もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

野党の主張は?

2018年06月15日 | 野党

 米朝首脳会談に対して、在野識者の主張・観測が盛んであるが、野党の主張は?と注意して見ているがあまり報じられない。

 本日に至り立民の辻元国対委員が「首相出席の集中審議の開催・説明」を求め「バスに乗り遅れるな」を主張したこと、国民民主の玉木代表が首相の説明責任について発言したことが報じられているくらいである。両者に共通していることは「詳細を知りたい」という野次馬的・井戸端会議的な姿勢で、野党としての姿勢について国民に訴えかけるものは無い。辻元氏はかって北朝鮮に対しては拉致問題に先立つ戦後補償を優先すべきとして物議をかもした過去を持つために今回は口を閉ざしているのかもしれないが、在沖米軍の撤退・基地撤去を支援する立民にとって在韓米軍の撤退まで視野の入るアメリカの極東戦略の変質は好機であるにも関わらず何も主張しないのは不自然である。考えれば、在沖米軍の撤退、日米安保の見直し、安全保障関連法への反対、自衛隊の基地攻撃能力整備に反対、等々によって明らかな「憲法墨守・安保国連ただ乗り」の主張では、日本の防衛が成り立たないことを実感した結果とも推測できる。アメリカでは、共和党議員はおろか野党と呼ぶべき民主党議員からも米朝首脳会談以後における取り組みについて様々な意見が出されているが、極東におけるアメリカの影響力・核抑止力の低下によって正面に立たざるを得なくなる日本において、廟議に当たる野党議員が確たる主張を提示し得ないことを憂慮するものである。

 モリ・カケ問題をさえ追及しておけば、有権者の支持を繋ぎ止めておけるとの安易な考えが通用しない事態になっている。おそらく、野党は集中審議の場で内閣の失言を引き出して問題の本質から衆目を遠ざけようとするのであろうが、この期に及んでは立民の枝野氏を始めとする諸氏には「親中・真北」の鎧の上に羽織った衣を脱ぐべき時期に来ているのではないだろうか。