新しい駐日韓国大使の姜(カン)昌一氏が22日に着任した。
姜氏は、東洋史の研究者で東大で修士・博士号を取得した知日派とされているらしいが、自分は日韓議員連盟の会長(現在は名誉会長)で、天皇を「日王(皇)」と呼ぶことを主張し、北方領土訪問時に「北方領土はロシア領」と発言した人物で日本にとって好ましい人物とは思っていない。
大公使交換手順としては、国家が大公使を派遣する際には事前に相手国から「外交官待遇の同意(アグレマン)」を得なければならないとされており、相手国はアグレマンの要請に対しては理由を示さずに拒否できることもウィーン条約に定められている。このことから、今回の姜昌一氏にアグレマンを与えるべきでないという意見も多かったが、政府としては「反日を唱えなければ出世出来ないという韓国の内情を考えれば大使級以上の階層に反日で無い人物は見当たらないので已む無し」という現実的なアグレマンであったのだろうと推測している。
更に大公使が仕事を始めるためには赴任国の元首に対して所属国の元首から授与された信任状を提出して受理されることが必要であり、日本の場合には天皇陛下が受理される。この信任状奉呈式は通常、着任後1カ月以上経過後に行われるので、それまでは政府要人との公式な接触は控えるのが慣例となっているらしいが、前韓国大使の南官杓氏が奉呈前に河野外相に着任の挨拶を行った例外はあるものの、これは河野太郎氏が宇宙人であったためと思われる。現在の姜氏も奉呈式前の大使内定状態であるために、日本政府要人も面会しないと述べている。
文大統領は新年の談話で、「日韓請求権協定は合法」として、慰安婦判決には「困惑している」と述べた。かねてから協定の不当性と司法判断尊重を繰り返したものの、地裁とは言え司法が反日のためには国際慣例をも無視する暴走を始めたために、新年の談話には自らが主唱していた反日が既に制御不能となった現状分析が込められているようにも思われる。これまで徴用工・慰安婦対応については司法の独自性を唯一の根拠としていたが、今月の18日に予定されていた慰安婦2次訴訟判決を3月に延期させたことで、司法も大統領に従属していることが明らかとなった。更に、大規模なライダイハン訴訟が起こされる見通しであり、徴用工での最高裁判例尊重は韓国政府に大きな犠牲を強いる可能性も浮上してきたことも、影響しているのかも知れない。
もはや文大統領の心中と政治には、大統領辞任後の積弊清算を無事に乗り切ることしかないように思えるので、新任の姜大使が如何に努力しようとも日韓関係改善は絶望的であると思うし、修復する必要すら無いと思っている。