平和運動家で薬草研究科の知人Hさんに「薬草表を作ってくれないか」と頼まれたのは昨年(2018年)6月、「老人クラブの仲間たちのため」ということで、「薬草の名前を五十音順に1つずつその効能を書いて写真を載せた表が欲しい」という要望。頼まれてから4ヶ月ほど経った10月末にやっと、その要望を概ね満たした冊子をHさんに差し上げることができた。しかし、その内容は私自身も不満であったが、Hさんからも合格は得られなかった。以前に他の年配の方に意見を伺っており、その方の「こうした方がいいんじゃないの」という意見をHさんに語ると、「それがいいかも」とのお答え。
「こうした方がいいんじゃないの」の内容は「効能別に薬草を紹介する」ということであった。で、以後その方向で薬草表を作り直す。ところが、薬草の数が多すぎ(300種近く)て時間がかかる。1種の薬草の、科名、方言名、別名、採取時期、採取場所、使用方法、加工方法、効能、含まれる薬効成分などエクセルの表に書き写していく、それが300種近く。パソコン画面を見続けていると目が痛くなり、肩が凝り、頭痛もしてくるので長く続けては作業ができず、休憩時間もしだいに長くなり、作業は捗らない。
であったが、12月半ばにやっと入力作業終了。終了した頃に私は薬草関連の書籍を5冊以上は読んでいた。5冊以上の本を読んで「薬草は摂取法、摂取量など正しい知識がなければ危険な場合もある」と解る。摂取量によっては毒になるものもある。素人の私が生半可な知識で薬草を他人に勧めるのは、「簡単にはできないぜ」と思うようになった。
ということで、「こうした方がいいんじゃないの」の内容はさらに変わる。「樹皮や根を使って、干して乾燥させて、長い時間煎じて」といった手間のかかるものは、手間がかかる分だけ薬効が強くなると思われ、薬効が強いものは危険と思い、除く。普段目にしない、薬草園などへ行かないと手に入らないといった、入手難であるものも除く。
で、その結果、私が選んだものはそんじょそこらにある野菜や果物となった。そんじょそこらにある野菜や果物で健康に良いもの、・・・というか、ほとんどの野菜や果物は何かしらの栄養があり、健康に良いものばかり、で、それだけでも100種となる。
100種を1枚の表にするのは無理、元々、表にするなら数枚になるかもと思っていたが、100種はあまりに多すぎる。ということで、冊子ということになった。
1月23日の午後、Hさんに会い、完成した冊子を見せ、合格を頂き、それを差し上げて半年以上も費やした薬草表(結果は冊子)作りは終了・・・ではない。危険性が無いということであればハーブティーみたいな軽い飲み物(薬草茶)や、火傷、肌荒れ、切り傷などに効く塗り薬もいいのではないかとの意見もあって、それらも作ることにした。
ということで、今回完成したのは「身近な薬草ガイドその1:野菜果物」とし、今後、その2、その3を追加することにし、今、手掛けている。実物を探し写真を撮らなきゃならないので、全ての完成にはあと半年はかかるだろうなぁ・・・でも、楽しみ。
記:2019.1.30 ガジ丸 →沖縄の飲食目次
参考文献
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行