警官を殺害した犯人が警官から奪った拳銃で行きずり殺人を犯す事件が富山市で起こった。
例によって、県警からは再発防止策として拳銃を奪われない方策の強化が語られているが強化の方向が違うのでは?との疑問を感じる。警官が所持する拳銃は、凶器を使用する犯罪者を制圧して市民を守るためのものであり、取扱い易いことが重要では無いかと思う。いくら厳重な防護策を講じていても、警官が戦闘能力(抵抗力)を失った後では犯人は時間をかけて拳銃を入手できるのであり、奪取防護の徒な強化は警官の行動を制約して奪取を目論む犯人を利するだけと思う。警官が凶悪犯を制御するためには自身の戦闘能力を維持することが大事であり、そのためには犯行の初期段階で素早く拳銃を使用できる状態で所持することが重要ではないだろうか。報道を基に警官の拳銃発砲に至る手順を想像すると、ホックを外して拳銃を抜き、用心金の暴発防止具を外し、安全装置を解除して発砲という手順であるように思うが、一連の動作には10秒程度は要するもので、防護策が強化されればこの時間は更に長くなることは避けられない。拳銃強奪を企図した犯人にとってはこのアドバンテージは大きく、犯罪成立の公算を高める結果にしかならないと思う。銃器規制の厳しい日本にあっては警官が所持している拳銃が最大の武器供給源であることは理解できるが、それを奪取するためには致命的かつ迅速な反撃が予想されるとの認識を高めることが、拳銃強奪の意図を挫く最大の方策であると思う。
凶悪犯に対する有効かつ強力な武器(拳銃)に対して、足枷を嵌めるような拳銃強奪防止策の強化は、将に「角を矯めて牛を殺す」もので、警官の拳銃使用を一層困難として犯罪の凶悪化を助長させるものでしかないと思う。2020年対策としても、外国人のテロ対策としても、警官が犯罪の初期において相手を制圧できるように、拳銃は素早く使用できる状態で携行して欲しいと思う。