「武士の家計簿」森田監督がPR
字幕や場面説明の副音声ガイドをつけるなどして、目や耳の不自由な人も鑑賞できるようにした「バリアフリー映画」の映画祭が26日から、佐賀市天神のアバンセで始まる。28日までの3日間、近年の名作や話題作計9作品が上映される。オープニングを飾る邦画「武士の家計簿」の森田芳光監督が25日、県庁を訪れ、古川知事に作品をPRした。
映画祭は県、福祉や映画の関係者らでつくる実行委の主催。各作品は、字幕で音楽や効果音を表現。一部は、活弁士が副音声を担当する。古川知事は「バリアフリー映画の大規模な映画祭は全国初ではないか」としている。
武士の家計簿は、一般公開に先駆けて上映。幕末期に加賀藩の経理係として活躍する下級武士が、家族と助け合って借金を返済する姿を生き生きと描いた物語。堺雅人、仲間由紀恵、松坂慶子ら豪華キャストも話題となっている。
森田監督は「有名人ではなく、普通の武士がどう生きていくか、興味を抱かせる作品。家族愛にあふれ、どの世代も楽しめる」とアピール。「障害を持つ方も普通に映画を楽しんでもらいたいというのが作り手の最大の気持ち。(参加の)機会を与えられ幸せ」と意気込みを語った。
古川知事も「障害のある人にとって分かりやすい映画は、誰にとってもいい映画」と応じ、映画祭の意義を強調した。
武士の家計簿は鑑賞無料。それ以外は一部を除いて、前売りで1作品につき、大学生以上500円、3歳以上・障害者・介助者(1人)300円。当日券は一律800円(一部を除く)。期間中は、監督らによるトークショーも連日開催される。上映作品は次の通り。
▽26日(午前10時半開場)「武士の家計簿」「ニセ札」「おくりびと」▽27日(同9時開場)「耳をすませば」「ぐるりのこと。」「牛の鈴音」▽28日(同)「猫の恩返し」「老人と海」「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」
上映時間などの問い合わせは県障害福祉課(0952・25・7064)、チケットについてはJTB九州イベントデスク(0570・012・700)へ。
(2010年11月26日 読売新聞)