もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

文官統制の弱体?

2015年03月07日 | 社会・政治問題

 内閣に対する純軍事的な補佐機能が防衛省内局から統合幕僚会議に移行する。

 このことにより、文民統制の1機能とみなされていた文官統制(自衛隊制服組にたいする防衛省内局の優位性)が弱まるとの見方がされているが。組織体を統御するためには『人・物・金+情報』を掌握・制御することだとされている。これまでの自衛隊への文官統制は統御要素の全てを内局が独占していたが、今回の改組によってもその構図は変わらないように思える。そのため、制服が具申し文民(内閣)が採択した武力行動に対し、異を唱える背広組の陰陽にわたる妨害が可能となり、結果として武力行動が機能しない又は効力を発しない場面も予想される。ハリウッド映画でも大統領の意志で発動した武力行動が、国防総省の担当者の妨害によって機能しない場面が繰返し描かれていることは、今回の自衛隊改組後と形態を同じくする米国にあっても同様な事象が予測され共感されている証と思う。自衛隊が文官統制のくびきから脱して、文民の意志に対して迅速に反応し得る組織となるためには、『人・物・カネ・情報』の分散を考え無ければならないと思う。

 戦後70年にわたり戦争体験がなく、総力戦のノウ・ハウは図書館で眠っている日本。有事法制定の前に、内閣・背広組・日米制服組合同で有事を想定した図上演習をして問題点を総括してはどうだろうか。中韓は反発するだろうが。


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