マイナンバー制度で、堺市は今月、視覚障害者のために、通知書に記されたマイナンバーを音声にしてCDに録音するサービスを始めた。国は視覚障害者への配慮を求めているが、具体的な対応は市町村の判断に任されていた。堺市の取り組みは全国的に珍しいという。
マイナンバーの通知書は昨年秋から郵送で各個人宅に届いているが、点字表記がなく、音声コードがついている。スマートフォンでアプリを使って読み込むなどすれば、音声化されるが、第三者の助けが必要になり、個人情報保護の面で課題があった。
そこで堺市は今月から市立健康福祉プラザ視覚・聴覚障害者センター(堺市堺区旭ケ丘中町)内にある点字図書館で、マイナンバーをデジタル音声化したCDを作成、配布するサービスを実施。CDケースにマイナンバーを表記した点字シールも貼る。
また、交付が本格化したマイナンバーカードについてもマイナンバーを表記した点字シールを貼れる。
いずれのサービスも無料で行っている。
「番号が読み取れないので困る」など、視覚障害者から戸惑いの声が市に寄せられていた。市障害施策推進課は「障害者団体と話し合って決めた。ほかの自治体の参考になれば」と話す。
市内の視覚障害者は平成26年3月末で2282人。CDは今月7日までに、4人から申し込みがあった。
サービスを受けるのに予約は不要。点字図書館((電)072・275・5024)は日、月曜日と祝日、年末年始休館。
2016.2.3 産経ニュース