ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

視覚障害者を支え半世紀超 飯島みや子さん(91歳)

2016年03月16日 03時18分55秒 | 障害者の自立

 右手の人さし指と中指は左に曲がり、第一関節はタコで盛り上がっている。点訳のボランティアを約二十年。点筆を紙に押し当てる作業を続けるうちに、指の形が変わってしまった。訳した本は延べ一万八千ページに上る。

■子ども心に芽生え

 宮城県で過ごした子ども時代、近所に「大ちゃん」と呼ばれる全盲の男性がいた。子ども心に「自分がもっと大きければ、歩くのを手伝ってあげられるのに」と思った。いつか視覚障害者の役に立ちたいという気持ちが芽生えた。

 本格的に活動をするようになったのは一九六三年。帰省した際に、大ちゃんのお姉さんから飯島さんに宛てて書かれた手紙を見つけて読んでからだ。

 「いつか『点字を志してみる』と話していましたね。弟のような方が世の中にはいっぱいいます。ぜひ望みを果たしてください」

 手紙には、大ちゃんは他界しただろうこと、お姉さんも既にブラジルに移住したことが書かれてあった。

 その後、日赤神奈川県支部で点字点訳を本格的に学んだ。当時は教科書も少なく、一から写して覚えていった。点字は一ページ訳すのに数時間かかることもある。さらに、途中で間違えると一からやり直さなくてはいけない。苦労して訳した本には、松本清張の「逃亡」や旧ソ連のゴルバチョフ元大統領の「ペレストロイカ」などがある。

 二十年ほど点訳を専門にしていたが、八〇年代からはワープロが主流となり、視覚障害者を誘導するボランティアに軸足を移すようになった。当時は今ほどボランティアがおらず、依頼は引きも切らなかった。数え切れない人といろんな所へ足を運んだ。

■活動、本につづる

 昨年十二月には、これまでの活動をつづった「花の水曜日」(疾風怒涛社)を出版した。題名は、誘導をしていた障害者の一人に「飯島さんと会える水曜日が楽しみ。花の水曜日だよ」と言われたことにちなんだ。

 人生の大半を視覚障害者を支えるボランティアに費やしてきた。いつも「つらい」とか「大変だ」という気持ちはなかった。むしろあるのは感謝。「点訳でたくさんの本を読んでいろんな勉強ができた。誘導することで自分も歩いて健康が維持できた。むしろ、こちらが幸せをもらったんです」 

◆私の履歴書

1924年  宮城県で生まれる

 42年  実科高等女学校を卒業、横浜に移る

 60年代 点字、点訳を学び始める

2015年  これまでの活動をつづった「花の水曜日」を出版

2016年3月14日  東京新聞


浅井さんが来月個展 脳性まひの画家

2016年03月16日 03時13分08秒 | 障害者の自立

 米国・ハワイ在住の画家で、脳性まひの障害がある浅井力也さん(31)の個展(大分合同新聞社後援)が4月13~17日、別府市北中のホテル風月HAMMONDで開かれる。浅井さんと母親をテーマにしたドキュメンタリー映画の上映会(4月9日)や講演会(同16日)のほか、市内の障害者による作品展を同時開催する。

 抽象画や風景画など油絵約40点を展示する。浅井さんは分娩(ぶんべん)時の事故で脳に障害を受け、治療のため4歳で東京からハワイに移住した。そのころから絵を描き始め、6歳でハワイ美術院展で入選、8歳で個展を開くなど世界各地で活躍している。
 ドキュメンタリー映画「The Calling~神様から与えられたお仕事~」の上映会は9日午後2時から、ビーコンプラザで。浅井さん親子と長島一由監督が舞台あいさつする。講演会は16日午後1時半から同ホテルで。母親の三和子さんがハワイと日本の福祉の違いを話す。
 別府の福祉環境の向上を目的に開催する。主催する実行委員会の甲斐賢一委員長(同ホテル代表取締役社長)は「浅井さんの内面を表した作品で色づかいなどが素晴らしい」と話している。
 個展と同時開催の「市障がい者アーティスト展」には、さまざまな障害がある市内在住の12人が絵画や切り絵、詩、彫刻など約20点を出品する予定。

<メ モ>
 浅井さんの個展「Spring of Grace~恵みの春~」のみ有料。前売りチケットは大人800円、大学生600円、中学・高校生400円、小学生以下無料。障害者は対象の半額。介助者は400円。当日券は100~200円増となる。
 問い合わせはホテル風月HAMMOND(TEL0977・66・8483)。

ポスターを手に来場を呼び掛ける浅井力也別府展実行委員会のメンバー

※この記事は、3月14日大分合同新聞朝刊7ページに掲載されています。


困ったときにカード 支援の手を

2016年03月16日 03時07分21秒 | 障害者の自立

阿賀野市 「ヘルプカード」導入

  阿賀野市は、障害や病気で周囲の人に助けを呼ぶことができない人のため「ヘルプカード」を導入した。緊急連絡先や支援内容などを記載し、困ったことがあったときに提示することで、周囲から支援を受ける。

 障害者が地域で安心して暮らせるよう支援する市の「あったかサポート事業」の一環。聴覚障害者、知的障害者、精神障害者や病気などで声が出せない人が身に付ける。県内では他に上越市や十日町市が導入している。

 ヘルプカードには、名前や緊急時の連絡先、お願いしたい支援内容、かかりつけの病院などが書かれている。提示された場合は、支援をしてあげたり連絡先に電話したりする。

 市社会福祉課は「障害のある人に、住み慣れた地域で安心して日常生活を送ってもらいたい。提示された人は、声を掛けて手助けしてほしい」と話している。

 問い合わせは同課、0250(62)2510。

2016/03/14    新潟日報


「腕相撲」通し若者と絆 福岡市の「SFD21JAPAN」

2016年03月16日 02時59分07秒 | 障害者の自立

 土曜日の夕方、福岡市・天神の警固公園の一角。小さなテーブルを挟んで腕を組み合う若者たちの姿があった。力比べのアームレスリング(腕相撲)。対戦相手を務めているのは、学校になじめない子どもたちを支えるNPO法人「SFD21JAPAN」(同市西区)のメンバーたち。理事長の小野本道治さん(49)は「熱意のある子どもたちの就労支援も進めたい」と将来を見据えている。

 「SFD」は心(soul)、友達(friends)、夢(dreams)の頭文字だ。ボディビルに取り組んでいた小野本さんは、息子に手を焼く知人女性に「何とかしてほしい」と頼まれたのがきっかけで体力づくりを通した青少年支援を開始。2001年にSFDを立ち上げた。ジムにしていた西区女原の倉庫に次第に問題を抱えた若者が集まるようになり、中学生をはじめ、社会人になった若者まで約100人の会員がいる。

 高齢者施設の慰問や街の落書き消し、県警などと連携した青少年の立ち直り支援イベントでの講演-。多岐にわたる活動の中心がアームレスリングだ。ジムで鍛えた若者たちは次々に頭角を現し、九州大会の上位の常連になった。

 警固公園の「腕大学 天神校」と名付けたパフォーマンスは毎月1、2度実施。テーブルを置くと、自然と若者が集まり、SFDの会員が相手になる。県警やソーシャルワーカーらと日常的に非行少年に関する情報交換をしている小野本さんは、腕大学を通して若者たちの居場所を提供すると同時に、会話をしながら若者たちの状況を知ろうと努める。「都心には、街中の“悪そう”の情報が集まる。出張所みたいなものです」。知り合った若者たちとは無料通信アプリで「友だち」になり、「悩みがあったら相談して」と案内する。

 小野本さんは集まってきた少年たちに「どこから来たと?」と気さくに声を掛ける。少しやんちゃな若者たちがいったん立ち去った後、「こいつもっと強いっすよ」と屈強な仲間を連れてきた。一通り腕相撲を終えると、みんな「強いなあ」と笑顔になる。SFDトレーニング部副部長の吉村春樹さん(25)も中学生時代、先輩にSFDに「連れてこられた」経験の持ち主で、今は若者たちの相談役。アームレスリングについて「手を握っていがみ合いになるわけがない。コミュケーションのスポーツ、というのが最大の魅力」と話す。

 老若男女、国籍も問わないアームレスリング。SFDは、「腕大学」を将来的に一晩中開いたり、別の地域に「分校」を設けたりすることも検討している。

   ◇     ◇

 農場で無農薬野菜も生産するSFD21JAPAN。小野本さんは「今後は立ち直った若者たちの就労支援が重要」と考えている。地域の課題解決を目指すインターネットサービス「ローカルグッド福岡」が3月上旬に福岡市中央区で開いた会合集まった市民がアイデアを出し合った。

 障害者施設で働く20代の男性は「筋力と農業を生かした『筋肉カフェ』を開いてみては」と提案。「女性の話題になるかもしれない。利益を出すのが難しくても、サービスの対価でお金を払ってもらう体験は有意義だと思う」

 別の40代男性は「悩んでいる子どもたちの相談役」としての仕事を提案した。「問題を乗り越えた体験をもち、『誰かの助けになりたい』と思えることでエネルギーが高まるSFDの会員は、子どもたちのいい理解者になるはず」

 小野本さんは「居場所づくりと就労支援の先にある最終目標は自立。多くの人に関わり、見守ってほしい」と話した。

警固公園で開かれた「腕大学」で若者の相手をする吉村春樹さん(左)。相手の力をじっくり受け止めて、コミュニケーションを取る

2016年03月15日  西日本新聞

 


車いすランナー京都・都大路を疾走 駅伝競走大会

2016年03月16日 02時52分15秒 | 障害者の自立

 車いす駅伝の日本一を決める「第27回全国車いす駅伝競走大会」(府、京都市など主催)が13日、京都市内で行われ、全国から集まった23チームが都大路を走り抜けた。東京チームが優勝を果たし、京都Aチームは3位、京都Bチームは8位だった。

 同大会は、障害者スポーツの振興などを目的に平成2年から開催している。京都からは2チームが参加するほか、東日本大震災の被災地である仙台市のチームも参加した。

 午前11時半、国立京都国際会館(同市左京区)前のスタート地点に並んだ選手たちは、ピストルを合図に一斉にスタート。西京極運動公園陸上競技場(同市右京区)までの5区間21・3キロを、5人一組で疾走した。3位となった京都Aチームのアンカー、澤村聡一選手(39)は「何とか表彰台に上がれてよかった。来年は優勝に向かえるようにしたい」。京都Bチームのアンカー、中田達也選手(41)は「それぞれの役割が果たせ、きちんと走り切れてよかった」と話していた。

 3位までの順位は次の通り。(1)東京45分54秒(2)岡山49分16秒(3)京都A49分17秒

 一斉にスタートをする選手ら=京都市
一斉にスタートをする選手ら=京都市
 
2016.3.14   産経ニュース