ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者の思い、歌声響く 「働く喜び」初の有料公演で

2016年03月21日 03時16分15秒 | 障害者の自立

 川越市の知的障害者のための自立支援施設「川越いもの子作業所」の利用者と職員が十九日、川越市やまぶき会館ホールで「春一番コンサート おかん×IMO楽団」を開いた。施設利用者と職員でつくるIMO楽団の公演と、ロックバンド「おかん」によるアコースティックコンサートの二部構成。同作業所の利用者にとって、入場料を取るコンサートを主催するのは初めて。自分たちで運営準備や練習を重ね、迎えた本番は約五百席が満員の盛況となった。 (中里宏)

 IMO楽団は毎年春に同作業所内でコンサートを開催。多くの障害者も犠牲になった東日本大震災から五年の今年は「障害のある人たちが安心して働き暮らせる街は、災害に強い街」というメッセージをこめ、地域社会とのつながりを深めるために公共施設で開いた。収益は被災した障害者施設の復興に寄付することにした。

 IMO楽団が披露した十四曲は、大畠宗宏施設長が利用者と向き合う日常の中で作った。「自分の町で暮らしたい、働きたい」という気持ちや、子どもより先に老いていく親の思いを切り取りながらも、歌詞は前向きに「働いてるんだ! うれしいよ」「うつむかないよ! 僕たちは」と明るいロック調で歌い上げた。

 「おかん」は、メンバーの思いや経験をメッセージ性の強い歌詞で伝える男性四人のグループ。この日の出演は、息子が同作業所に通う会社員男性(50)がライブを聞いて感動し「心に抱え込むことが多い親たちに、ぜひ聞いてほしい」と提案したのがきっかけだった。ボーカルのDAIさんが「欠点は、何かが欠けているんじゃない。成長するのに欠かせないもの」とのメッセージを込めた一曲目の「あなたは、あなたで大丈夫。」から、聴衆を引きつけた。

 自分たちで準備を重ねてきた利用者たちのチャレンジは、「おかん」の力も借りて大成功に終わった。

障害者が運営し、歌って踊ったコンサート

2016年3月20日     東京新聞


季節のジェラート提供へ 合志市の障害者施設

2016年03月21日 03時09分01秒 | 障害者の自立

 合志市野々島の知的障害者就労支援施設「野々島学園」が5月11日から、ジェラート店「スロージェラート メイドインノノシマ」を施設内にオープンし、ジェラートの販売を始める。熊本市のレストランで18日、PRのための試食会があった。

 お披露目されたのは「いちご&ラム」「晩白柚[ばんぺいゆ]&白岳」などの6種類。県産の焼酎や果物など、季節の素材に応じてメニューを替え、学園の利用者が作るという。

 障害者とアーティストの橋渡しをするNPO法人「スローレーベル」(神奈川県)が店づくりをプロデュース。インテリアやカップ、ジェラートの開発などを専門家が担当した。利用者は店の内装を手掛け、カップも学園で作った陶器を使う。大量生産できない「スロー」なものづくりを目指す。

 学園専務理事の土井章平さん(33)は「地産地消のサイクルに野々島学園が入りたい。利用者の未来をジェラートを通してつくりたい」と話している。

 ジェラートをクッキーで巻いた「シガレット巻き」、自家製ドリンクも提供予定。300円から500円ほどの料金を検討している。野々島学園TEL096(242)6811。

お披露目された6種類のジェラート。「いちご&ラム」「晩白柚&白岳」など

2016年03月20日     熊本日日新聞


もし健常者が乗車拒否されたらどう思いますか? 「障害平等」心の壁学ぶ

2016年03月21日 03時02分55秒 | 障害者の自立

 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックのボランティア育成や、四月に施行される障害者差別解消法の推進に向け、自治体や大学などで「障害平等研修」と呼ばれる学習プログラムが注目されている。「障害は社会のバリアーがつくり出す」。その視点から、障害のある人にも生きやすい社会をつくるためのヒントを得るのが目的だ。

 教室のスクリーンに映し出された短編映画には、障害者と健常者の立場が逆転した世界が描かれていた。健常者の主人公が「車いす専用」のバスに乗車を拒否され、就職面接で腫れ物に触れるような態度を取られるなど、さまざまな差別を受ける姿を、参加者らはぎょっとした表情で見つめた。

 慶応大が二月、横浜市で開いた研修の一こまだ。参加した学生や東京都の職員ら計約二十人は四人ずつの班に分かれ、「障害って何?」「平等に扱われないことでは」などと熱心に議論していた。

 障害平等研修は主に健常者向け。NPO法人「障害平等研修フォーラム」(東京)が、希望する団体に進行役の「ファシリテーター」を派遣、半日~数日のプログラムを体験してもらう。

 この日の進行役を務めた、車いす利用者の山崎涼子さん(46)は「従来の研修は障害者の介助方法を学ぶことが中心で、障害は障害者自身の問題として終わってしまう。この研修では、周囲が変われば、障害は障害でなくなると気付くのが目的です」と話す。

 車いすで越えられない「階段」というバリアーも、スロープがあれば障害でなくなる。同じように「かわいそう」という心のバリアーをなくすことが、差別解消の糸口になるという。

 フォーラムによると、一四年以降、国内の自治体などで約六十回の研修が開かれ、千二百人以上が参加。六十時間の養成講座を受けた進行役は、身体、視覚、聴覚、精神の障害がある計四十八人に上る。

 障害平等研修は一二年ロンドン五輪のボランティア育成で採用され、東京五輪のボランティア希望者からも問い合わせが増加。フォーラムは今後、企業での開催も呼び掛けていく方針という。

 東京都によると、東京五輪では九万人以上のボランティアが必要で、一七年度にはリーダー的人材の募集が始まる。

 障害者への差別的扱いを禁じる障害者差別解消法は、公的機関や民間事業者に対し、障害者に必要な「配慮」を求めている。

 バリアフリーが専門で慶応大での研修を企画した中野泰志教授は「社会を変えるには企業が変わる必要がある。学生たちが将来就職した企業で差別解消を提案できるよう、全国の大学に研修を広めたい」と話している。

<障害平等研修> 1990年代に、イギリスで障害者差別禁止法を推進する研修として始まり、国際協力機構(JICA)のプログラムとして東南アジアなど約30カ国で実施されてきた。自治体や企業向けの対話型学習で、障害者自身が進行役の「ファシリテーター」を務める。障害の原因は個人でなく社会の側にあるとの視点から、障害者を排除しない組織、社会づくりを目指す。日本ではNPO法人「障害平等研修フォーラム」が2005年に発足、14年から本格的な普及に取り組み始めた。

「障害平等研修」で議論する参加者ら。左端は進行役の山崎涼子さん

2016年3月19日      東京新聞


陸上の基礎や技術指導/県身障者陸協主

2016年03月21日 02時54分28秒 | 障害者の自立

世界マスターズ金の譜久里氏

  健常者と障害者が一緒に陸上競技の基礎や技術などを学ぶ「MIX陸上クリニック宮古島」(主催・県身体障害者陸上競技協会)が19日、市総合体育館で開かれた。中学、高校生約30人と義足の男性1人が参加し、2015年世界マスターズ大会400㍍リレー金メダリストの譜久里武氏らから指導を受けた。

 同クリニックでは譜久里氏のほか、譜久里氏が代表を務める地域総合陸上スポーツクラブ「アスリート工房」のコーチスタッフと、今年の名古屋ウィメンズマラソンの車いす大会で2位に入賞した喜納翼氏が指導に当たった。

 譜久里氏は短距離を速く走るための足の動かし方として、片足が地面に接地する時にはもう一方の足の膝がすでに前へ出ている状態でなければならないと説明。腕振りは、スタート時には大きく振って勢いをつけ、スピードが出てからはコンパクトに振るようアドバイスした。

 さまざまある練習メニューを行う時、その練習の意味、狙いを知っておくことが重要と指摘する譜久里氏。「一つ一つのメニューに意味がある。漠然と取り組むのではなく目的を知って取り組むことで速い走りにつながる」と語った。

 クリニックの後半は短距離と跳躍のチームに分かれ指導が行われた。

 同クリニックは当初、市陸上競技場での開催を予定していたが、雨天のため会場を変更して実施された。

 きょう20日は市社会福祉協議会で午前11時から、譜久里氏や喜納氏らがパネラーを務め、地域スポーツ活動の取り組みをテーマに意見を交わすワークショップが開かれる。

速く走るための足の動かし方を指導する譜久里氏(左)

2016年3月19日     宮古毎日新聞


「共生」理念に10年目 特別支援学校

2016年03月21日 02時49分43秒 | 障害者の自立

続く模索 静大付属など相談や情報発信

 盲・ろう・養護の各学校が「特別支援学校」と呼ばれるようになり、四月で十年目を迎える。「特殊教育」に代わり始まった「特別支援教育」は、障害の有無や個性の違いを皆が認識し、ともに活躍できる社会をつくることを理念に掲げる。四月には障害を理由とした不当な扱いを禁じる障害者差別解消法が施行する。学校現場では、どのような配慮をすれば障害のある子どもたちの力を伸ばせるのか、模索が続いている。

 静岡大教育学部付属特別支援学校(静岡市葵区)は、特別支援教育が二〇〇七年度から始まるのに備え〇四年度、地域支援のための特別支援部を設置した。以来、支援部の教職員が静岡市内の学校に出向き、相談に応じている。一五年度は小中学四校に協力を依頼し、特別支援学級で実践している工夫を他校に情報発信する取り組みをした。

 協力校の一つ、川原小(駿河区)では、知的障害の児童が在籍する特別支援学級と普通学級の交流授業が評価された。この支援学級の児童は一人だけ。見よう見まねでも、ともに学ぶ喜びを感じてもらおうと、体育や音楽を同学年の普通学級で受けている。担当の山口靖之教諭は「一対一の授業は訓練になってしまう。自分も一人だと不安。第三者に評価してもらうと安心する」と話す。

 特別支援部の大石真未部長は「素晴らしい工夫なのに自信がない先生も多い」と話す。特別支援学校でさえ特別支援教育の免許のない教員が少なくない。特性が異なる一人一人への対応は手探りなのが現状だ。

 教員同士の横のつながりも強めようと、静大付属を含む市内の特別支援学校八校が一三年度、学校間ネットワークを設けた。市教委特別支援教育センターに相談依頼があった普通学校に教員を派遣している。

 センターの寺谷正博指導主事によると、発達障害と診断される子が増える中、普通教育か、特別支援教育のほうがいいか、判断に迷う例は多い。専門家が特別支援教育が適していると考えても、周りと一緒の「普通」の教育を受けさせたいと思う保護者もいる。

 障害者差別解消法では、障害者が社会生活を送る上での障壁を無くす「合理的配慮」が求められ、特に公立学校はこの配慮が義務化される。寺谷指導主事は「教育現場での合理的配慮とは何か。これから一番課題になる」と指摘する。

 特別支援教育が生まれて何が変わったのか。静岡大教育学部の大塚玲教授は、障害のある子の教育現場が外部に開かれてきた点を評価する。「必要な時に支援を受けられる場が、どの学校にもあれば理想だがまだ難しい。今は普通学級に在籍したまま通う『通級学級』や特別支援学級を増やすのが先」と話している。

(神谷円香、写真も)子どもの主体的な学びを引き出す特別支援学校の小学部の授業

 <特殊教育から特別支援教育への転換> 2007年4月に施行した改正学校教育法で方針転換。障害の種別ごとに特殊な教育をするという考えを変え、一人一人の教育ニーズに応じて支援し、さまざまな人が共生できる社会の形成を目指すことを目的としている。文部科学省は、各学校に「特別支援教育コーディネーター」の教員を置き支援の必要な子どもを把握できるよう求めている。

2016年3月20日       中日新聞