もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

ゼネラリスト自衛官の育成について

2015年01月03日 | 社会・政治問題

 前に、ROEについての所感を記したが、ROE制度の前提として派遣部隊指揮官が相応の学識と判断力の元、最高指揮官(国家)の意を体して武力行使を実行することである。

 米国では、陸軍大将から大統領となったアイゼンハワー、国務長官となったパウエル等々、退役軍人が政治の場でも存在感を示すことがある。パウエルについては、士官学校・軍大学で学ぶとともに軍歴中に2つの大学で修士課程と博士課程を履修している。かって、ブルーリッジのある艦長(大佐)の履歴を調べたが、彼も2つの大学で修士・博士課程を履修し、工学・政治学博士の肩書を持っていた。

 このように、米国では軍人教育と並行して民間大学において一般学を学ばせた教養高級軍人を育成・配置することにより、派遣部隊の暴走あるいはROEからの逸脱を防いでいる。日本でも京大大学院への自衛官入学阻止闘争以降、ゼネラリスト自衛官の育成が頓挫しているのではと危惧している。

 軍事音痴の政治家と国策音痴の自衛官の組み合わせでは効果的な集団的自衛権の行使は疑問で、高級幹部自衛官の教育体系について考える必要があるのではないだろうか。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿