ゴエモンのつぶやき

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障害者差別解消法施行から1年 第3部・1票の壁/下 難しい意思表示 /鹿児島

2017年06月19日 03時42分35秒 | 障害者の自立

 鹿児島市長選投開票日の2016年11月27日午前10時半過ぎ、鹿児島市の投票所に大型マイクロバスがやって来た。知的障害者支援施設「ゆうかり学園」(鹿児島市岡之原町)の有権者約20人を、施設職員の田中武寛さん(37)が受け付けまで引率。その後は、有権者1人に市選管職員2人が付き記載台や投票箱に案内し、投票を済ませた。

毎日新聞      2017年6月17日 


当事者とともに、「1票の壁」を考える

2017年06月19日 03時16分47秒 | 障害者の自立

 東串良町長選投開票日の2016年2月28日、全盲の石田清子さん(70)は、知人の車に同乗して投票所を訪れた。投票用紙の大きさを町選管職員に尋ね、記載台へ。字が重ならないように気をつけながら、カタカナで候補者の名前を書き、1票を投じた。

 石田さんは50歳の頃に網膜色素変性症を発症。徐々に視力が低下し、約5年前にまったく見えなくなった。点字は読めず、情報は耳でしか得ることができない。町長選では、知人から候補者の公約を聞いたり、街宣車からの訴えに耳を傾けたりして、意中の人を決めた。個人演説会に行きたくても、移動の困難さもあり気軽には足を運べないのが実情だ。

 国政選挙や知事選では、選挙公報の音声版が投票先を決める助けになっている。しかし、町長選では選挙公報自体が発行されておらず、情報不足を感じる。石田さんは「目が見える人には分からないかもしれないが、音声版の選挙公報が必要。一人の市民なのに市民じゃないような寂しい感じがする」と話す。

 条例を制定すれば、地方選での選挙公報発行は可能だが、県内では東串良町を含む23市町村で財政難や、準備期間の短さを理由に発行していない。発行している市町でも、点字版と音声版の選挙公報を作成している自治体はない。鹿児島市選管は「点字版作成は時間的に難しく、音声版は要望がない」と話す。

 一方、全国には京都市など首長選の選挙公報で点字版・音声版を発行している自治体はある。国政選、知事選で選挙公報の点字版、音声版作成を担う県視聴覚障害者センターの点字指導員、吉弘裕子さん(55)は、点字・音声化には読み方の確認などに時間がかかるとした上で「ボランティア確保の予算措置をしてくれれば努力する。全ての人に対応できる音声版に取り組む流れを作った上で、点字版を作成すればいいのでは」と提案する。

 障害者差別解消法では、配慮を求める意思表明があった場合には、行政機関は障壁をなくすための合理的配慮を行わなければならないとされる。日本点字図書館(東京都新宿区)の長岡英司館長(66)は「市町村の選挙は身近な代表者を選ぶので、きちんと参加できないのは問題。(障害者らが)声を上げれば自治体には対応する義務がある。地域の人が自治体に対して声を出していく必要がある」と指摘した。

   ◇  ◇ 

 障害者差別解消法が昨年4月に施行され、1年が過ぎた。民主主義の根幹といわれる選挙だが、障害者の投票には、さまざまな障壁が存在する。当事者とともに、「1票の壁」を考える。

06月15日   


障害者施設の男児の死因は低酸素脳症 大阪

2017年06月19日 03時08分36秒 | 障害者の自立

 大阪府太子町山田の障害者福祉施設「四天王寺太子学園」で14日に浴槽に沈んでいるのが見つかった小学3年の男児(8)について、大阪府警富田林署は17日、司法解剖の結果、死因は気道が詰まったことによる低酸素脳症と判明したと発表した。男児に目立った外傷はなかった。

 同署によると、男児はこの施設で生活しており、当時は男児を含む約15人が職員に付き添われて入浴していたという。府警は関係者から事情を聴くなどして、事件と事故の両面で捜査している。

2017.6.17    産経ニュース


読みやすいように工夫されたLLブック

2017年06月19日 02時54分20秒 | 障害者の自立

 知的障害や自閉症などの人らのため、写真や絵記号で構成するなど、読みやすいように工夫されたLLブック「はつ恋(こい)」(樹村房)が出版された。企画者の一人、大和大学保健医療学部(大阪府吹田市)の藤澤和子教授に、親や支援者らはどう活用したらいいのかについて聞いた。(鈴木久仁子)

 LLブックはスウェーデン発祥で、海外では教育現場でも広く使われているという。藤澤教授は「中学校や高校でも広めていきたい」と話す。

 今作は「わたしのかぞく なにが起こるかな?」(2015年)に続く第2弾。兵庫県立ピッコロ劇団(尼崎市)の風太郎(ぷうたろう)さんが制作に協力し、出演もした。

 「はつ恋」は、ストーリーを写真だけで展開する。前書きには「読(よ)むことがむずかしい人に、読(よ)みやすくわかりやすく作(つく)られた本(ほん)です」と、ルビをふって書かれている。

 目次にはピクトグラムといわれる絵記号が記されているので、字が読めなくても、どんな内容の章なのか分かる。1章は、海と男女の2種類の絵記号で、「海でであう」ことを表現している。藤澤教授は「文字より、絵の方が理解しやすい人のためにつけた」という。

 夏の浜辺で出会った2人は引かれ合い、デートし、冬のクリスマスでハッピーエンドを迎える。進展していく恋の物語を7章に分け、それぞれを5、6こまの写真でつづる。

 「4こま漫画のように思ってもらえれば分かりやすい。動きや表情で話が分かる写真を並べているので、『なんて言っているのかな』と写真を挟んで会話をしてほしい」

 支援者は先走りで絵の説明をするのではなく、利用者が話し始めるのを待ち、「うれしそうな顔だね。なぜだろう」などと、登場人物の気持ちを想像して会話をするのがこつという。「文字はないので答えはない。一方通行ではなく、双方のやりとりができるのがこの本の良さ。ゆっくりじっくり味わってほしい」

 また、教育現場では写真をコピーして並べ、登場人物たちの会話を吹き出しで書いてみるといいという。「ただめくるだけでなく、言語化する力を養い、自分の世界に広がりができる」と、藤澤教授は話している。

 今回、写真の演出を手がけた小安展子さん(Arawas Factory)は、「どのカットも印象的に、分かりやすく、自然に」と心を砕いた。風太郎さんは、何度もリハーサルをして出演者の細かいポーズや動きを確認、小安さんと、より伝わりやすいカットを目指したという。

 B5判90ページ。1728円。書店で販売中。樹村房TEL03・3868・7321

 【LLブック】LLは、スウェーデン語の「やさしく読める」という言葉の略語。北欧を中心に普及し、知的障害者のほか、高齢者や移民、認知症の人にまで対象が広がっている。「わたしのかぞく なにが起こるかな?」は初版千部を完売、重版となった。「障害者差別解消法」の観点からも、広い理解と支援が求められている。

「まだ社会の関心が低く、公的な支援も得られないので苦しいが、なんとか続けて作りたい」と話す藤澤和子教授

LLブック「はつ恋」の一場面写

2017/6/18  神戸新聞NEXT


障害のある若者たち米国で学ぼう 渡航費寄付募る

2017年06月19日 02時44分54秒 | 障害者の自立

 日米の障害のある若者たちが交流し、学び合おうと、当事者たちが7月に渡米ツアーを企画している。障害のある若者や介助者約50人が全国から参加予定で、渡航費用の寄付を募っている。障害者自立運動の先進地である米国の制度や意識を体感し、障害の有無にかかわらず誰もが生きやすい社会づくりにいかすことが目的だ。

 企画は「ADA27 LEAD ON! YOUTH PROJECT(エーディーエー27リードオン!プロジェクト)」。障害者の地域生活を支援する団体が加盟する「全国自立生活センター協議会」(東京)などが主催する。障害者差別を禁じる「障害のあるアメリカ人法(ADA)」制定25周年を記念し、2015年に日本から障害者ら約60人が渡米したことが始まりだ。昨年は逆に米国から障害者ら約15人が日本を訪れた。3年目の今年は、日本の若者たちが米国へのツアー実行委員会を結成し、企画や調整を担う。現地では世界各国から障害者が集う国際会議に出席するほか、相模原事件に対する障害者の声を発信する予定だ。

 実行委メンバーで15年のツアーに参加した内村恵美さん(37)は、手足の筋力が落ちる病気があり車椅子を使う。米国ではスーパーのあちこちに車椅子マークがあり、助けが必要な際に声をかけやすかった。商品を取ってもらおうと店員に頼むと、戸惑うことなく応じてくれる。エレベーターを乗り降りする間、子どもが自然に「開」ボタンを押しておいてくれた。普段から障害者と当たり前に接しているのだと実感した。一方で、公的保険制度など日本が充実していると感じる点もあった。

 重度障害者の渡航は、飛行機内の酸素ボンベや呼吸器バッテリー、介助者の旅費などで、健常者の何倍も費用がかかる。渡航費用の寄付は、ゆうちょ銀行への振り込み(店名〇一八(ゼロイチハチ)、普通預金5986520、名義LEAD ON! Project実行委員会)か、クラウドファンディングhttps://japangiving.jp/campaigns/32953別ウインドウで開きます)で受け付けている。詳細・問い合わせは公式サイト(https://gracebaske8.wixsite.com/mysite別ウインドウで開きます)か、NPO法人自立生活夢宙センター(電話06・6683・1053)へ。

 写真・図版 

2015年の米国ツアーで、米国の障害者と談笑する内村恵美さん(左)=NPO法人自立生活夢宙センター提供

2017年6月18日   朝日新聞デジタル