もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

コロナ探知犬を知る

2021年05月27日 | コロナ

 コロナ探知犬によるコロナ感染識別の取り組みが報じられた。

 このような取り組みを全く知らなかったので大慌てでネット上の記述を拾い読みしたところ、既に昨年7月には、短期間の訓練を受けただけの犬に人の唾液を嗅がせることで、90%強の確率で感染の有無を判別できることを、ドイツの研究者が明らかにしていたらしい。
 時系列にまとめたものでは無いが各国の探知成功率等をみると、イギリスの実証実験では88%の成功を収めたとされていた。
 また、フランスでは、爆弾探知犬、捜索救助犬、結腸がん探知犬の14匹で数十回の実験を行って、76~100%の確率で成功を収め、特に結腸がん探知犬の2匹は68回のテストで100%の成功率を収め、更にこの2匹は医学検査で陰性とされた被験者2人を繰り返しマークし続けたために病院に連絡した結果、その後の検査でこの2人は陽性と判定された事例もあったそうである。
 コロナ探知犬の活用は実証研究を離れて、既に実戦配備についていることも知った。フィンランドのヘルシンキ空港には昨年9月から試験的に配備され、タイでは今月以降簡易検査場に配備されたようで、非感染者が正しく非感染と判定される割合が91%を示すとされている。また、アラブ首長国連邦(UAE)、スイスでも探知犬の訓練を開始しているとされていた。
 この方法は探知犬の能力によって大きく左右されるが、記事の通り探知確率が90%超であればPCR検査と遜色がなく、検査時間は圧倒的に有利であることから、入国審査等の水際防御には最適の手段であるように思える。
 一度抑え込みに成功した台湾での感染拡大を観る限り、今回の中国コロナ過は完全に終息することなく、今後数年間はパンデミックの危険性をはらんで生活しなければならないように思える。ネット上を散見した限りでは日本での取り組みは見つけることができなかったが、長期間のコロナ戦争のためには、空港ゲート、駅改札口、各種イベントの入場口等にコロナ探知犬を配置することは、有効ではないだろうか。

 これまで、悪行を為した人を「犬畜生にも劣る」と蔑だように、品性のランクは、人間の下に餓鬼・畜生がおり、更にその下に極悪人がいるという図式が定着していたが、コロナ探知犬の活躍、ライカ犬の宇宙開発貢献、忠犬ハチ公を筆頭に、飼い主の危急を救った愛犬、・・・等を観る限り、人間社会に対する犬族の貢献は、自分を遥かにしのぐものと考えざるを得ない。数日前のブログで競馬をやらない理由として「馬畜生の勝敗に人間が一喜一憂することが我慢できないため」と書いたが、競走馬は馬同士の優劣は承知の上で、射幸心に眩んだ人間にその浅ましさを教えるために走っているのかも知れない。