もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

大同を棄てて小異に就く

2020年07月20日 | 野党

 立憲民主党の枝野代表が「国民民主党との合流について「一つの政党として責任を持って訴えられるほど理念や政策は一致している」と述べた。

 憲法と安全保障という「2大国是」に対して相当な隔たりがある両党の理念が一致しているとする根拠は何だろうか。憲法論議を拒絶する立憲民主党を見限った山尾志桜里議員が、入党先に国民民主党を選んだことを考えれば両党の理念相違は明らかで、総選挙対策であることも明らかである。先の総選挙後に示された野党議員の右往左往ぶりを見ても彼等に政治的な理念や政策が無いことは明らかで、唯一の行動理念は「如何にして議員バッジを維持するか」という一点であるように思う。今回の立・国合流につぃても、選挙後には前回と同様の様相を呈することは想像に難くないと観る。目先の利・一時しのぎの便法は、連立して政権を担当する自民党と公明党にも当てはまる。先に挙げた2大国是について公明党はアクセルとブレーキペタルからは完全に足を離し、走行中には大して効果を発揮しないハンドブレーキを引く(そぶり)ことで、与党の実を甘受している。自公連立の経緯を眺めると、自民党が野党であった1994年には政教分離に反するとして公明党・創価学会を激しく攻撃しているが、自民党が単独過半数割れに陥った1999年には第2次小渕恵三政権が自由党(後保守党)・公明党が参加した連立政権を樹立し、以後、政権維持のためには社民党・新党さきが参加した時期もあったが、公明党は一貫して自民党との連立政権を維持している。しかしながら、自公連立の実態は、単独過半数割れの保険として自民党が公明党との連立を維持しているだけのようである。一時政権を握った民主党も社民党と連立を組むなど、連立政権の形態は今や政界の常識・恒例となっている。以上の例に見られるように、政界での離合集散や連立の実態は、政治権力を獲得・維持するためには、核心の主張は異なっても枝葉の政策で合意すれば可とする「大同を棄てて小異に就く」構図で推移しているようである。今秋にも予想される解散総選挙は安倍政権の支持率低下もあって自民党議席の如何が焦点に挙げられているが、対中国コロナ禍対策の不手際から立憲民主党への期待度も低下しているために、強固な組織票に支えられた共産党・公明党以外の総崩れすら予想されている。ここにきて、日本維新の会の存在と連立政権への維新参加が脚光を浴びている。母体であった地域政党「大阪維新の会」の橋下徹元代表がメディアで述べる正論、吉村大阪府知事の明晰・毅然としたコロナ対応によって、都知事選でも推薦候補は立民・共産の相乗り候補に遜色ない得票を得た。日本維新の会の主張は憲法改正や安全保障については自民党以上に明確であり、自民党の連立相手としては公明党よりも相応しいと考える。むしろ、自民党は下野の危険性があるとしても、保険を解約して公明党との連立を解消すべきであると思う。

 素人観の政界再編成を書いたが、永田町では一般社会以上に「一寸先は闇」の度合いが濃いとされるので、離合集散と数によって権力・政権が遷ろう事態は繰り返されるのであろうが、その際にも、「小異を捨てて大同に就く」は許容できるとしても、立・国合流のように数合わせのために大同を顧みない手法は採られるべきでないと思う。

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿