高市・吉野氏の正論が受け入れられない世情を憂慮している。
自民党の高市政調会長は、今国会での採択が確実視されている「中国による人権抑圧非難決議」が明確に中国を名指し非難するよう求めたが、自民党(政府)と立民の合意案では、中国を名指しすることを避け、一般論としての人権擁護決議となる模様と報じられている。「ではの守」を承知であるが、既に西側の多くの国で中国非難決議が行われ、直近でも20日にはフランス下院が「中国が新疆ウイグル自治区でジェノサイドを犯していることを政府が公式に認定・非難するよう求めた決議案」を採択している。直接選挙で元首を選ぶ国の国会と議員内閣制の国会では当然政府に対する態度は異なるが、西側主要国の全ての議会で「中国を明確に名指し非難決議」する一方で、政府がジェノサイドにまでは踏み込まないと云う聊かの政治的忖度を以って北京五輪の外交的ボイコットを表明している現状を考えれば、日本でも、国会では明確に中国を名指し非難する決議を採択すべきで、決議を受けた官房長官が「ある程度、非難を塩梅した声明」を出すのが、国際的に見て妥当であろうと思う。
議会と政府が一体となって中国擁護に回れば、「百日の説法屁一つ」よろしく、これまで営々として築いてきた西側諸国の一員としての地歩を一挙に失いかねない。
高市政調会長にあっては、議会(立法府)と行政府の権能区分が建確であるために、政調会長では「中国の人権弾圧を敵視・糾弾」するものの、もし総理であっても「経済を加味した頃合いの避難」外交をする判断力・政治力をお持ちであろうと推測する。
連合の吉野友子会長は、「共産党との共闘は、共産主義社会実現のための(共産党の)手段」との認識に立って、来る参院選では「共産党と共闘する候補者は支援しない」と明言した。共産党や独裁者が勢力拡大のために既成勢力を宿主として寄生・増殖して、宿主を食い尽くして目的を達成することは歴史が証明している。中国共産党の国共合作・ヒットラーのナチ党入党、ホメイニ師のイラン反国王デモ利用など、大方の国民の希望とは懸け離れた結末を迎えた例は枚挙に事欠かない。それ以上に、吉野氏にあっては、立憲君主制と共和制、護憲と憲法全面改正、・・・等々、目的において「水と油」の関係にある両党が手を組むことの不条理は、民主主義の根幹を揺るがすとの危機感からであろうと推測する。
岸田総理、河野太郎氏、枝野幸男氏、福山哲郎氏、馬淵澄夫氏・・・。
男尊女卑論者の自分であるが、国家観も怪しげな男性政治家が破綻した論理を弄ぶ現在、彼等には、政治思想は異なるものの正論を述べ、健確な品性を示す高市・吉野両氏の爪の垢を煎じて飲ませたいと感じている。
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