もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

チェンバレンと平沼騏一郎を彷彿・想起

2018年06月13日 | アメリカ

 米朝首脳会談が終わり、共同声明が出された。

 声明は、事前にポンペオ国務長官が表明していた「北朝鮮の即時・非可逆的な核廃棄」からは明らかに米国の後退・譲歩が際立ったもので、紙背には北朝鮮を核保有国として認め、米国への核攻撃断念の担保として韓国(或いは日本をも?)を差し出す意味が隠されていると理解した。トランプ大統領は、既に”米朝対話継続中は”という前提はあるものの米韓合同軍事演習の中止を表明、以後の在韓米軍の撤退すら匂わせて、北朝鮮が主張する”段階的な半島非核化”にシフトチェンジしたことを隠そうともしていない。歴史は繰り返すとはよく言われるが、今回のトランプ大統領の行動は、ナチスの台頭からイギリスのみを守るためにチェコを差し出したチェンバレン英首相の行動を彷彿させるものである。結局チェンバレンはナチスドイツのポーランド侵攻によって退陣するが、ナチスの野望を挫くことなく欧州大戦(第二次世界大戦)を引き起こす遠因を作った人物として歴史に悪名を残している。平沼騏一郎首相は、チェンバレンのナチス容認、独ソ不可侵条約の締結という欧州世界の急激な変化に対して、日本の針路・選択肢を決めかねて「欧州の情勢複雑怪奇なり」の迷言を残して内閣を投げ出し、後に続く日本の枢軸側参加・大東亜戦争に至る号砲を阻止し得なかった人物と理解している。幸いにして安倍首相には極東情勢の激変に対して不退転の選択肢を堅持しているようであるが、ポピュリズムに左右される議院内閣制の宿命・弱点から、政権党と総理大臣の交代も視野に置かなければならない日本、我々一人一人が国の行く末を真剣に考えなければならない時が来たと思う。

 トランプ大統領の云う「アメリカンファースト」とは、結局「国際信義ファース」ではなく「ビジネスマンとしてUS$ファースト」であることが、より際立った今回の首脳会談ではないだろうか。トランプ大統領の任期はアト2年若しくは6年、取り返しのつかない期間とならないことを祈るのみである。