ワクチン接種の一元管理が円滑でないようである。
IT音痴の身には良く分らないが、ワクチン接種に関して報道されるところでは厚労省管轄の「ワクチン流通管理(V-SYS)」、官邸(総務省?)管轄の「ワクチン接種記録(VRS)」という2つのシステムが併存しているらしい。
VRSは、予め自治体が準備している予防接種台帳や住民基本台帳から接種者の個人情報にマイナンバーを紐付けし、更に18桁の接種券番号をカードリーダーで読み取って接種記録とするという煩雑な仕組みであるらしいが、カードリーダーの御認識等もあってタイムリーな把握は困難な代物であるらしい。そんなこともあってか、接種事実が予防接種台帳に反映するまで2・3か月も要した事例があったとされている。ちなみに我が市(接種券未受領)の予約サイトを観ると、接種券番号は10桁となっているので、国の定めた18桁に変換するためには手入力であるかは判らぬものの1段階の結節があるように思える。
武漢コロナの国内感染から1年4か月、ワクチン担当大臣の任命から4カ月経過してもこのような状態では、とても戦争などできない状態であることが実感できる。”戦争”という言葉に忌避感を持つ人にあっては、戦争を”究極の生命保護である食糧の配給”と読み替えて頂きたいが、ワクチン接種の混乱を観る限り、国民の生命に関しては最終的には国が守り、そのための基本の情報インフラはソフト・ハード共に国が一元して管理するというグランド・デザインがないままに、諸情報管理を自治体に丸投げしたために生じたものであるように思う。
現在、戸籍と云う家系・人別制度がある国は、日本、中国、台湾の3カ国であるらしい。親日家に連なる一統を区別している韓国も2007年に廃止し、中国は一人っ子政策の後遺症による無戸籍者の存在等によって信頼性が揺らいでいるらしいので、正常な戸籍制度は日本と台湾の2国であるとされている。
日・中・台以外の国にあってはマイナンバーと同様の管理で行われているが、定額給付金の支給やワクチン接種の進捗状況を観ると左程の混乱は報じられないので、マァ済々と機能しているのだろう。今となっては云うも詮無いことながら、なまじ戸籍制度がしっかりしていたために、多くの人は戸籍で十分、紙ベースでの出力で十分、税務や口座との紐付けは個人情報侵害と捉えていたと思っている。確かに、徴兵対象年齢層の抽出は僅かなキー操作で簡単に行えるが、例えば健康保険証と連接していれば基礎疾患治療者は迅速に抽出できる。自分も、ガイドラインを読む限りでは基礎疾患罹病者のカテゴリーに含まれるように思えるが優先接種等の打診もない。
今回の中国コロナでは危機管理上の多くの脆弱性が見出され、指摘されているが、その改善意見に対しては政治家、特に野党の指導的立場の人は一様に「火事場泥棒的」と一蹴している。
終戦後間もなく亡くなった自分の祖母であっても、現在の役場に行けば戸籍謄本を戦前と同じ手続きで・同じ書式で貰うことができるだろうことは、制度と時代の進歩が同調しているとは思えない。
独善的な見方であろうが、現在の日本人の多くは、制度や法律の持つ正の面を過小評価し、深読み・裏読みした負の印象操作を過大に信じる傾向が顕著であるように思える。
今回露わになった脆弱性の改善に対しては、野党指導者の妄言は虚言・眉唾と捉えて改革に取り組み、支持を与えない限り、日本がIT先進国となる道は閉ざされるだろうと思う。
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