本朝の産経新聞が、海自の共通仕様書が特定業者を優先するかの仕様で、他社を排除している可能性があると報じた。
記事によると、潜水服の素材を共通仕様書で「ポリエステル85%以上、ウレタン15%以下」と定めているが、この仕様に合致するのは1社のみであり、他社からは「性能に直結せず合理性が無い」と反発しているとしている。
10mの垂直・斜潜水の教育訓練と数回の実潜水・潜水作業指揮経験のみであるが、潜水服に要求されるのは、肌との密着度と水中での動き易さであり、とりわけ重要なのは「潜水服に対する潜水員の信頼度と安心感」であると思っている。報道では、潜水員の感想・言い分まで取材したようには読み取れないので、何とも言えないが、該当社納入の潜水服が、潜水員に無類の安心感を与えていると仮定するならば、単に機能・合理性から判断すべきではないのではないだろうか。
海自の潜水員は、レジャー潜水とは異なり、過酷な環境で複雑な作業をする。加えて「潜水員の7割頭」と云われるように、潜水深度が深くなればなるほど判断力等が低下し、100mを超える深海潜水では1桁の足し算にも苦労すると聞いたことがある。そのような環境下にあっては潜水服に対する安心観という要素は合理性を超えるものであるのではないだろうか。
指名競争入札⇒一般競争入札のあおりを受けて、艦艇の検査・修理を始めて受注した造船所で年次検査を実施したことがある。経験豊かな造船所では秘密保全体制もしっかりしており、作業員も一応のセキュリティクリアランスを与えられているが、新規参入の会社では外国人作業員が散見、複数日を要する作業も日替わりで作業員が交替するなど気を抜けない状態であった。特に現場管理者も共通仕様書の理解が十分でなく、態勢の不備などを指摘すると「そんな意味なのですか?」ということがしばしばであった。安全保障や軍のセキュリティが国民的なコンセンサスを得ている国では、一般競争入札は理想であり難なく遂行されるであろうが、残念乍ら我が国の現状は、相当な地位にある人でもそれらについて無知である場合が多い。
10mの垂直・斜潜水の教育訓練と数回の実潜水・潜水作業指揮経験のみであるが、潜水服に要求されるのは、肌との密着度と水中での動き易さであり、とりわけ重要なのは「潜水服に対する潜水員の信頼度と安心感」であると思っている。報道では、潜水員の感想・言い分まで取材したようには読み取れないので、何とも言えないが、該当社納入の潜水服が、潜水員に無類の安心感を与えていると仮定するならば、単に機能・合理性から判断すべきではないのではないだろうか。
海自の潜水員は、レジャー潜水とは異なり、過酷な環境で複雑な作業をする。加えて「潜水員の7割頭」と云われるように、潜水深度が深くなればなるほど判断力等が低下し、100mを超える深海潜水では1桁の足し算にも苦労すると聞いたことがある。そのような環境下にあっては潜水服に対する安心観という要素は合理性を超えるものであるのではないだろうか。
指名競争入札⇒一般競争入札のあおりを受けて、艦艇の検査・修理を始めて受注した造船所で年次検査を実施したことがある。経験豊かな造船所では秘密保全体制もしっかりしており、作業員も一応のセキュリティクリアランスを与えられているが、新規参入の会社では外国人作業員が散見、複数日を要する作業も日替わりで作業員が交替するなど気を抜けない状態であった。特に現場管理者も共通仕様書の理解が十分でなく、態勢の不備などを指摘すると「そんな意味なのですか?」ということがしばしばであった。安全保障や軍のセキュリティが国民的なコンセンサスを得ている国では、一般競争入札は理想であり難なく遂行されるであろうが、残念乍ら我が国の現状は、相当な地位にある人でもそれらについて無知である場合が多い。
潜水服と艦艇修理を例として挙げたが、安全保障や軍需品については「餅は餅屋」の古語が今に輝きを保っていると思っている。
願わくば産経新聞を含めマスメディアにあっても、官民癒着疑惑を報じる場合は、今少し掘り下げた取材をして欲しいものである。
願わくば産経新聞を含めマスメディアにあっても、官民癒着疑惑を報じる場合は、今少し掘り下げた取材をして欲しいものである。