 | POP & ROCK
筋肉少女帯の、通販限定DVD『心の折れたエンジェル』届いた(^o^)。

俺の中で、横道坊主、HHR THRILL LOUNGE、Yoshito & Uppyは別格として、それ以外でダントツに好きなバンドが、この筋肉少女帯。

なんというか、横道坊主は、心の中の傷を爆音と太陽で照らして揺さぶってくれて「アッチョー☆」な感じ。

対する筋少は、心の中の傷を、えぐってぶん殴って引きずり回して「や、やるじゃねーか」「…お前もな…(ニヤリ)」そんな感じ。

横道坊主知る前は筋肉少女帯一筋だったなあ。

ライブ行ったことないけど(ぼそぼそ)。

で、このDVD。通販限定アイテムなんで期待してなかったんですが、びっくりするくらい音が良い!

橘高のギター、エディのピアノがクリアなのは嬉しいぜ。

復活後(2006年~)の曲中心のラインナップも個人的にヒット。『アウェーインザライフ』『ロシアンルーレットマイライフ』『へそ天エリザベスカラー』あたりが素晴らしくカッコ良くてシビレタネ、ドーモ。

メジャーデビューがほぼ同時期で、どちらも同時期に人気ゲーム(横道=餓狼伝説2、筋少=ストリートファイター2)のCMタイアップソングを担当したり、ボーカルのMCがとても楽しかったり、音楽性以外ではなにかと共通点が多い横道坊主と筋肉少女帯。

Amazonの書籍カテゴリで“横道坊主”を検索するとトップに『筋肉少女帯自伝』がヒットするのも何かの縁に違いない。←作中で大槻ケンヂが横道坊主との対バンについて触れてるため

売れ線だの流行りだのにそっぽを向いて、アンダーグラウンドに生きる人々の道を照らすための歌を20年以上歌い続けている彼ら。

俺の人生、まだまだこの二つのアラフィフバンドが必要なんだなあ、と実感した次第ですよ。

この日記見て心動く人がいるかどうかはともかく、買って損のない極上の一枚!間違いない!(^o^)