ゴエモンのつぶやき

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障害者だけのパフォーマンス集団 12年ぶり東京公演

2016年03月01日 11時57分31秒 | 障害者の自立

 障害者だけのパフォーマンス集団「劇団態変」(大阪市東淀川区西淡路)が3月11~13日、東京都杉並区の座・高円寺1で「ルンタ(風の馬)~いい風よ吹け~」を上演する。12年ぶりの東京公演。主宰の金満里さんは「戦争に向かおうとするなど、弱者を排除しようとする空気が鮮明になりつつあるが、そんな時代だからこそ、文明批判でもあるこの作品を(障害者である)私たちが、日本の中心でやることに意味がある。発展や経済的な豊かさとは違う価値観があることを発信できれば」と話している。

 劇団態変は1983年に旗揚げ。芸術監督も務める金さんの「身体障害者の障害自体を表現力に転じることで、未到の美を創り出すことができる」という着想に基づき、障害者自らが演じるパフォーマンス集団として大阪を中心に活動してきた。国内はもとより、ケニア、イギリス、スイス、ドイツ、韓国などにも招かれて公演。せりふのない、身体だけの抽象表現は、ダンスや舞踊とも違う態変ならではの表現として高い評価を得ている。

 上演する「ルンタ-」は自然の摂理に基づいて生きるチベットの人たちの生活や文化をモチーフに金さんが創作。14年に大阪で初演した。

 2年ぶりの再演となる今回は、態変のメンバーを舞台上で介助する黒子やエキストラも東京で募集。現地の人たちも巻き込みながら、より広範囲への発信を目指している。

 「ルンタ-」の初演でも、音楽を担当したミュージシャンの山本公成さんが、今公演のために新たなバンドを結成。チベット出身の仏画師ウゲン・ナムゲンさんの絵も舞台を彩る。

 2012年の厚生労働省の方針変更で福祉制度の補助金が受けられなくなり、財政状況が悪化。定期出版物の発行や賛助会員を募るなどして運営を続けており、大阪以外での公演も簡単には行えなくなった。

 今回も、有志による「態変in東京応援団」を募って実現させた“満を持して”の公演。金さんは「人間や文明のるつぼのような東京は華やかに見える半面、非常に疲弊しているようにも見える。人々が心の中で本当に求めているものは何か。人と人が緩やかにつながりあった大阪の土壌で育まれた態変の作品を、思い切りぶつけてみたい」と意気込んでいる。

◇   ◇

 チケットは一般4千円、シルバー3500円、学生3千円。12日には、作家の田口ランディさんと金さんによるアフタートークも予定されている。問い合わせは電話06(6320)0344、態変officeイマージュ。

                           
東京公演に向け、金さん(手前)の指導で稽古を行う劇団員ら            「ルンタ(風の馬)~いい風よ吹け~」の公演パンフレット
 
2016年2月29日    大阪日日新聞

障害者作製コサージュ胸に卒業 六甲アイランド高

2016年03月01日 11時50分38秒 | 障害者の自立

 29日にある六甲アイランド高校(神戸市東灘区向洋町中4)の卒業式で、障害者が働く事業所が手掛けたコサージュが、卒業生らの胸元を飾る。「支援になれば」と保護者がNPO法人を通して発注。2月初めに約400個を受け取った。

 同校では、毎年卒業生の保護者がコサージュの準備を担当し、業者に頼んだり、手作りしたりしている。

 厳しい立場にある働く障害者の現状を報道などで知った保護者(53)が、事業所への注文を提案。障害者の就労を支援するNPO法人「クルーズ」(中央区)が橋渡し役になった。

 クルーズは青陽東養護学校(灘区)のPTAメンバーで昨年4月に設立。六甲アイランド高校とは、生活福祉コースの生徒が毎年同養護学校の行事にボランティアとして参加しており、コサージュ製作の話がスムーズに進んだ。

 製作したのは、東灘区にある「ジンジャークラブほっと」「あすか」「就労支援 つぼみ」の三つの事業所。初めての作業だったが、役割分担して、1カ月ほどで仕上げた。船出を祝福する意味があるシンビジウム2輪に、レースやリボン、パールの玉飾りなどが丁寧にあしらわれている。

 卒業生保護者代表の高山美代子さん(48)は「満足な仕上がりに感謝しています。今後も私たちにできる方法で力になれれば」と話している。

コサージュを卒業生の胸に飾る保護者=六甲アイランド高校

2016/2/29   神戸新聞NEXT


東京マラソン2016 障害者ボランティア初参加「自信になる」

2016年03月01日 11時47分04秒 | 障害者の自立

 今大会には初めて、障害者のボランティア約10人が参加した。大会運営に障害者の目線を加えることで、車いすランナーの誘導などをスムーズに行う狙い。

 車いすで参加した葛飾区の勝俣京子さん(67)は「車いすでも、お手伝いできることはある。こういう機会に呼んでもらえることは自信になる」。

 ゴール地点でランナーにパンを配るなどした調布市の黒田美和さん(31)も「不安もあったが、仲間もできて楽しかった。2020年東京五輪・パラリンピックにも参加したい」と目を輝かせた。

 視察した舛添要一知事は「健常者も障害者もみんなに参加してもらいたい。それが東京が一つになることにつながる」と述べた。

2016.2.29    産経ニュース


障害者施設内に企業 通所者、実践的な就労訓練

2016年03月01日 11時40分37秒 | 障害者の自立

 一般社団法人光陽福祉会(岐阜市折立)は、同市東改田に3月1日開所する障害者就労支援施設「第3光陽」に、精密部品加工業リタテクノ(同市奥)を誘致した。同社は施設内に部品製造工程の一部を置き、通所する障害者に製造を委託、就労訓練の場にする。同会の菊池利哉会長は「福祉施設の中に社会空間を設けることで、一般就労に向けた支援を強化したい」と話す。

 同施設は、障害者の一般企業への就労を目指した「就労移行支援」と「就労継続支援B型」を行う。B型は就労が困難な障害者を対象としており、非雇用で授産的な作業をすることが多いというが、同施設では実際の企業の生産を請け負うことで、より実践的な訓練に取り組む。

 通所する18~55歳の障害者約30人は、同社から発注を受けた水回りのバルブ部品の洗浄、検査、梱包などの作業を行う。すでに1年間、同社に通って実習を続け、作業工程を学んできた。村瀬孝司社長は「健常者と何ら変わらない作業ができているばかりか、検査ではこちらが気付かないような細かな部分まで目を配ってくれる」と太鼓判を押す。

 菊池会長は「勤労や納税の義務を果たし、障害者が自立した生活が送れる支援をしていきたい」と言う。

 施設では障害がある高校生を対象にした放課後などのデイサービスも行い、職業体験に同社から受注した仕事を活用していく。

施設に入居するリタテクノの村瀬孝司社長(右)と誘致した菊池利哉会長

2016年02月29日  岐阜新聞


「障害者」という幻影

2016年03月01日 11時35分31秒 | 障害者の自立

 二〇二〇年東京パラリンピックを控え、障害者がよくメディアに登場するようになった。スポーツやアール・ブリュット、農業と福祉の連携…多彩な活躍ぶりを知るにつけ、共生社会のあり方を考えさせられる。

 ただ、かねて気になるのは、メディアの伝え方だ。例えば「困難を乗り越えて、素晴らしい業績を上げた」といった美談調子。健常者はどんなメッセージを読み取るか。

 「障害を克服しながら、あんなに頑張っている人がいる。私には幸運にも障害はないのだから、もっと頑張らなくちゃ」。そんなふうに障害者の奮闘を人生の肥やしにすることもあるだろう。でも、そうやって紹介された障害者は、違和感を覚えるに違いない。

 批判をおそれずに言えば、障害者にとっては、障害のあることが「健常」なのだ。克服すべき課題はそこにはない。だが、健常者にしてみれば、それが困難の元に見える。乗り越えるべき課題に映るのである。

 障害者は、自らの障害をいつも意識して暮らしているわけではあるまい。道路に段差があったり、筆談を拒まれたり、メニューに点字がなかったりして初めて不自由、不平等を認識させられるのではないか。

 困難や試練の元は、社会の側にある。自戒を込めて思う。そんな社会の不備に気づいたとき、目の前にいる取材相手は、もはや障害者ではなくなるのである。 

2016年2月29日   東京新聞