UD対応店舗ステッカーなど
北上市のNPO法人アクセシブル北上が公募してきたユニバーサルデザイン(UD)対応店舗認証ステッカーなどのデザインが決定した。ステッカーには上野澄恋さん(上野中学校1年)、対応マニュアルなどのカットとなるキャラクター画像・ナビゲーターには藤澤姫奈さん(同2年)、佐藤穂乃香さん(南中1年)の案を採用。今年の希望郷いわて大会に向け、障害者も快適に過ごせるまちづくりに役立てる。
上野さんがデザインしたステッカー
UDは、障害の有無や年齢に関わらず多くの人が利用できるよう設計された施設や日用品など。同市が同大会(全国障害者スポーツ大会)の主会場となるのを受け、同法人は2015年度に「きたかみ飲食店UDスキルアップ事業」を実施。飲食店障がい者対応スキルアップ講座や効果浸透事業でUDの思想とノウハウの普及に努めてきた。
デザイン公募では、市内3中学校の生徒27人がステッカー15点、ナビゲーター20点を寄せた。
(左)藤澤さんが描いた対応マニュアルのナビゲーター(右)佐藤さんが手掛けたマップのナビゲーター
上野さんのステッカーは受講店舗の屋外に貼られ、UD対応の目印となる。同市の観光資源・サクラをイメージし、花びらをハート型にして暖色で統一。優しく温かいイメージに仕上げた。
藤澤さんはマニュアルのナビゲーターをデザイン。誰にでも分かりやすいモチーフとして猫を選び、フォークを持たせて飲食店らしさを出した。
佐藤さんの案は、募集時にはなかったマップ用に採用された。自身も舞い手という鬼剣舞のキャラクターにサクラやワイングラスを組み合わせた。マップは対応店舗の位置が一目で分かる物で、4月以降に製作する。
授賞式は22日夜に同市の市総合福祉センターで行われ、藤澤さんと佐藤さんが出席。小原広記理事長から賞状と副賞を受け取った2人は「うれしい」と口をそろえた。
藤澤さんは美術部の所属で、「大会にはたくさんの人が来る。健常者、障害者とも応援し合う活気のある大会になってほしい」と期待。美芸部所属の佐藤さんは「民俗芸能にも興味を持ってほしくて鬼剣舞をデザインした。障害を持つ人は私たちが何気なくできることでも難しいことがあり、サポートが大切」と話していた。
小原理事長はあいさつで「(大会と事業は)全国から来る人のほか、障害を持ち北上で暮らす人にとっても自由に出掛けられる環境整備につながる。中学生で事業に積極的に関わってくれた事を生かし、これからもまちづくり、人づくりに携わって」と期待を寄せた。
同日は完成したステッカーとマニュアルもお披露目。対応の要点をまとめたポスターと合わせ、受講の30店舗42人に配布する。事業は市民公募型の「市まちづくりチャレンジ補助金」から32万円の助成を受けている。
デザインが採用され、賞状を手にする藤澤さん(右)と佐藤さん