Twitter社がトランプ大統領のアカウントを永久凍結した。
凍結の理由は、トランプ氏のツイートが議事堂襲撃の引き金になったとするものであるが、凍結自体が国内外で大きな波紋を呼んでいる。
Twitter社の主張の根拠は、アメリカの通信品位法が「不適切な投稿を掲載したり削除しても法的責任を問われない」と定めていることからトランプ氏のツイートを不適切と判断したものであるらしい。このTwitter社の対応に呼応するかのように、アマゾン・コム社が、極右支持者に人気の新興交流サイへのサービス提供を打ち切る等、電脳情報社会における反バイデン封じ込めとも取れる動きに発展している。
しかしながら、Twitter社が大統領選挙期間中にトランプ氏の民主党批判ツイートに警告表示を表示させる一方で、バイデン候補支援のトランプ氏ネガティブツイートは野放しにするというあからさまな選挙干渉とも取れる行動を採ったことは余りにも有名であるために、共和党支持者から反発されるとともに法曹界からも「IT大手の検閲は表現の自由の侵害」という意見も出されていた。海外からもドイツのメルケル首相をはじめとする指導者層から「情報業界の規制は、業界の寡占企業が自分で行うべきではなく法に沿って行うべき」との意見が相次いでいる。
IT音痴の自分が疑問に思うのは、Twitter社を始めとするSNS運営企業は、「誰が」「どのような基準で」情報の真贋・適否を審査・判断しているのだろうかという点である。「特定のワード」を使用したコメントに対して機械的に警告表示を付けることは容易であろうが、今回の大統領選を見る限りでは「特定のワード」の選択自体が恣意的な方向性を以て行われたように感じられる。更にトランプ氏個人のアカウント凍結は何らかの意図なくしては絶対に起こり得ないものに感じられるので、両者に「アンティファ」の蠢動を観るのは、穿ち過ぎであろうか。
雑多で膨大な情報から特定の情報を抽出することは人間では行えないためにAIが行うのであろうが、AIは純真無垢の0歳児の状態から学習を始めるのではなく、デザインした人の思考・方向性を起点として学習を始めるために、民主党支持AIはどこまでも民主党AIであり続け、中國共産党AIはますます共産党絶対同志に成長するのではないだろうか。
既に日本でも、ヘイトスピーチ対策法に抵触するとして韓国研究者のアカウントが停止される一方で、悪質な個人攻撃に対してアカウント停止の要求はおろかアカウント情報の開示すら拒否されるという偏りが報じられている。情報社会の急激な変革に法の整備や規制の体制が追い付かないために、情報の取捨・選択をSNS業者の自主規制に依存しなければならなかった弊害が、アメリカ議会襲撃によって露わとなったように思える。中朝は電脳界を国が取り仕切り、自由社会では寡占の大企業が恣意的に取り仕切る、両者の弊害を見る限り将来の情報社会は「口コミ」が唯一信頼できるという先祖返りの様相を呈するかもしれないが、電報遊びを考えれば「それも危ない」なァ」。