ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

ともに歩く:手話の探訪記

2010年09月05日 01時08分43秒 | 障害者の自立
 ◇無理解がつくる障害

 65歳以上の3割以上が老人性難聴と推計される「高齢化社会」。聞こえぬゆえに立ちはだかる障壁は、決して人ごとではないはずだ。

 取材の最後に、僕は全国に4カ所しかないという聴覚障害者のための特別養護老人ホームを訪ねた。兵庫県・淡路島の「淡路ふくろうの郷」。平均年齢80歳の男女52人が、手話や触手話や書き文字で暮らしていた。

 僕の傍らでいろいろと世話を焼いてくれたのは竹辺正晴さん(75)だった。戦中に両親を失い、敗戦の年の空襲で神戸のろう学校の寮を焼け出された。工場を転々としながら住み込みで働いたが、給料が払われず逃げ出す。道路工事をしていた15歳の時に、けんかが発端で無理やり精神科病院に入れられた。周りのだれも手話を解さなかった。

 それから56年。聞こえぬゆえの行動を精神障害と誤診され、閉鎖病棟で暮らし続けてきた。00年、介護保険制度が導入され、病院にケアマネジャーが配置されたことで、竹辺さんの存在が明らかになる。翌年、手話通訳士らが病院を訪問して竹辺さんと面会した。

 「長い間、手話を使う機会がなかったせいか、口でしゃべろうとされました。でも、手話で話しかけたら、急に目が輝いて。『また来てくれ』と繰り返していたことを思い出します」。当時を知る人はこう語る。

 06年春、ふくろうの郷の開所と同時に入園した。所持品は、服と洗面道具を入れた小さな段ボール一つ。それが今、竹辺さんの部屋には彼が描いた似顔絵があふれている。来客や職員や入所者の笑顔が100枚近く。部屋の机に積んである。

 勝楽(かつらく)進さん(80)と佐代子さん(81)は、女の子の人形の前に並んで話を聞かせてくれた。4年前に入所した際は、トラック1台に手作りの人形を満載してやって来た。結婚した時、親族から「ろう者が生まれると困る」と言われ、進さんは断種の手術を強いられた。以来、佐代子さんは我が子のように人形を作り続け、「譲ってほしい」と言われれば、「嫁に出すように」送り出してきたそうだ。

 ふくろうの郷に4日間滞在して、僕は抱えきれぬほどの物語をうかがった。ろう者で施設長を務める大矢暹(すすむ)さん(62)の言葉が心を突き刺す。

 「聞こえないことが障害をつくるのではない。社会の無知や無理解がつくる障害があることに気づいてほしい」。全国各地に聞こえぬことを理解されぬまま暮らしている老人は数知れない。

     ◇

 この夏、僕は「聞こえない世界」を歩き、手話を紡ぐ人々に出会って、己の無知を痛感した。長い間、僕は身近にいる彼らの存在に思いをはせることもなく生きてきた。だが、その気付きはまだ入り口に過ぎない。人のきずなが薄れて見えるこの時代に、異なる言語や文化をはぐくむ人々とともに生きる長い旅路の始まりなのだ。

毎日新聞 2010年9月4日 東京朝刊

塩原視力障害センター:廃止方針 県議会に存続陳情 「潜在的なニーズある」 /栃木

2010年09月05日 01時07分29秒 | 障害者の自立
 視覚障害者の自立・職業訓練の場である「塩原視力障害センター」(那須塩原市)について、12年度末での廃止方針を厚労省が打ちだしている問題で、利用者らで作られた「塩原視力障害センターの存続を求める会」の4人が3日、県議会を訪れて、野田尚吾議長に対し国に存続を求めてほしいと陳情を要望した。野田議長は「委員会などで検討したい」と応じた。

 同センターの利用者は86年には143人だったが、現在は24人に減少。厚労省は、利用者数の減少などを理由に閉鎖を決めた。しかし、これに対し同会は「減少は障害者自立支援法で利用者の負担が増えたため。潜在的なニーズはあるはず」としている。

 また、同センター利用者には山形や青森の人もいるが、閉鎖後は東北地方からの利用希望者も、埼玉県所沢市の国立障害者リハビリテーションセンターに通うことになり「遠すぎる上に、大規模施設で目が行き届かない不安がある」と訴える。

 同会会長の生田目和美さん(33)は、大田原市で生活していた26歳の時に特定疾患の網膜色素変性症と診断され、視野の96%が欠ける「弱視」の状態となった。一昨年からセンターの理療教育課程に通い、パソコンでの読み書きや点字、歩行などの自立訓練やあん摩マッサージ指圧師などの職業訓練を受けている。

 「塩原では、一人一人きめ細かく指導してもらえた。同じ体験をした中途障害者同士で共感できる場面も多い」と話している。同会はこれまで同省や那須塩原市などでも陳情や存続要望を訴えている

毎日新聞 2010年9月4日 地方版

塩原視力障害センター 新規募集の継続を 利用者県議会に意見書要請

2010年09月05日 01時06分37秒 | 障害者の自立
 厚生労働省が廃止の方針を示している国立塩原視力障害センター(那須塩原市)について、利用者らでつくる「存続を求める会」は三日、県議会の野田尚吾議長に新規募集の継続などを求める意見書を国に出すよう要請した。

 厚労省の計画では同センターは二〇一二年度末で廃止され、埼玉県所沢市にある「国立障害者リハビリテーションセンター」に統合される。

 同会の生田目(なばため)和美会長(33)は「厚労省は『所沢に行けばいい』と言うが、遠くて無理。地域にあるからきめ細かな指導を受けられる」と訴えた。 

東京新聞 -

塩原視力障害センター 新規募集の継続を 利用者県議会に意見書要請

2010年09月05日 01時05分13秒 | 障害者の自立
 厚生労働省が廃止の方針を示している国立塩原視力障害センター(那須塩原市)について、利用者らでつくる「存続を求める会」は三日、県議会の野田尚吾議長に新規募集の継続などを求める意見書を国に出すよう要請した。

 厚労省の計画では同センターは二〇一二年度末で廃止され、埼玉県所沢市にある「国立障害者リハビリテーションセンター」に統合される。

 同会の生田目(なばため)和美会長(33)は「厚労省は『所沢に行けばいい』と言うが、遠くて無理。地域にあるからきめ細かな指導を受けられる」と訴えた。 

東京新聞 -

視覚・聴覚障害者が「WEB版コールセンター」を担当 大阪・交野市が実証実験

2010年09月05日 01時01分56秒 | 障害者の自立
 大阪府交野(かたの)市がインターネットを活用し、市内の聴覚障害者や視覚障害者がオペレーターになり、住民からの問い合わせ対応や高齢者らの安否確認を支援といった行政サービスを提供するネット版コールセンターを設置することが分かった。専用の端末を使い障害者に就労の場を提供する取り組みで、来年度から実証実験を始める。

 交野市は大阪府北東部に位置する住宅地が広がる街。人口8万人足らずだが、身体障害者手帳を持つ市民は3・3%にあたる2635人(3月末現在)で、その率は全国の2・7%と比べて高く、障害者の就労支援が課題になっている。また、独居の高齢者や高齢者夫婦のみの世帯が急増しており、安否確認のニーズも高まっている。

 このため市は視覚、聴覚障害者が在宅でも仕事ができる方法を模索。インターネットを使い、住民から市への問い合わせや、高齢者の安否確認の代行といった業務の担い手になってもらう計画を立てた。

 ただ、市販のパソコンだと障害者の操作が難しいため、障害者向けICT(情報通信技術)システム開発の実績がある神戸市と神奈川県のNPO法人が近く開発する端末を使うことにした。

 ネットを通じた市民からの問い合わせに対して、聴覚障害者は文字や文章でやりとりする「チャット」機能を使い意思疎通をする。また、視覚障害者は市民から寄せられた高齢者の安否確認や情報提供の依頼を受け、高齢者宅へ電話をかける。そこで異常が見つかれば市に通報し、市の職員が訪問するという。

 今回の取り組みに必要な行政サービス情報や高齢者の情報については、ICT企業が運営する外部記憶装置に保存する「クラウド・コンピューティング」と呼ばれるシステムで運用。将来的に他の自治体が参入して共同運営しやすくなり、維持管理コストを大幅にカットできる利点があるという。

 ただ、個人情報を外部に保存することで情報流出の危険性が高まるため、交野市はクラウドで運用しても問題のない情報の範囲を精査することにしている。

 交野市によると、市民が情報を得る手段は6割が市の広報、3割が新聞などで、ネット経由は現状では5%にとどまる。このため、市は「将来的にネットの問い合わせだけでなく、即時性の求められる問い合わせにも対応できるコールセンターに発展させたい」としている。

MSN産経ニュース