GABACHOP〜あがんにゃな日々〜

趣味について、日記がてら。

週刊少年ジャンプ

2006年08月29日 | 日記・コラム

 最近久しぶりに週刊少年ジャンプを立ち読みしてみたところ、一見似たような作品ばかりで、正直萎えてしまいました。こんなにジャンプってつまらなかった?

 …あとで冷静に考えると、この年で“少年誌”てのも変なはなしで、要は自分が大人になっちゃったんだ、という結論に達しました。そりゃそうだ。

 しかし、流行というか、時代というか、誌面のイメージなどは、完全に、僕の思うジャンプのそれとはかけはなれたものになっていました。

 僕らの小学生のころは、週刊少年ジャンプ全盛の1980年代。住んでいた沖縄県宮古島では、発売日の水曜、限られた販売数のジャンプをめぐって熾烈な争奪戦が繰り広げられていました。

 書店、スーパー、雑貨屋など、どこに多く置かれて、どの店が早く店頭に並べるかなど、熾烈な情報合戦が交錯し、ある時は友人に頼んで買い置きしてもらったり、極端な例では兄弟で2冊買うなんてことも、珍しい話ではありませんでした。

 買い逃した者は、持っているものの自慢話をうらやましげに聞くか、頭をさげて見せてもらうしかなく、また、本州に旅行に行って、月曜発売のジャンプを購入、翌火曜日に持って帰るとヒーローになれました(前記の通り宮古島は水曜発売)。

 なぜそこまで子供達はジャンプに群がったのか。それは、いろんな意味で“濃い”珠玉の作品群に理由があります。

 当時のジャンプのキーワードは「友情」「努力」「勝利」。これをもっとも体現していたのは『キン肉マン』でしたた。嫌われ者のダメ超人が、仲間達との友情や、ライバル達との死闘により成長して行くさまは、当時の子供達のバイブルといっても過言ではないでしょう。

 今でも各方面で大人気の『北斗の拳』。今の少年誌にこれほどの作品を載せる度量はないのでは。この漫画に“男の生き様”をたたきこまれた少年のなんと多いことか。

 アニメでも人気だった『Dr.スランプ』は、それまで女性に敬遠されていたメガネが、この作品のせいで爆発的に流行したというほどブレイク。とあるサイトでは、「ウンOに人格が宿る数少ない漫画」として評価(?)されています。

 少年誌定番のスポーツ漫画では『キャプテン翼』が不動の地位を築き、当時のサッカー少年達は、ボールを蹴るときに必ず必殺シュートの名前を叫んでいました。

 ギャグ漫画では『こち亀』と『ハイスクール奇面組』が双璧でした。今でこそ老醜さらして生き恥をさらしている『こち亀』も、当時はその独特な硬派風味のギャグで、「なんでキン肉マンやアラレちゃんと同じ誌面に下町人情物?」と少年達を戸惑わせていました。いい意味で。

 『キャッツアイ』『きまぐれオレンジロード』などは、思春期の少年をときめかせ(そうでもねえか)、さらには『ウイングマン』『銀河-流れ星銀-』などメイン級漫画が脇を固め、新鋭の『ドラゴンボール』『ジョジョの奇妙な冒険』『聖闘士星矢』が虎視眈々と次代の主役を狙っていました。

 そのほか『THE MOMOTARO』や『ゴッドサイダー』『シェイプアップ乱』『よろしくメカドッグ』『ついでにとんちんかん』などの名脇役にも恵まれていました。その布陣は、今考えても素晴らしく濃く、そりゃ人気が出ない方がおかしいと痛感します。

 しかし、当時のジャンプの特筆すべき点はまだあります。以下の3人が同時期に連載していたことです。

●本宮ひろ志
<代表作『サラリーマン金太郎』をはじめ『男一匹ガキ大将』『硬派銀次郎』『俺の空』など、激しく男臭い作品が特徴。当時の少年ジャンプでは、トンデモ三国志漫画『天地を喰らう』や、極道の息子の大暴れ漫画『ばくだん』などを執筆。

●宮下あきら
<『魁!男塾』『激!極虎一家』『私立極道高校』など破壊力満点の作品を少年ジャンプにて多数執筆。なかでも『極虎』に出てくるヒゲ面の女子高生、枢斬暗屯子(すうざんあんとんこ・口癖は「犯したる」)は、当時の少年達にトラウマを植え付けた。

●平松伸二
<暴力刑事が大活躍する(そして人がひたすら死ぬ)『ドーベルマン刑事』をはじめ、体内に残る銃弾の毒に犯されながら苦闘する高校球児(彼女は撃たれて下半身不随)を描く野球漫画『キララ』などトラウマ漫画を多数輩出。中でも一番の人気作品、現代版必殺仕事人『ブラックエンジェルズ』は、ヒロインが敵にレOOされたり、仲間の女性(妊婦)があえなく毒殺されたり、日本が大地震で壊滅したりとトラウマ路線爆発!この作品のおかげで、僕は小学1年生のときには“シャO”“青酸Oリ”などの用語を普通に知っていた。

 上記作品のほとんどは、実際に週刊少年ジャンプで連載されていたものばかり。ヤングジャンプでもスーパージャンプでもプレイボーイでもなく、“少年”ジャンプにです。この過剰なまでの振り幅の広さと度量の大きさが、当時にあって今はない要素のひとつではないかと。いい悪いは別にして。

 それにしても昨今、上記にあげた作品のうちの半分近くが、リメイクや続編として復活し、再び日の目を見ている。現在、それだけのパワーに満ちた作品が生まれるのが困難な故でしょうか。それとも、僕みたいに「昔はよかった」などとのたまって現実から目を背ける人間が多く、そういう輩共がかっこうのターゲットになっているからでしょうか。…恐らく後者であることは間違いない。やかましい。

 ちなみに、上記3者の作品は、文章で紹介するとかなりえげつなく聞こえる作品ばかりなのだけど、実はかなり名作揃い。文庫版なども出ているので、各自BOOK OFFなどで調査のこと。少年誌の枠をはるかに超えた内容に驚くこと間違いなし、です。



DORAEMON

2006年08月24日 | 日記・コラム

 『ドラえもん』といえば、テレビ朝日系列で放送されている国民的アニメなのだけど、実はその放映開始前に、数話で打ち切りになっていた幻の作品、日本テレビ版『ドラえもん』が存在していたのをご存知でしょうか。

 製作会社の倒産などで資料のほとんどが消失、公式的にもなかったことにされているレア番組です。

 その内容は、ググればすぐに紹介サイトが見つかるので割愛しますが、大まかにキーワードをあげると、「ドラえもんが男声(ただし途中で野沢雅子に変更)」「漫画版初期のギャグ路線を踏襲」「テレ朝版旧ジャイアンの声優さんがスネ夫の声をあてている」などなど。

 今では大変視聴困難なこのアニメ、実はオープニング映像だけがネットに流出している。ドジで暴君風味な下町系男前ドラを見たいかたは探してみてはいかがでしょうか。※「doraemon」と「youtube」でググればヒットする確率高し。



筋肉少女帯とは

2006年08月20日 | POP & ROCK

 8年ぶりに復活が決定しました。

 伝説のパンクバンド筋肉少女帯(以下筋少)。

 大槻ケンヂが中学生の時に結成したドテチンズが始まりで、高校生で筋肉少年少女隊を結成。プログレ?バンド空手バカボンなどを経て、当時は珍しかったインディーズレーベル“ナゴムレコード”から筋肉少女帯としてデビューし、その後メジャーデビュー。

 80年代前半の当時、僕は幼稚園~小学生低学年ということもあり、ていうか住んでいた沖縄県宮古島は当時NHKしか見れなかったため、初期筋少のことは、最近になって再販CDやネットなどでようやく知ることができました。

 ビジュアル系の走りといえば聞こえはいいが、むしろやりすぎ感のある狂気じみた外見は、正露丸を客席にバラまくなどといった行動と相まって、一歩間違えればイロモノの一発屋バンドとして短命に終わっていたかもしれません。

 ところがどっこい、大槻ケンヂの不条理かつ反骨魂のこめられた文学的な詞やそのライブパフォーマンスにより、他の個性派バンドとは一線を画し、現在でもカルト的な人気を誇っています。

『高木ブー伝説』…恋人との別離の無力感を、ドリフの高木ブーに例えた怪作。
『外道節』…手足のない赤子を売りさばく外道ネコ神博士のひとり語り。
『いくじなし』…死んだ姉さんの恋人を名乗る“生ゴムマニア”の男との物語。

 初めての人が見たら、十中十苦イロモノと断じること間違いないのだけど、どこか物悲しく、なぜか自己を投影してしまえる文学と狂気の紙一重感が、正直病み付きになります。どの曲も、現在聞いても古さは一切感じられないし、むしろ新鮮さにまみれています。

 メジャーデビュー後の楽曲も素晴らしいものだらけ。

『福耳の子供』…僕がいないとお姉さんは不幸になる、といってつきまとうストーカー少年の物語。
『踊るダメ人間』…ダメ人間だらけの世の中を爆弾で吹っ飛ばそうという男が、結局一番ダメな人間は自分だ、と自答する曲。
『戦え!何を!?人生を!』…心の病気を患っていた大槻ケンヂが、自己を正常に保つために日ごろつぶやいていた言葉を楽曲化。
『ノゾミ・カナエ・タマエ』…沼で溺れた女性の復讐を神に祈る男だったが、結局神は全ての人間を平等に燃やし尽くす。
『おサル音頭』…温泉でサルと一献やって癒されようというヒーリングソング(?)。
『トゥルー・ロマンス』…ゾンビとなった恋人との愛を描くラブロマンス。

 やはり字面だけで見るとイロモノ臭プンプンなのだけど、その歌詞の深さと、日本屈指のピアニスト三柴理やギタリスト橘高文彦をはじめとする、豪華メンバーによるハイクオリティ演奏による説得力が相まって、これ以上ない旋律を生み出し、「ハードロック私小説」や「トラウマパンクロック」などの評価を得ています。

 ファンになって約10年。未だこれ以上に心にビビビっとくるアーティストには、全ジャンルを通じて出くわしたことがない。

 …好き嫌いありそうなので、実際の評価は各自でよろしく。

<アルバム私的BEST5>
(1)仏陀L…ファーストアルバム。江戸川乱歩と赤塚不二夫とラッシャー木村を足して割った感じ。
(2)キラキラと輝くもの…比較的ポップで聞きやすい曲が多い。ジャケットは『夢幻紳士』の高橋葉介
(3)月光蟲…不条理パンク炸裂!『風車男ルリヲ』『少女王国の崩壊』などは、夜一人で聞くと怖い。
(4)SANFRANCISCO…ベストアルバム。新曲『サンフランシスコ10イヤーズアフター』の壮絶な刹那さはヤバい。
(5)レティクル座妄想…ウツ状態の時に聞くとかなりクル。

<楽曲私的BEST5>
(1)機械…サビの疾走感と切なさがかっちょいい。
(2)サーチライト…自虐的なのに応援ソング。大作。
(3)イワンのばか…橘高のギターテク炸裂。
(4)戦え!何を!?人生を…滑稽なのに泣ける。
(5)そして人生は続く…老人と老婆のハッピーなラブソング。

<情報サイト>
筋肉少女帯復活情報局
筋肉少女帯-Official Web Site-
筋肉少女帯 この歌を聞け!
<試聴可能なサイト>
USENミュージックサーバー
Excite Music Store
wacca



デートの行き先

2006年08月19日 | 日記・コラム

 正直、最近存在を知った、“幻の日テレ版ドラえもん”の調査に釘づけでブログどころじゃないのだが、最近やけに来訪者がコンスタントに来ているので、仕方ないので更新しておきます。それにつけても、暴君でおっさん声の日テレドラえもん萌え。

 さて、本題。彼女(彼氏)とデートに行く場合、皆さんはまずどこに行きたいと思ういますか?やっぱり、最初は自分の一番のお気に入りか、それに類する場所に連れて行って、相手との思い出の共有や、自分という存在のアピールなんかを企むところでしょう。僕の場合もそうなのですが、ただ、お気に入りの場所というのが、沖縄の離島だったり、どちらかというとお金も時間もかかる場所が多く、最初からいきなり行くのは困難です。したがって、多少は妥協せざるを得ないのですが、沖縄デートをすでに肌で体感してしまった以上、それら以外のプランなんざ、正直ク○以下なのであります。

 そんなこんなでプラン作りは頓挫してしまい、でも、まあ、彼女とイチャイチャできれば、そこがどこであれ思い出の場所に変わるには違いない、ってんで、自然と行き当たりばったりコースになったり、もしくは彼女にプランニングを依頼するのですが、女性ってのは難しいもので、最初はすんなりのってくれるのだが、次第にこちらの行動に対して、「プランをたてない=やる気がない=自分のことをいい加減に考えている=自分とは合わない」などと思いやがるのか、少しずつ雲行きが怪しくなってきます。それならばと、こっちもなんとかプランを考えるのですが、やはり沖縄以外思いつかず、かといってこちらの心を偽って、どうでもいい場所にさも楽しそうに連れて行って、どうだ楽しいだろ、とのたまう裏切りの行為などできようはずもありません。結局はあきらめるしか仕方なくなります。

 いや、わかっているのです。重要なのは場所じゃなくて、気持ちだってことぐらいは。だが、わかっていても、世間一般でいうところの定番デートコースなんざあ、行く気にはならないのです。例えば、美術館、映画館など。実は結構好きなのだが、行くからには作品に集中したいです。結局どっちつかずになって作品と彼女両方に失礼だし、逆に彼女が作品に熱中しすぎるとなんか悔しい。遊園地だって、結局乗り物乗るのに何時間も並んで、それはそれで会話のチャンスなのだけど、じゃあ、最初から普通の公園とか、街歩きしながらでも会話はできるじゃねーか、と。野球は好きだけど、広島ファンな僕と一緒に球場行ってくれる女性ははたして関西にいるのでしょうか。サッカーは、ワールドカップのときのにわかファンの、西洋かぶれ丸出しなあのへんなノリが嫌いで、同類とみなされたくないので却下(サッカー自体はキャプ翼世代なので嫌いではない)。海や山、景勝地は、これも好きだけど、沖縄の景色には比べるまでもなく。

 結局、ああ、この人は私と相性が合わない、てことになるんだろうけど、おいおい、ちょっと待て。これから下手したら5,60年一緒になるかもしれ相手を探すのに、数回のデートでくじけてたらどうしようもねえぞ、と。最初から相性がいい相手とは、あとは悪くなる一方、しかもそれがウン十年間だ。だが、相性が悪い相手と、相性が良くなるまで付き合うことができたとしたら、それはもう、今後どんな困難でも軽々と乗り越えれちゃうんじゃないか?地球上60億人の中からひとりだけを見つけるという行為なんだから、最初からすんなり行く相手を探すより、相手に必死でこちらを合わせていく方が、普通に考えて自然だと思うのです。

 けして、本当は今すぐ彼女が欲しくて欲しくてたまらなくて、彼女ができたら映画館や美術館や遊園地などにガンガン行って、望むなら野球場だって行くし、サッカーだってミュージカルだって漫画喫茶、どこだって行って、イチャイチャして、今持ってる貯金はたいて沖縄旅行に連れて行ったり、遊園地に連れて行ったり、最近はじめた料理なんかを下手くそながらも振舞って、飲めないワインなんかを頑張って飲んで、愛なんざ語りくてしょうがないのだけど、実現しそうな気配が微塵にも感じられないので、悔しくて、ひねくれて、行き場のない悶々としたやりきれなさを、ブログ上であえて本心とは逆の発言でネチネチ語り強がることで落ち着こう、とかいうわけでは、けしてないし、ましてや、雑誌やグルメガイド、はたまた彼女の趣味に関する本などを買い込んで、さあ、これから勉強だ、と意気込んだ矢先にフラれたりして、どうにもいたたまれなくなったことなんかを告白して、少しでも心を軽くしようだとか、そういうことは絶対にないのでご了承ください。押忍。

※当ブログに書かれている内容はおおむねフィクションです。




兄として

2006年08月16日 | 日記・コラム

 先日、某中部地方で一人暮らしをしている弟が、彼女を家に連れて来ることになりました。はじめてのことなので、我が家はプチパニックに陥り、「母さん、その壁の古田敦也カレンダーははずすべきじゃないか?」とか、「あの子(弟)がグーパンチであけた壁の穴は何で隠せばいいかしら」みたいに、今思うとどうでもいい問題に、家族一丸となって立ち向かいました。

 そして当日。仕事から帰ると、弟と彼女は琵琶湖花火大会に向かっていたため、すでに家にはいませんでした。花火終了後にもう一度帰ってくるということ。やはり兄としては、一度は顔をあわせておかねばならなと思うのだけど、正直何を話していいかがわかりません。

「はじめまして」
「はじめまして」
 …以下赤字は弟彼女
「弟がいつもお世話になっております」
「こちらこそお世話になってます」
「…」
「…」
「…」
「…」

 リアルに考えると、どう転んでもこうなってしまい、気まずいことこの上なしです。将来妹になるかもしれないのだから、ここは第一印象でブチかまさないと話にならない。そこで早速シュミレーションを行うわけだが、日ごろ真面目なことに頭を使い慣れていないせいもあってか、どうしても余計な方に暴走してしまいます。

「はじめまして」
「はじめまして」
「弟がいつもお世話になっております」
「こちらこそお世話になってます」
「お前にしてはびっくりするくらいかわいい彼女じゃないかー」
「えー、そんなこと…、あるけどさあ」 …以下青字は弟
「ちょ、なに言ってるのよ、もう!」
「おお、早速夫婦喧嘩か。仲がいいことで」
「や、やめろよ兄さん」
「もう、知らない(ぷんぷん)」
「はっはっは」
「あははは」
「うふふふ」

 ありえない。我等兄弟にこれはありえない。5行目くらいから殴りあう兄弟の地獄絵図が見えます。いや、ここであえて弟を彼女の前で叩きのめし、彼女の母性本能をくすぐるという手もあります。でも、最近めっぽう体格のよくなった弟に逆に叩きのめされるかもしれないのでやめました。

「はじめまして」
「はじめまして」
「ときに○○さん、格闘技は好きかな?」
「は?」
「実は僕は日本拳法という武道をかじっていてねえ」
「え?え?」
「おっと失礼、『グラップラー刃牙』最強トーナメントで一回戦負けした武道についてここで語っても仕方ないな」
「え、えっと、K-1とかなら見たことあります。ボブ・サップとか。(気を使って話を必死で合わせる彼女)」
「じゃあ、あれは知ってます?琉球王家に伝わる琉球王家秘伝本部御殿手(うどんでい)」
「う、うど?」
「いやあ、御殿手十二代伝承者故上原清吉が全盛期にPRIDEのリングにあがったとしたらワクワクしますよね。」
「え、いや、その」
「ヴァンダレイ・シウバのシュートボクセ仕込の殺人ラッシュを軽々といなしていく上原先生。ああ、想像するだけでヨダレが」
「ちょ、兄さんやめろよ!」
「やかましい!今いいところだ、邪魔をするなぁッッ」

 …ありえる。ありえるが、結局のところ先のシミュレーションと同じで、兄弟が血で血を洗う千年戦争に突入してしまうこと必死なので却下。

 こうして考えると、どう考えても、共通の会話など思い浮かばない。好きなテレビ番組の話?いまどきの女の子が『草野キッド』を見ているとは思えない。お笑いブームにからめてみようか。いや、だめだ。村上ショージと江頭2:50くらいでしか笑えないのに、今時のクサレ芸人の話題なんかされたら発狂してしまう。おいしい食べ物屋さんを紹介しようか。…最近天下一品と王将、すき屋しか行ってねえ。そうだ、このブログを紹介してみよう。…こんなバカブログ、普通の良識ある一般市民にのぞかれるくらいなら舌噛んで死んでやらあッ!

 ……すまない、弟よ。俺はダメな兄だ。

 そうこうしているうちに、結局、時間が遅くなったこともあり、家に戻ることなく弟達はそのまま車で帰っていったみたいです。はあ、どっとはらえ。