2021年12月18日
スリルラウンジ
吉祥寺ROCK JOINT GBワンマンライブ
《全曲感想文》
※ただの1ファンによる、頼りない主観に基づいた、妄想と妄言まみれの感想文です。程々にスルーしつつ、ご笑殺ください。
※ネタバレを多く含む、というよりネタバレしかありません。ライブ未見の方は、先に配信アーカイブをご覧になる事をオススメ致します。
0.オープニング
コロナ禍未だ完全には明けず、ゆえに恒例のウエルカムドリンクは今年もなし。それでも、モノクロームセットに続き流れる、こちらも恒例の『ボレロ』が、年末の静かなお祭り感を演出しつつ、我々の心をパブロフ犬のように揺さぶって来る。
1.FLOW FRICTION
新曲『emotion』が披露された時、まず頭をよぎったのは、「フローフリクションが曲順ラスト縛りから解放される」のではないかという事。別に決められていたわけではないだろうけど、あまりにふさわしすぎて必然的にトリ位置が多かったこの曲。それが、同様の相応しさを備えた『emotion』の出現によって、巡って来たトップバッター役。客側にしてみれば、この曲のイントロからAメロの流れは、テンションを抜群に上げやすく、そういう意味で最高の1番バッターと言えそうだ。
2.Low Low Low
カラオケに行くと必ず歌う曲。年に20回は歌っているため、変に自分流がこびりついているので、本家で上書きされるのがめちゃくちゃ気持ち良い!←他人に伝わらないやつ。DAMに入ってるのでみんなで歌いましょう😊
⒊THRILLーGOーROUND
イントロでベースがゴリゴリ鳴り出した瞬間、スリラジ を聞き出した十数年前のあの頃の情景が浮かぶ。曲のそこかしこで当時との違いを感じるたびに、逆に彼らの「今」が色濃く感じ取れる。1つのバンドを長く追いかける事のご褒美が味わえる曲。
(MC)
4.Sundae
この曲、今井さんのボーカルが今日はとてもキレキレに聴こえて、曲の●ってる感が増してとても好みだった。…ドラムの人が「もう少し歌わせたかった」と言った気持ちが腑に落ちる(ボソボソ)※どういう意味かは有料配信アーカイブを見ましょう
5.誰が光に闇を落とした?
初期曲の中では、最近1番耳にする機会が多い気がする。数えた事はないけど。近年の新曲は、どれも根っこはこの上なくスリラジなれど、表面的な表情がバラエティに富んでいる気がしてて(個人の勝手な見立てです)、それは勿論大歓迎で、その自由な感じも同バンドの真骨頂。そんな多士済々のセトリが、この曲をひとつかまされると、グッと引き締まるというか。うまく言えないけど、イベント全体を見た時にすごくキーポイントになり得る曲だと感じた次第。
6.チョコレートナイフ
同時期に発表された『ギターノイズ』を最近やらない理由は、やはりアレなのだろうけど、その間、その思いを繋ぐ曲だと勝手に(本当に勝手に)思っている。テーマ的にも対になりそうな内容だし。そんな個人の思い入れはともかく、きっと誰しもがサビの所で、大切な人を思い浮かべて聴いてる曲だと思う。
7.コココ
この曲を初めて聴いたのは10年前後近く前、京都MUSEにて。矢継ぎ早すぎるリリックに、今井さんの発想力と舌は一体どうなってるのか訝しんだ記憶。個人的に、あの当時のスリラジを象徴するのはこの曲だと思っている。
(MC)
8.ブラザー(秀英)
この曲で思い出すのは、8か9年くらい前の京都拾得。橋本潤さんを擁する190ライダーとの2マンライブで披露された時は、潤さんをイメージしたと言う曲『Jun』から、半ばメドレーのように綺麗に繋がって、それがあまりにも美しくて。以来、作曲者の意図とは違うかもしれないけど、個人的にはこちらも橋本潤さんを思い起こさせる曲になった。あの時のバージョンのイントロも捨てがたいけど、ドラムレスバージョンもとてもしっくり来た。今後どう変遷するかを楽しみに見守りたい。
9.1980(豚骨)
リズム隊ユニット曲の中でも抜群にカッコよく、当然のようにレギュラーとして定着しつつあり、こちらとしては嬉しすぎる誤算。そしてリズム隊曲と言いつつ、後半出張って全部持って行こうとする今井さんの姿が、とてもロック。
10.ロックちゃん(仮)
一時期、毎ライブのように聴いていた曲。そういう意味で、スリラジの代名詞になりかけていたけど、ある頃からピタッとやらなくなって。理由は知らないけど(配信特典で聴けるかと思ったけどスルー)、しばらくブランクを経た上で味わってみると、まさに「これよこれこれ」な待ってました感。個人的な妄想としては、いつか京都であの2マンが復活する時に、セッションでやって欲しい。ともあれ(仮)がいつ取れるかどうかも含めて、音源化に向けての動向が気になる曲。
(MC)
11.Knackers!
久しぶりのはずが、思ったより懐かしさが薄かったのは、常からのアルバムヘビロテの賜物なのだろうけど、音源では表現が難しい、各パート一音一音の芯のある太さを感じるにつれ、やはりライブでは久々なのだなと後追いで納得。
12.キングスネークスパゲッティ
こちらはイントロが鳴った瞬間に「懐かしい!」との叫びが背筋から脳天に向かって走った。『Knackers』にも言えるけど、長年散々音源で聴きまくり体に染み付きつつも、ライブではしばらく聴けてない曲を、数年ぶりに改めて聴く今回のパターン。「知ってる曲のはずなのに、あれ?あれ?」と戸惑う皮膚感覚が癖になりそう笑。
(MC)
13.スパニッシュランチパック
過去に散々ステルス的にリクエストして来たけど採用されなかった曲が、ここに来てようやく!感無量。しかも叫ぶメニューが韓国料理と和食とな。それはもはやスパニッシュじゃないですよね、と突っ込みたいのはヤマヤマなれど、元々も叫んでたのはフランス料理みたいだから、全くムイビエンです。コリアン&ジャパニーズランチパックの歌詞は、配信アーカイブ購入特典の打ち上げコーナーで知れますよ。
14.Death Discos
この曲も久々なの?(注:このブロックは懐かし目の曲が中心です)数年前の年末ワンマンで、『背と腹』や『ピンアフ』などと一緒に怒涛の最終ブロックを担った時のカッコよさが、今もこびりついていて。単にめちゃくちゃカッコ良いだけでなく、前後の曲との組み合わせでさらに光る、いぶし銀さも魅力の曲。『背と腹』が“インドの狂虎”タイガー・ジェット・シンなら、こちらは“まだら狼”上田馬之助か。
(MC)
15.ダリア
ズルい。作った今井さんが全くズルくないのが、またズルい。こんな曲、好きになるしか、人生のお供に隣に置いとくしかないでしょう。ああ。
16.サードアイ
『rebellion』作ったそばから『Baby chuck』、そしてこの曲と、どれだけカッコ良いインスト曲を連発すれば気が済むのか。いや、スリラジの場合、他のバンドと違ってインストだなんだと分ける必要は全くなく、同じ位置付けの作品でしかないのだろうけど。でもやはり、上記3曲だけ見ても、個性も音楽性も際立っていて、思わず特筆したくなるのです。中でもこの『サードアイ』はめちゃくちゃストライク。アレンジも好みの変遷をたどっていて、ああ早くまた生で聴きたい。
17.ハッピーアワー
酒が飲めない身がどのツラ下げて『ハッピーアワー!』て叫べばいいのかはわからないけど、イントロが鳴っただけで興奮で酩酊状態になるくらいには楽しませていただいています。
(MC)
18.背と腹
相変わらず、個人的に宇宙一カッコ良い曲。他曲のアウトロをぶった切って始まるバージョンも好きだけど、ブロックの頭で唐突に始まる今回のも大好き。中盤から恐ろしく速くなってハラハラしてたら案の定。笑
19.ピンクアフロパンクス
ピンアフを実家に忘れて来てしまい、今回はノーアフロで参戦。思えば、2012年12月16日に下北沢で初めてアフロを被って以来、ほぼ毎回被って来た。おそらく50回では利かない。今回忘れた事で、後悔と猜疑心に苛まれたが、いざ曲が始まってみると全く問題なく楽しめたのだった。
20.DRY
序盤か終盤か、その出順によって表情が変わる(ように見える)曲。個人的には序盤で投入された際の、じっくり重いテンポのが好みではあるのだけど、今回終盤で、けれどハイテンポ過ぎず、前に行きたい衝動を抑え込み溜めているようなリズム感が、物凄く心地良かったし、ラストの3曲に最高の形でバトンを渡したように見えた。
21.ルーシーの太陽
最初からカッコよかった同期の『背と腹』に比べると、時とともに磨かれ積まれ、ついにはアルバムタイトルを勝ち取った、努力の曲のイメージ。
22.rebellion
個人的に、スリラジ を知らない人へのイントロダクション曲としてイチオシしたい曲。理屈抜きのカッコ良さは、初見にも伝わるような気がする。演奏中の御三方のたたずまいも、最高にクールで思わず見惚れる。
23.emotion
前述の通り、ここ最近の定番トリ曲の『FLOW FRICTION』が早々と演奏されたため、それなら今宵のラストは絶対この曲しかないなと、普通なら、そんな「わかってるぜヘヘン」的な通ぶった勘ぐりは表に出さないのだけど、この曲に関しては、勘繰らなくても確信が容易だった。現在進行形スリラジ の最新代表曲と言って過言ではないと思う。生み出されてくれてありがとう!と思わず感謝したくなる名曲。
【Encore】
1.Baby Chuck
露骨でなく、絶妙な塩梅で、こちらのロック心の痒いところにタッチして来るニクい曲。変則的なリズムの乗り辛さによるもどかしさも相まって、良い意味でペースを乱して来るので、ラストに向けて身構えてカチカチな気持ちが一旦ほぐれた。お陰で次の曲ではテンションがヤバいことに。
2.バナナマニア
ワンマンと言えばこの曲。というかワンマンでしか無理な気もする。そりゃそうだ、4バンドくらいのイベントでやった所で、この曲だけで半分位持ち時間を持ってかれるし、何より50回近いジャンプの連投は色々と無理がありそう。今回は恐らくのべ100回は飛んだだろうか、間違いなく2日〜3日後は筋肉痛で仕事に差し支えるだろうけど、それでも飛ばないという選択肢はあるわけがなくて。
【Encore2】
1.接触
実はオーディエンス側が叫びやすいポイントは3箇所くらいしかないのだけど笑、なんのなんの、叫ぶってのは声だけじゃなくて、体全体で張り上げる事だって可能なのだ。残った物全てを叫んで吐き出して、ああスッキリ。体と体は要ソーシャルディスタンスなれど、熱いハートは濃厚接触で大団円。
●総括
コロナ騒ぎもやや弱火に見えて来て、それでも油断できない中行われたワンマンは、満員札止めにはやや及ばず、それでも意を決して駆けつけたガチオーディエンス達により、それはそれは幸せな、演者側の言葉を借りれば「生暖かい」空間に支配されていました。
一見、ロックンロールとは相入れなさそうな「生暖かさ」という言葉。けれど、行き過ぎた緊張感の行き着く先がどこなのか、我々はこの数年で気付いたはず。
欲しい物を自分たちの手で掴みに行くのがロックなのだとしたら、現代社会に足りないそんな「生暖かさ」を全員の手で現出させた今回のワンマンは、紛れもなく最高のロックショーだったし、(配信を含めた)あの場を共有できた方々のこれからのヒントになり得る、そんなライブだったと思うのです。
妄言多謝。