GABACHOP〜あがんにゃな日々〜

趣味について、日記がてら。

FIREBARD in 磔磔

2020年08月28日 | POP & ROCK
2020.8.27『FIREBARD』磔磔

配信アーカイブのネタバレになるので詳しくは書きませんが、特筆すべき点を少しだけ。

思い入れが強過ぎて空回りすると思いますがご容赦ください。

まずは、この大変な時期に、これだけのメンバーが集まった事に感謝。ここにいた人達にも、いなかった人達にも、いなかったけどいた人達にも。

そして、来る度に配信用の新しい機材や工夫が増えている磔磔。こんな時でも歩みを諦めないその姿に、いつも勇気付けられる。

そんなこんなで始まった『FIREBARD』。とはいえこのメンバーを見た俺に、橋渡し(渡辺隆夫さんと橋本潤さんのバンド。関西ではスキマノザラシメンバーが加わる事が多い)を意識するなというのが無理な話。

Tシャツも着込み、がっつり橋渡し鑑賞モードで臨んでしまったわけだけれど、そこに紛れ込んだ異分子、鈴木純也さんと山本将弘さん。無論、実力は折り紙付きだし、俺自身も大好きな音を奏でるお2人だし、Itoigawaさんとの縁も相当深い。しかし橋渡しの中に入った時にどういう化学変化を起こすのかは全くの未知数。

うーん、杞憂でした。馴染みすぎにも程があった。それでいて要所ではしっかり主張を発揮されるのを目の当たりにする度に、嬉しそうにお二人をチラ見する潤さんを思い浮かべて、ニヤニヤしてしまった。

橋渡し曲の中で印象に残ったのは、数年前の橋渡し磔磔ライブで、Itoigawaさんが機材トラブルで見せ場ゼロで終わってしまったあの曲。今回PEEWEEさん、アンボイさん、鈴木純也さん3人がかりできっちり弾ききってリベンジ達成。グッと来てウルッてなった。そんなファン目線のエピソードなど御三方は知る由もないのだろけど、勝手に感謝。

ミズカミさんが登場するまでの7人編成の時。中央に置かれたItoigawaさんのギターを挟むように、黒ずくめの純也さんとブロダさんが並び立ち、そのさらに両脇をツインドラムが挟み、その両前にはスキマギターのお2人が。FIREBARD起点のシンメトリーの美しさにハッとなる。

そして中央やや右に渡辺さん。ん、渡辺さんだけ対角線に誰もいない?いやいや、そこには赤い革のジャケットに黒いベースをかき鳴らすあの人の輪郭が、ぼんやりと、でも存在感を持って見えましたよ。幸せな記憶に由来するファンの妄想力を舐めてはいけません。

全員集合での長尺バラードは圧巻だった。あれだけ静かで透明感のある曲を、ツインドラム、トリプルギターなどのこれだけの布陣が揃い、それぞれ個性を遺憾なく発揮しているのに、お互いをけして邪魔する事なく、曲の空気感を損なうことなく、世界観だけ広げて見せられたものだから。ああ、そうか、あなた方が俗に言う「プロフェッショナル」というやつですね。※知ってた

渡辺さんが2年前に作ったあの人の曲に、ミズカミさんが歌詞を乗せて歌ったわけだけど。渡辺さんの、早川岳晴さんや吉森信さんとのライブなどで何度か聴いていたし、音源でも聴き込んでいた曲が、優しさはそのままに、触れたら脈打つ音が聴こえそうな力強さ。そりゃそうだ、水を得た魚ならぬ、ミズカミさんを得た糸魚川さんだもの。最高でないわきゃないでしょうよ。

結局FIREBARDと橋渡し、どちらの感想文かわからないまま最後まで来てしまいました。

「そう感じたなら、それでええねん」と、なぜかやや強めの口調ながらも嬉しそうなItoigawaさんと、その後ろでちょこっとだけ口角を上げる橋本潤さん。そんな(あくまで俺の世界観と記憶の中限定の)お2人に出会えた、磔磔での幸せな夜でした。

追伸。

家に帰って、布団に入り、目を閉じて振り返った時に、真っ先に頭の中で鳴ったのはブロダさんのベース。その音は、形こそ違えど、紛れもなく潤さんの音と同じ響き方で胸に刺さり、今も鳴り響いています。



Three & Only withハラ☆タカシ

2020年08月14日 | POP & ROCK
※好きな音楽に煽られた音楽素人が欲望のままに綴る長文なので、耐性のない方は読み飛ばしてください。

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磔磔に、Three & Only &ハラ☆タカシのライブを見に行って来た。

カブさんがロックする姿を見たあとは、他のどんなライブの時よりも、帰ってから楽器の練習をしたくなる。

だって、本当に楽しそうに音楽するのだもの。ああ、あれだけ楽しいのならやってみたい!と無意識化に細胞が刺激されてるのだと思う。

家に帰る頃には忘れて、そのまま寝てしまうのだけど(あるある)

湊さんのドラムは、相変わらず凡人が理解するにはアバンギャルドに過ぎて、フォーカスを当てた瞬間クラクラと目眩に襲われる。

ところが、焦点を外し俯瞰した途端、歌や演奏を邪魔するどころか、他のどんなドラマーをこの場にイメージしても違和感しか感じられないくらい、唯一無二の安心感が放たれ、ステージを覆っていた。

それに呼応するかのような吉森さんのピアノも、旋律の美しさと優しさは前提としつつ、我が音楽心にほこりのように積もったセオリーというやつを、4年前の広島カープを彷彿させる快進撃で蹴散らかす。

あたかも、三国志で百万の軍勢の中ただ一騎で駆け抜けて、敵の大将曹操に「無人の荒野を行くがごとくだ」と言わしめた趙雲子龍のようである。

そうなると湊さんは諸葛孔明か。もっとも、横山光輝や吉川英治のではなく、王欣太や陳舜臣版のに違いない。

…そんな分かりにくい例えに逃げて、それっぽく気取らないと気が滅入りそうな、言語の持つポテンシャルが頼りなくなるほどのものすごい演奏風景。

もっとも、そこで終わったなら、正直前衛アート的な感動に身を焦がして磔磔を後にするだけなのだけど、それはそれでしあわせなのだけど、いやいや、そのお2人の間にいるのは誰だ。夢野カブさんだ。

娯楽のない田舎に数年ぶりにやって来た大衆演劇を見た後のような、面白さ、楽しさ、ちょっと泣けて、反骨心に熱くなる。イマイチ定義が曖昧なロックンロールという言葉が、カブさんを前にすると俄然ふに落ちる。

趙雲と孔明に一目置かれる劉備玄徳か、それとも超獣ブロディと不沈艦ハンセンをブッキングするジャイアント馬場か。

そこに盟友ハラ⭐タカシさんが加わったことで、ロックンロール濃度はさらにマシマシ。

そこに居たのは馬場さんを通り越してビンス・マクマホンで、ここは磔磔でなくマジソンスクエアガーデンだったのかもしれない。

そして、興奮覚めやらず、してしまった夜更かし。これこれ、この感じ。

不要不急?

バカ言っちゃいけない。

Three &Only &ハラ☆タカシ。彼らのライブが見れない人生なんて。

※ソーシャルディスタンスなど諸対策は当然の前提です。



スキマノザラシ73rd磔磔ワンマン

2020年08月03日 | スキマノザラシ
幸か不幸か、数々の素敵な配信ライブを経てみれば、あらためて思い知ったのは生音の立体感。

特に磔磔で味わうスキマノザラシのそれは、固まりが過ぎて、もはやさわれそうな。

ていうか手を伸ばしたらさわれたよ。

伝わってきたドクドクと生々しい感覚は、ステージ由来に見えて、己の内側から鳴ってるようにも聞こえたり。

両方とも。なんだろう。

心が脈打たない生活に、人としての矜持はあるのだろうか。躍らせるにはライブが必要だ。

不要不急?猿から出直して来い。

…そんな暴言、気の弱い俺にはとても口にできないので。

せめて手洗い、うがい、消毒、ソーシャルディスタンス、しっかり睡眠、健康な食事、食べて応援などを心がけながら、みんなが当たり前のようにライブハウスに遊びに行ける日が戻って来るよう、全力で願い、粛々と行動するのみです。