日本国からすると「国を守るために必要、他府県で受け入れるところは無いので沖縄に押し付けたい」、沖縄県民からすると「沖縄にこれ以上の基地強化は止めてくれ」と意見対立している辺野古の新基地問題。その是非を問う県民投票が近く実施される予定。
県民のほとんどが新基地建設反対であれば国も少しは考えてくれるのではないかと、あるいは、国際的な人権団体などが注目してくれるのではないかと知事と知事のブレーンたちは考えているのかもしれないが、しかし、県民投票に反対する首長のいる自治体がいくつか(一昨日もうるま市が協力しないとなった)あり、一部の県民が投票に参加できないことになるとラジオのニュースから聞いた。県民投票に反対する首長側の反対理由の1つは選択肢が「反対、賛成」の2つしかないということ。ただ反対だと普天間基地の固定化に繋がりかねない、普天間基地撤去のためには「やむを得ない」という選択肢、あるいは「分からない」という選択肢があってもいいじゃないかとのこと。
県知事側のどこに頑固者がいるかしれないが、何故2者択一に固執しているのか私には疑問。先方の望み通り選択肢を3つ4つにしても良かろうと思う。「何が何でも反対」にしなければならない理由は何なのか?たとえ三択にして3つめを「どちらとも言えない」にしたとしても、それでもおそらく新基地建設反対は過半数を超えると私は思う。
もう1つ疑問がある。いや、その前に誤解が無いよう言っておくが、私は辺野古に新基地を作ることについてはずーっと反対の立場である。その上での疑問。
県民投票の設問は「辺野古米軍基地建設のための埋立てについて賛成か反対か」のようである。この設問の中で「のための埋立て」は不要だと私は思う。埋立と基地建設は別個の事。埋立てという言葉を入れたことがもし、きれいな海が好きな人、自然保護に熱心な人を取り込もうとしている手段なのであれば、あまり気持ちいいものではない。
デニー知事にはもっと自信を持ってもらいたい。自然保護を棚に上げて新基地建設の是非だけ問うてもきっと大丈夫。選択肢に「どちらとも言えない」を加えてもきっと大丈夫だと私は思う、そう期待している。そして、不利な条件が多少あったとしても堂々と真っすぐな態度で前へ向かっていく。その方が多くのウチナーンチュの心を捉えるはず。県民投票の結果がどうであれウチナーンチュの多くが知事を支えるはず。
隣近所の国々とのちょっとした諍いを大げさにして、ケンカして、この先大丈夫か?と不安になるような今の日本。北朝鮮とは噛み合わないかもしれないが、韓国、中国、ロシアとはこれまで何とか上手くやってきたではないか、何かあったとしても大げんかになる前に上手く収めてきたではないか、何故、今ギクシャクしているのか。
さらに、「何ていう国なんだ日本って」とフランスからも思われているようである。韓国と仲違いし、中国、ロシアとも仲が悪くなる。隣近所から嫌われてしまう。隣近所からどうでもいい国と思われてしまう。「遠くの親戚より近くの友」という諺があるが、近くに友がいなくなる。何かあった時、遠くの友に助けを求めようと思った時、日本が友と思っているアメリカは後ろ盾となってくれるだろうか?・・・アメリカのリーダーが今のままならそれは怪しい。今のアメリカは不安定な後ろ盾だ、見捨てられるぞ日本。
その点、デニー知事を支える後ろ盾は大丈夫、ウチナーンチュには情けがある。
記:2019.1.16 島乃ガジ丸