障害福祉計画など未策定
県が障害福祉計画と老人福祉計画、介護保険事業支援計画を策定していなかった問題で、泉田裕彦知事は3日の記者会見で「大変遺憾に思う」とした上で「他にも疑念を持たれかねない同様の事例もあるようだ」と述べ、なお未策定の計画がある可能性を明らかにした。日本海横断航路の貨客船購入が宙に浮いた問題に関しては言及を避けた。
3計画は法律で策定が義務付けられているが、いずれも2009~14年度の6年分が作られていなかった。担当の福祉保健部は、県庁内の調整が付かなかったことを理由にしている。
会見で知事は、計画が作られていなかったことを「知らなかった」と説明。「上位計画があり、実質的に策定されていたという認識が現場にあるようだ」との見方を示した。県監査委員に対し、他に未策定の計画があるかどうか調査を要請したことを明らかにした。
一方、新潟港とロシア極東をフェリーで結ぶ日本海横断航路計画で、貨客船の購入をめぐって韓国企業と契約トラブルが起き、今春を目指した就航時期が17年度以降にずれ込む見通しとなったことについて、知事は「守秘義務が掛かっている」とし、言及を避けた。
この問題では、県の第三セクターが買おうとした船の速度が想定より遅く、県側が受け取りを拒否。売り主の韓国企業は契約は成立したとして残額の支払いなどを求めているとみられる。計画を主導する県が損害を受ける恐れについて知事は「民間企業間の取引。なぜ損害を負うのか」と否定した。
■知事会見要旨
障害者福祉計画などを策定していなかった問題をめぐる泉田裕彦知事の記者会見要旨は次の通り。
-問題をどう受け止めるか。
事態を招いたことと、是正されず長期間チェック機能が働かなかったことの二重の意味で大変遺憾に思う。疑念を持たれかねない同様の事例もあるようだ。チェックの必要があり、監査委員に対応を要請したところだ。
-チェックはいつまでにするのか。
まずは調べてみないと、期限は切れない。実態を見ながらどうするかを検討していくことになると思う。計画に常時見直しをかけながら更新していくというやり方もあると思う。
-計画が策定されていないことは知っていたか。
知らなかった。
-策定されない状況になった経緯をどう考えるか。
上位計画があり、実質的には策定されていたという認識が現場にあったようだ。監査委員の判断を踏まえて適切に対応していきたい。
2016/02/04 新潟日報