社会復帰の一助として
反町交差点そばの居酒屋、カメヤ食堂=反町3の17の5=で週に一度、水曜日のランチタイムにだけオープンする「カフェ クラシノバ」。腕を振るうのは、精神障害者向けの就労継続支援B型事業所「クラシノバ」=川崎市高津区=に通う20代から50代までのメンバーだ。取材当日も「いらっしゃいませ」と明るい笑顔で出迎えてくれた。
「ごく自然なこと」
カメヤ食堂でクラシノバのランチ営業が始まったのは昨年6月。店主の亀谷康仁さんが、以前から「日中にランチをやりたい人がいたら店を提供したい」と考えていたところ、常連客であるクラシノバ職員の西原由紀さんが手を挙げた。
メニューは、カレーと日替わりランチ(スープ・デザート付き)。ルーから手作りしているハッシュドビーフやスフレドリアなど、女性受けも良い洒落たランチが評判だ。
亀谷さんは、地元・北海道で飲食店を経営していた頃から障害者と音楽ライブを開くなどしていて、「みんな私たちと変わらないから、(このような形は)ごく自然なこと」と話す。
表情に変化
日本で約320万人が抱えていると言われる精神障害。クラシノバは、厨房調理作業や畑仕事などを通じて、精神障害のある利用者一人ひとりの強みや魅力を見つけ生かすことで、社会復帰を目指す活動に取り組んでいる。
実際の飲食店を使って調理や接客が経験できることに、西原さんは「実践に近い体験ができるので、利用者の表情もイキイキしている」と違いを実感しており、池浩一さん(40)は「本物のお店で接客することで自信がついた」、昨年秋田県から上京した伊藤綾さん(28)は「チームワークが難しいけど本当に楽しい」と笑顔を見せた。
営業時間は午前11時半から午後2時半まで。

(左から)店を提供している亀谷さん、クラシノバ職員の西原さん、利用者の皆さん
2016年2月4日